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きみがすき

※小ネタというか散文に近い。あまり意味も分からない←














「せんせーなんて、だいっきらい!」

盛大に響いた子ども特有の甲高い声が耳を抜けた。

眼下に目をやると、俺が今まさに寝そべる大木の真下にイルカ先生が佇み、先程の声の主が目元を拭いながら走り去るところだった。

イルカ先生はそれを追うでもなく、子どもの去った場所を眺めていた。

「せーんせ」

頭上からの声に弾かれた様に顔を上げたイルカ先生は、お恥ずかしいところを、と言って笑った。

その瞳の奥に濃厚な諦念の気配を感じて、咄嗟に彼の目前に降り立つ。

「俺、イルカ先生が好きですよ」

驚いたようにぴたりと身体を固くする彼を見て、苦笑が零れる。

「きっと、あの子もそうでしょ」

子どもの去った方向に顎をしゃくると、くしゃりと顔を歪めて、泣きそうな笑みを浮かべ、そのままぺこりと頭を下げて駆け出した。


イルカ先生は、時々悲しい程に諦めた顔で笑う。

好かれる筈が無いなんて、根拠の無さ過ぎる思い込みを強固に抱えているのだ。

それが現実とはまるで違って、いっそ笑えてしまう程。


「今日も流されたねぇ」

ぽつりと一人ごちた言葉は思いのほか淋しげに響いて再び苦笑が洩れた。


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このかなしみに満ちたやさしい世界で

※小ネタ。暁襲撃、カカシさん生還後の話。














許せない、と。

どうしても許せないんだ、と吐き捨てた俺に、あなたはぽつりと言った。

―でも、カカシさん。

一片の狂いもなく俺を見ていた、正しい黒の瞳。

―ひとを信じることにおいて、その相手に裏切られるかどうかは大したことじゃないんですよ。

ふわりと穏やかに笑んだあなたに、俺は言葉を返せなかった。

あなたの言葉を、理解できない事がさびしくて。


とても、かなしかったんだ。



※ ※ ※



ふと夜空に浮かぶ三日月を見上げて、それが此処に座り込んだ当初よりも随分と高い位置に昇っている事に気付いた。

瓦礫を積み上げた場所に二人並んで腰をおろし、あなたは俺に寄りかかるように頭を寄せて。
お互いの息遣いに聴き入るように、言葉も無くただそこにいた。

時折、確かめるように触れる指先と、向けられる視線。
それに瞳を合わせて右目を緩めれば、たちまち泣きそうな顔であなたが微笑った。

顔を寄せて、触れるだけの接吻けを交わした。
その間も此方の姿を探すように黒い瞳は開かれたままで、気恥ずかしいがそれを咎める気にはなれなかった。

「…意識を失っていた時に、父に逢いました」

ぴくりと震える肩に、まだこの手の話は早いだろうかと逡巡する。
とうに亡くした人と出逢った、なんて、死にかけたことを裏付けるような発言は。

「白い牙…と呼ばれた方でしたね」

返ってきた声は小さくとも力のある声で、それに少し安堵した。

「はい。それで…いつだったか、父のことをイルカ先生に話した時、俺、言いましたよね。「許せない」って」

俺をひとり残していってしまった父親も。
父親に助けられながら彼を裏切った仲間も。
何もかもが許せなかった。

「…でも、イルカ先生はこう言った。「人を信じるのに、相手が裏切るかどうかは大したことじゃない」って」

言いながら隣を見遣ると、彼はそうですね、と小さく零して淋しそうに笑った。

「その時は俺、あなたに突き放されたような気がして…というより、その言葉が理解できなくて悲しかったんです」

再び夜空に視線を転じ、欠けても尚輝きを放つ月を見つめた。

「俺は、父の行いが…仲間を大切に想う心が正しかったことを信じたくなかった。そして…あの人が仲間を恨んでいなかったことも」

死の狭間での邂逅で、穏やかな笑みで此方の話に耳を傾けていた父の、伏せられた瞳。
そこには寂寞こそあれ、憎しみや哀しみなどは存在しなかった。

「今なら分かる。あの時のあなたの言葉は、仲間を信じた父の想いそのものだった」

信じるという行為は、相手がもたらす結果に対してのものでは無く、相手を想う自身の心に向けたものなのだ。

「…本当はね。この赤い瞳を得た時から、父のことはとっくに信じていたし、誇りだった。でも…裏切った人間はやっぱり許せなかったんですよ。今まではね」

再び隣に目をやると、深い色を湛えた黒い瞳が、愛しむように此方を見つめてた。

「…許せるように、なりましたか?」
「…ま、父が大切に想って信じた仲間を、俺が恨んだってしょうがないでしょ。でも」

かなしい、と零した拍子に、ぽつりと涙が零れた。

「…恨みませんけど、かなしい。あのとき、ひとりでも…父さんに手を差し伸べてくれたらって。俺が支えていられたらって、考えたらね、やっぱりかなしいんです」

だから…ちょっとだけ泣いてもいーい?

おどけたつもりの言葉はみっともなく震えてしまった。

ぽつりぽつりと瞳から零れる雫を指先で拭われ、延ばされた両腕にそのまま強く抱き締められた。
彼の肩口に目頭を押し付けて、瞳を閉じる。


訪れた暗闇は酷くやさしかった。

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ねむいのである



この状況でまともな日記を書くのは無理だろうと思うけれども近況をば…。

職訓のクラスがオープン過ぎて自重できない。
ふじょしなことはひた隠しにしているけれど(笑)おたくは隠していない(^^)
職訓終わる頃にはジョジョ立ち部が結成されていてもおかしくないクラス。
いや…ジョジョあんまり知らないんだけどね…。
クラスの30歳主婦の方が「人から貰ったんだけど全然分からなくて…誰かいらないかしらー」てなことでジョジョの登場人物のフィギュアを2体持ってこられて、それはもうあっと言う間にクラス内で貰い手が見つかり、あまつさえ教室内で写メにて撮影会という素敵すぎるクラスです(笑)

居心地いいわ…漫画たくさん借りれるし…。来月で職訓終わるのが惜しい…。

しかし現実は迫りくる。

就職活動がんばるぞー。


あ、その前に検定がんばんなきゃ( ・ω・)



不健全な休日

小ネタ。イチャパラ…でもない←














もぞもぞと動く気配に腕を伸ばし、隣に眠る身体を抱き寄せる。
即座に逃れようと身を捩るから、仕方なく腕の力を解いて解放を許した。

「…カカシさん、もう起きましょうよ」

気怠けに囁いた声の主は、普段なら俺の意思など構わずにさっさと寝床から這い出る様なひとだった筈だ。

「んー…」

肯定とも否定ともつかない言葉を返して枕元に顔を埋める。
頭上から嘆息する気配と、後頭部に柔らかく置かれた左手に、埋めた顔を綻ばせた。



こうやって、日が一番高い所にのぼり、下手をすると沈みかけるまで寝床で過ごす、というのは、彼に言わせれば『不健全』なのだという。

不健全。

健全って、なんなんだろう。


「ほら、怠惰な感じがするでしょう。貴重な休みなのに、掃除も洗濯もしないで」


とも言っていた。

それはつまり、掃除や洗濯と、二人で共に過ごす時間が同じレベルであるということだろうか。
我ながら卑屈な考えだとは思うけれど、仕方のないことだ。
この人に触れていられる時間は、俺にとって最も価値のあることだ。
呼吸をすることと同じレベルだ。
相手はそうでないということぐらい、分かっている。
あなたを俺だけのものにできないことぐらい。

彼の台詞を聞いて、俺はかなしそうな顔でもしたのだろう。
途端に彼は困った顔で

「本音を言うと」

と言った。

その前が本音じゃなかった訳ではない、もちろん。数ある本音の中、氷山の一角を削り取ってはこちらに見せるのだ。理解を求める為に。
そう考えれば、相互の理解に達する迄の過程に於いて、人は途方も無い労力を要することになる。

「あなたとくっついてると、怖いんです。寄り掛かって、ぜんぶ預けてしまいそうになる」

ほねぬきにされたくないんです。

それは拒絶でもなければ、牽制ですらなかった。
そんな事を言われれば、ひとりで生きていけないぐらいにほねぬきにしたいなんて思うに決まってる。
だから俺はそれ以降もべたべたとひっついて、彼の言うところの「不健全」な休日をねだった。



みたされるのが怖いのは、よくわかる。
みたされてしまえば、もう後がないのだ。
増えればあふれてしまうので、変化を望むなら減らすしかない。
維持する、ということは、いっそ苦痛を伴う行為だ。


ひとりで生きていけないぐらいにほねぬき、なんて、憎んだ相手へ殺意を抱くより非道い。

それでも、俺にとってのあなたはもうとっくに必要不可欠なものとなってしまった。

だから。

「イルカ先生」

枕元から顔をあげて、殊更甘い声で彼を呼んだ。
眉を顰めて距離を置こうとする腕を掴んで再び抱き寄せた。

逃がしてなんかやらない。

「ねぇ、すきだよ。イルカ先生が、すき」

仏頂面で愛の言葉を聞き流す彼に、上機嫌で接吻けた。

愛情表現なんて、それこそ氷山の一角、だ。
もしも全貌を見てしまったら、彼は恐れ慄いて俺から逃げ出すに違いない。

「あいしてるよ、先生」

やがて観念したように嘆息した彼は、一気に黒い瞳を蕩けさせた。
回される腕に、あふれんばかりの喜びが押し寄せてくる。
彼は近頃、「怠惰な感じのする不健全な休日」を享受する様になった。
そのうち彼がみたされて、ほねぬきになる日も近いだろう。


「本音」を言うと、俺は飢えているから、それがあふれることは決して無い。瞬く間に渇いて、何度も彼を欲しがる。
「健全」な彼が、あふれてあふれて、飽和するそれに苦しがったって。
手離してやる気なんか、ひとつもない。

唇を合わせ、交わす温もりに瞳を閉じた。

この不健全な休日が、あなたにとっても幸福な休日になるようにと願いながら。



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うーん



ちょっと前からなんとなく感じてたけど、どうも調子が悪い。
スランプという呼び方が一番近いような。
なんかスランプって言葉は今までさもまともな文章を書いてたかのような言葉で抵抗があるのですが…(苦笑)

書きたーい!てなってもちっとも書けないしょぼん。

カカイルへの気持ちが減少なんてこともなくむしろ増幅の一途を辿っているというのに…。
あんなに素敵なカカイルアニメが放映されたというのに…!

まぁぼちぼち書いてみます…。



拍手ありがとうございます(*>_<)゛

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