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紅茶はいかが?

 
温かく、柔らかい。



【紅茶はいかが?】



そろそろお茶にしないか?

歩き疲れた彼女を察し、俺はそう提案した。
それに意を汲んでくれたのか、ふんわり微笑んで彼女は頷く。
そして俺達は近くの喫茶店に入った。
しかし席につき、俺はメニューを見て少しばかり、困った。

何を飲もう?

まだそこまで寒いわけでもない。
だからといって冷たいものが飲みたいほど暖かくもない。

ココアを飲むほど暖かさを求めてはいないし、
ジュースを飲みたくなるほど暑さを感じているわけでもない。

それに第一、俺はコーヒーが飲めない。

それを察したのか、彼女はこてんと首を傾げた。

決まらないの?

俺がおまえは?と聞けば、私は決まったとの声。

何にしたんだ?

それに、

ミルクティー。

まさにそれに似合うような優しい笑みで、彼女は言ったのだった。


恥ずかしながら。

結局それに見惚れて俺も同じものにしたのは、彼女に内緒だ。
 

秋色

 
暑さが過ぎ去って、訪れる。



【秋色】



涼しくなってきたね。

隣の優しい声に私は頷く。
気持ちいい風が吹く中、秋の匂いが私の鼻をくすぐった。

どこか、行きたいね。

そっと空を見上げて、私は無意識に呟いていた。
それを聞き逃さず、彼は静かに言葉を返した。

ドライブしない?

あ、いいかも!

思い付きに思わず食いつくが、ふと私は我に返る。

でもどこに……?

遊びに行く気分ではなかった。
でもドライブに行くからには目的が何か、ほしい。

秋といえばさ。

あるじゃん、もってこいな所。
彼の言葉に、頭に疑問符が浮かぶ。
そんなとこあったっけ?

さぁ、行こう!

えぇ!?
突然手を引っ張られ、車に乗せられる。
疑問符がさらに浮かぶまま、車に乗ること小1時間。

私は絶句した。

目の前に広がる赤と黄のコントラスト。
秋にしか見れない色彩。

声もないまま、
私たちは目の前の秋を眺め続けた。

 
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プロフィール
紗夜香さんのプロフィール
性 別 女性
年 齢 37
地 域 三重県
血液型 B型
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