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独りにしないで

独りは、怖い。



【独りにしないで】



正直、信じられなかった。

私に良いところなんてなんにもなくて、
ただ少し他の人より気に入ってるから、
遊べる相手として手頃だろうと、

そういう理由で口説かれてるだけだと。

だっていざ私が貴方のことを好きになったとき、
貴方がすでに離れ始めていたら?

私がもう貴方なしにいられなくなったとき、
貴方は私に飽きていたら?

そんなの耐えられない。

もう、独りは嫌なの。
手に入れたら他にうつるんでしょ?
私のことなんかそのうち忘れていくんでしょ?

私が、貴方のことを愛していることすら、
当たり前と思って、

忘れてしまうんでしょう?

でも、

君が飽きるまでそばにいるよ。

それに、私は、本当かと。

貴方は、頷いた。
頷いてくれた。


あ、大丈夫だ。


貴方がそばにいてくれる幸せ。
私は、独りじゃない。

泣きながら、
私は貴方にありがとうと、
伝えた。

焦がれる

知っていて、君は尊い。



【焦がれる】



俺にないものをたくさん持った君に、
触れれば汚してしまう気がして、
怖くて近寄ることもできないのに。

どうしても惹かれて、
触れたくてしかたない衝動にかられ、
無意識に俺は手を伸ばしていた。

そんな俺に構わず近づいて、
その手をいとも簡単に取る君に、
はっと我に返って手を引こうとするも、
君はその手を放してくれない。

放すことを、
許してくれないのだ。

その手は、とても、温かかった。

距離

急に、そんな目で見つめないで。



【距離】



久しぶりに会った彼は、
懐かしさこそ溢れたものの、
昔に覚えた恋心は、
違う人に向けられたことで、
沸き上がってくることはなかった。

そんな事実に安心する。
おかげで彼と過ごすのはとても、
居心地が良かった。

だから、油断した。

少し、近くに置かれた手に。

その手が気になって、
思わず彼を見て、

心臓が跳ねた。

そんな自分をごまかしたくて、
思わず口を開く。

あ――……!

そのとき、
ほんの少し、


彼が手に触れた。


彼が、どんなつもりで触れたのかはわからない。
彼が触れたのは本当にほんの少しで、
手を引いたあとは、何もなかったように話を続けた。

何もなかった。

何もなかった。

そう思い込んで、私も話を続ける。
でも、離れない。

あの真っ直ぐな目も、
あの一瞬触れた手のぬくもりも。

なんで、あんなこと。

動揺した。

それだけ、それだけだった。
思い込んだ。

願い

今がとっても幸せ。
だから。



【願い】



何もかも忘れたくない。
それくらい、幸せ。

私のせいで、

もしかしたら誰かが苦しんでるかもしれない。
もしかしたら誰かが悲しんでるのかも、しれない。

そうも思うから、
これ以上はいらない。

もう、
この平穏が続くだけで幸せだから、

だから、

どうか壊れないで。

最初で

いつもと、様子が違った。



【最初で】



いつも私から切り出す話題を、
貴方から出されて、

私がその話にわざと触れなかったのに。

もう、「普通」は難しくても、
「これ以上」踏み込んでくるとは、

思っていなかった。

だから、
自ら踏み込んだ貴方にはじめ混乱したし、

貴方は踏み込める人じゃないと、
思っていたから、

もう、
会えなくなるんじゃないかと、

思ってしまう、
いやだよ、
貴方が背負うものは何もないから、

どうか、まだ、

最後だと、思いたくない。
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プロフィール
紗夜香さんのプロフィール
性 別 女性
年 齢 37
地 域 三重県
血液型 B型
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