3ヶ月目に入ったとき、マサさんも流石に焦ってきたらしい。いくらなんでもこんなに持つはずがないと。男と女では体の造りが違うように、気の性質も違うそうだ。セクースした時に男は気力や精力を放出し、女は本能的に男から精力を吸収しているそうだ。これは他の動物も一緒で、最も極端な例は交尾の後に雌が雄を捕らえて食べてしまう蟷螂だそうだ。子供を体内で育て、あるいは卵を産む「雌」の普遍的な本能。セクースした翌日、男はぐったりしているのに女は元気が良くなるのはこの精力のやり取りによる。(オナニーで一日4・5発抜いても平気なのに、女と1発やっただけで翌日グッタリしてしまう事があるのはこのせいか!と妙に納得した)それ故に女は男よりも霊力も生命力も強く、生霊や幽霊の類も女の方が圧倒的に多いらしい。ただ例外もある。女は絶頂を迎える瞬間だけ気の方向が吸収から放出の方向に変わるそうだ。この瞬間に女の気を吸収する技法が存在する。マサさんによると「キンタマ?ωで女の気を吸い取る」らしい。精気を吸い取られる瞬間に感じる快感は男女共に非常に強いものらしい。(確かにオナーニよりセクースでイク時の方が気持ちイイよね)その快楽は時に人を虜にする。「色情狂」とは、元々の精力が強い人が、精力を放出し吸収される快感に囚われた状態であるらしい。


話を戻そう。マサさんは女の生命力が尽きない理由は、女が「風俗嬢」として毎日、数多くの男と交わっているからだと考えていた。しかし、例え毎日10人以上の男と交わっても、これ程までには持つはずはないのだという。これは、ある種の「行」や「技法」を用いて数多くの男から精力を「奪い取っている」と考えなければ説明がつかない。しかも、これ程のレベルで精力を吸い取られた男は一度で体を壊し、それでも快楽に囚われて命を落とすまで女の下に通い続けるだろうと。しかし、そうなると、これは恨みや呪いの「念」により「無意識」に飛ばされる生霊ではなく、意識的に相手を呪う「呪詛」の範疇なのだという。だが、俺達に憑いているのは「生霊」であって「呪詛」ではない。俺たちがマサさんのところに来て半年が経とうとした時に、マサさんは俺達に言った。これから女の所に行くと。俺に女の所に一緒に付いて来いと。


俺はマサさんにそれは危険なのではないかと言った。悪霊はかなり弱くなっているが、本体に戻れば相手の霊力・生命力から考えて元の木阿弥になってしまうのではないかと。…俺、取り殺されちゃうよ((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル

マサさんは言った。Pは、自分と俺の「祓い」の為に2人分、2000万円のカネをマサさんに支払っている。俺を「事件」に巻き込んだのはPだが、金を出す事でPは俺に対する義理を果たし、この事件に関して俺に対する「因縁」は消えている。しかし、俺はマサさんに金を支払った訳ではなく、マサさんに対する借り、「因縁」が残っているという。場合によっては命を落とす危険もあるが「因縁」を消す為にも協力してもらうとマサさんは言った。Pはマサさんと俺が女に会いに行って帰るまで、道場(敷地内にあった倉庫のような建物)で、柱に錠と鎖で繋がれた状態で篭る事になった(井戸に引き摺り込まれない為)。