こんにちは。此之路(このみち)と申します。

今田耕司をテレビでみるたびに、私は初恋のことを思い出しては複雑な気持ちになる。

今田耕司にそっくりな馬面の同級生。明るくて、いじられキャラで、彼の周りはいつも笑顔で溢れていた。

今日はそんな初恋の相手今田くんについて書いていこうと思う。

私が同じクラスの今田くんに片想いをしたのは中学3年の時だった。

それまで惚れた相手といえば、カードキャプターさくらのゆきとさん、そしてNARUTOのカカシ先生という私。
現実世界で恋心を抱いたのは初めてのことだった。

今田くんを好きになったきっかけはこれといってない。

ただ中学の時、ひたすら根暗で陰の者としてすごしていた私にとって、いつも明るい彼が魅力的な存在であったのかもしれない。

注釈をつけると「明るい」はただ明るければいいわけではない。
どういうことかといえば、クラスの明るいの頂点に君臨する「ギャル」また「ヤンキー」。
彼等は魅力的どころか、ただ恐怖の存在であった。

彼等の教科書は学校のテキストなんかではなく「egg/Men's egg」「クローズ」であり
制服の着崩しは自分で好きにするにはいいとしてそれでは飽きたらず、しっかり着用する生徒たちのことを「真面目ちゃんww」「陰キャww」と馬鹿にして、
授業中は携帯をいじり、大きな声でくっちゃべって
また休み時間トイレから戻ると私の席に勝手に座って喋っているせいで、廊下でうろうろして時間をつぶし
普段素行が悪いのに、ちょっとした親切をしようもんならグンと評価がうなぎ登りで
逆に私が不注意で授業中に携帯を鳴らそうもんなら先生に怒鳴られ没収され、あっちで携帯いじってるヤンキー君とギャルちゃんはスルーですか!みたいな

…っと失礼、私怨が。

偏見なのでどうか怒らないでください。本当に怖いので。

さて本題に戻すと、今田くんはヤンキーではなく制服もしっかり着て、勉強もしっかりする、素行も良い。

男女問わず、性格問わず、色んなクラスメイトの輪の中にいる男の子だった。

しかし私の様な一級コミュ障ともなると、喋りかけられないのはもちろん、目すら合わせられない。

もうこの恋愛は実らないしそれでいい。誰にも知られたくない。

ひとりで想っているだけにしよう。

と考えていたのに。

そんな今田くんへの気持ちが、ある一件で本人にバレてしまったのであった。

長くなるため、その一件についてはまた気が向けば書こうと思う。

そしてそれから数日後。

3学期の放課後。

事件は起こった。

私は一度帰宅したが、教室に忘れ物をして取りに来ていた。

誰も居ないはずの教室には電気がついていて話し声が聞こえる。

今田くんと仲のいい男の子だった。
2人で自習でもしているらしかった。

「俺、此之路に粘着されててほんまに怖いねんな〜」

聞こえてきた今田くんの言葉に、私の心臓は口から出そうになるくらい大きく跳ねた。

「え?まじで?」
「まじまじ。席替えして今此之路、俺の隣の席やんか。担任に頼んだらしいで」

「しかもさー、あいつ俺と志望校一緒らしいねん、
絶対狙ったよな。怖ない?」

「あーいう大人しいやつが1番怖いねんなー
俺いつか刺されんちゃうかな」


頭が真っ白になり、忘れ物もとらずそのまま泣きながら帰宅した。

もちろん今田の言う席替えに志望校は事実無根だし、アイツの被害妄想。

結局私と馬面は別の志望校だったし、卒業後一度も会っていない。

しかしこの出来事で根暗こじらせに拍車がかかったのは言うまでもないし、未だに今田耕司がテレビに出ているとチャンネルを変えてしまう。

話題:苦い思い出