自分の気持ちを誤魔化す事は出来ない、けれども、他人の気持ちを蔑ろにする事だって出来ない。
多分、自分の音楽の趣味が特殊なんだろう。
バンドは勿論好きだけど、それよりもアコか、アコっぽいバンドが好きなんだ。
歌えるのなら、歌う。
男の声が出ないのは仕方無いと受け入れたはずなのに、あぁ、悔しい。
ただ自分は、歌いたいのにな。
バンドは、難しい。
自分の、そのままの心を吐き出しても伝わらなかった。
なら、他人の言葉を、自分の言葉にして吐き出したって、伝わらない。
あの言葉を紡ぐ為に、素のままの心を吐き出す為に、ボロボロになった自分は何だったのだろう。
伝わらない心は、誰の為の言葉だったのだろう。
あの自分も、今の自分も、自分という共通項は変わらずに存在しているというのに。
あれ以上に吐き出せば、嘘偽りが微塵も無い言葉を紡ぎ出せば、どうしようもない程までにボロボロになれば、伝わるのだろうか。
歌い終わると倒れてしまう位、そうやって歌えば伝わるのだろうか。
伝える為に何をしよう、何が出来るだろう。
歌う為なら、伝える為なら、聴かせる為なら、何だってする。
命を削る事すら、出来るよ。
やっぱり歌う事が好きだと、歌えない時には強く思ってしまう。
ギターが嫌いな訳ではない。
ただ、自分が弾きたいと思い、十分に、ライブへ出ても恥ずかしくない位に練習し、そういう風な中でやりたかった。
少しは歌えるけれど、足りない。
ライブに出れるだけで嬉しいけれど、ボーカルとして出て、歌いたかった。
何人も、思っているだろうけど。
4年生の追い出しライブで、本業ボーカルなのに2年連続ギターとして参加する奴です、今晩和。
下手くそだと分かっているのに誘って頂ける事は嬉しいけれど、本音を言えばやっぱり歌いたい。
でも、出させて頂けるだけ幸せ、本業ギターでも出れない人だっている、出させて頂ける事に感謝。
本業ではないけど、ギター陣にボーカルだってこんなにギターを弾けるんだぞと、見せ付けられるくらいにはなりたい。
特に大学入ってから始めた人に。
それにしても弾けなさ過ぎて申し訳ない、だから練習、上手くなくとも全体的に弾けるようにならないと。
歌詞を、言葉の意味を理解する事は出来ても、他人が書いた言葉を、吐き出した想いを、その真意を分かる事はできない。
他人は自分ではないから、自分は他人になれないから。
だから言葉を、想いを、自分自身の事に置き換える。
自分が分からない歌詞を伝える事は出来ないから、伝える為には自分が分かるようにしないと伝えられない。
それでも上手く表現出来ないのが、伝えられないのが、歯痒くて悔しくて。
楽ではないけれども、歌う事はこんなにも楽しい。
何の為に歌うのだろう。
誰の為に歌うのだろう。
きっと1番は自分が歌いたいからで、だから自分の為になるのだろうけど。
エゴの塊の自分が、醜いね。
多分、それは動機。
求めている理由は、あやふやで分からない。
歌いたいから、聴かせたいから、観せたいから。
自分の為で、自分が歌う事の出来るバンドの為で、聴いて観てくれるオーディエンスの為で。
どれも違う気がしてしまう。