東京五輪開幕が当初予定されていた7/24の公開を目指しクラウドファンディングが進行中の、[青い春][ナインソウルズ][泣き虫しょったんの奇跡]』で知られる豊田利晃監督の映画『破壊の日』のキャストが発表された。俳優の渋川清彦が主演を務めるほか、GEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポー、イッセー尾形、松田龍平が共演する。

7年前、田舎町の炭鉱の奥深くで見つかった怪物。その怪物は何なのかは不明のまま不穏な気配を残して時が過ぎる。7年後、村では疫病のうわさが広がり、疑心暗鬼の中、心を病む者が増えていく。そんな中、修験道者の若者、賢一は生きたままミイラになり、この世を救うという究極の修行、即神仏になろうと行方不明になる。そして、「物の怪に取りつかれた世界をはらう」と賢一は目を覚ます…。

主人公・関屋鉄平役を演じるのは、豊田監督の短編映画[狼煙が呼ぶ;'19]でも主演を務めた渋川清彦。また、即神仏になろうとする若者役・春野賢一で、GEZANのボーカルとしてカリスマ的存在のマヒトゥ・ザ・ピーポーが映画初出演する。

このほか、村の修験道の大先達・三日月次郎役にイッセー尾形。炭鉱のうわさを調べる男、新野風役を松田龍平が務める。

映画音楽には、[狼煙が呼ぶ]に引き続き、切腹ピストルズ、GEZAN、照井利幸、Mars89の参加が決まっている。


▽豊田利晃監督コメント
『破壊の日』は東京五輪を控え、利権と強欲という物の怪に取り憑かれた社会をお祓いしてやろうと思い、今年の一月に企画を立ち上げました。
しかし、その物の怪はコロナという現実的な脅威、あるいはコロナに脅える人の心に変貌しました。コロナはいずれ収束に向かっていくと思います。でも、一度植えつけられた恐怖心を振り払うことはなかなか難しいことだと思います。映画がその恐怖心を少しでもふり祓うことができれば作る意味があると思っています。
映画の内容は大きくは変わらないのですが、この状況を受け止め、コロナ後の世界で何を表現することができるのか、もう一度脚本を練り直しました。
元の生活に戻るには時間がかかると思います。新しい生き方に切り替えることに腹をくくるにも勇気がいることだと思います。新しい映画も求められています。今はできることを粛々と進めています。
自分の生き方を変えることは勇気がいることですが、自分自身もそのことを突きつけられています。映画を撮る意味、生きる意味を、再び証明したいと思っています。
2020年5月 豊田利晃


6/5の午後11時59分まで、MotionGallery(motion-gallery.net)でクラウドファンディングを実施中。製作費をクラウドファンディングにおける映画ジャンル最高目標金額3000万円を目標として募り、製作するプロジェクト。クラウドファンディング参加者には本作の製作日誌が共有され、他のリターンとして未発売の[狼煙が呼ぶ][狼煙に呼ばれて]のDVD、エンドクレジットへの名前記入、劇場招待券、サイン入りシナリオ、本作『破壊の日』のDVDなどが用意されている。詳細はプロジェクトのオフィシャルサイトで確認しよう。


『破壊の日』は、7/24から東京・渋谷ユーロスペースほか全国公開。