法律相談事例集

相談人： ９歳と６歳です。

弁護士： 子どもさんたちは、父親と一緒に行くのを嫌がったのですか？

相談人： もちろんです。とても怖がっていました。

弁護士： 離婚原因もそれに関連していますか？

相談人： ええ、その通りです。夫には酒乱の気があり、私に手を出したこともありましたが…言葉による暴力もひどいのです。

弁護士： なるほど。そうすると、子どもさんたちの本意ではないということでいいのですね？

相談人： はい。でも、子どもの本意というのは問題になるのでしょうか？子どもたちはまだ未成年なのですが……

弁護士： 裁判所は１０歳以上だったら、一応、意思能力ありとして、子どもの意思を尊重することが多いようです。

相談人： そうなんですか。子どもを取り戻すためには、人身保護請求という手続があると聞きましたので、それをお願いしたいのですが…

弁護士：それもありますが、今は、家庭裁判所に審判前の保全処分を申し立てるという方法もありますよ。

相談人： えっ、どっちが速いでしょうか？

弁護士： 東京地裁なら早ければ２週間、通常でも１ヶ月で保全命令が出るということです。人身保護請求については、家裁の審判前の保全処分のように家裁裁判官の活用ができないとか、柔軟性がないといわれています。いずれにしても、裁判所は父母のどちらに子どもを任せた方が、より子どもの福祉のためにいいのかという観点で判断します。
 
相談人： うーん、そうなんですね。分かりました。