法律相談事例集

弁護士： チラシに惹かれてマンションを買ったんですね？でも、現場には行かれたんでしょう？

相談人： もちろんです。パンフレットにも正確な方位は書いてありませんでした。行った時は未完成でしたから、モデルハウスだったのです。入居してみたら、夏は西日が強烈に差し込んできますし、冬には日光の入る時間が短くて、寒いんです。しかも、窓や壁に結露がひどいし……

弁護士： 似たケースで、１２０万円の慰謝料を認めたものがあります。

相談人： うーん、低いんですね……ところで、慰謝料の平均的な相場はあるんですか？

弁護士： そうですね、日本はアメリカに比べると格段に低いという人が多いですね。例えば、５０万円とか１００万円とかいうのが多いようです。隣に高層マンションができたことによる風害を認めたケースで一人６０万円です。公団住宅で水洗トイレを詰まらせて階下の部屋を水浸しにしたというケースで、２００万円を認めていますが……

相談人：うーん、どうしてなんでしょうね。名誉棄損については、高額の慰謝料を認められることもあると聞いたことがありますが…？

弁護士： 週刊誌がセンセーショナルな見出しをつけて真実と異なる記事を載せたときには、５００万円とか８００万円という慰謝料が認められています。

相談人： それでも、何千万というのじゃないんですね…

弁護士： たとえセクハラ行為の慰謝料でも、１０００万円の請求に対して認められたのは１５０万円などという具合です。

相談人： それはひどい。

弁護士：　日本の裁判所にも、もう少し考えなおしてもらったほうがいいと、私も思っていますが。

相談人： そうですね。とにかくやれるだけやってみようと思います。