ぱるるside
リアルタイムで由依が出てる逃走中を見ていた
由依の他にあんにんも出てるんだけどさ・・・、同出演なんだから仕方ないよ・・・、
けどさ!!
酷いよ・・・ずっとふたりで行動するとか
私が見てるって知ってるくせに
あんにんが由依の前に現れた時、見えない尻尾がぶんぶん振られてた
いつも、会ったとき犬みたいに私に尻尾振るからちょっと切なくなった
私だけに、愛想使って欲しい
そんなのただのわがままに過ぎないけれど。
それに由依が想いを寄せてるのはあんにんだって知ってる、由依にとって私はただの同期の友達だってことも
けど私にとって、由依はかけがえのない親友で私の好きな人
だから、胸が苦しい。ずっと肩引っつけちゃってさ
「ただい・・・っもぱるる!だから靴は並べる、って何回言えばええねん!」
本当に怒ってるわけじゃない、笑った顔で由依がリビングに入ってきた
私たちは別に同居してる訳じゃない。ただ私が由依の家に居るだけ
足のせいでリハーサルにも行けないし喘息だから遠出も出来ない
平日の寂しさに耐えきれなくなって由依が帰ってくる1時間ほど前に由依の家に勝手に入って勝手にくつろいでる、ただそれだけの事
最初は迷惑かな??って不安になったけど由依自身帰ってきた時の真っ暗な部屋が寂しかった、らしいから丁度良い
「おかえり、今日もあんにん?」
せっかく帰ってきたって言うのにまた慌ただしげに身支度をしてる
昨日も、一昨日も二昨日も、ずっと帰ってきてはあんにんと遊ぶって、出かけちゃう
「ん?そうそう、今日も誘ってくれたから」
天使のようなふんわりとした笑顔は寂しくて、ずきずき傷んでた心を軽く癒してくれた
でも、軽くにすぎなくてすぐ例え用のない寂しさが込み上げてくる
「そっ、か・・・」
「ごめんよ?いつもひとりにしてもて・・・」
(そう思うんならそばに居てよ)
「別にいいよ、居ても居なくても一緒だし」
思ってる通りの言葉が口から出なくて、素直じゃない言葉が口から出る
「え?・・・うんそっか、じゃあひとりで大丈夫?」
(嫌だよ、寂しい。いつも一人なんだよ)
「大丈夫、だから気にせず遊んできて」
そう言った瞬間、また満面の笑顔が由依に咲いた
「じゃあ行ってくるな?ありがと!!バイバイー!」
「いってらっしゃ」
全部言い切る前に扉が閉まってしまった
由依がいなくなったこの家は容赦なく、孤独を叩き付けて来る
ふと頬に生暖かい何かが流れてるのに気付いた
拭ってもぬぐっても止まらなくて、だんだん視界がぼやけてくる
由依が居なくなって、AKBにも行けなくて、メンバーとも会えなくて・・・
嫌だよ寂しい。どうして行っちゃうの?
静かな部屋に私だけの泣き声が流れていた
声をだして泣いて、泣き止みたくても涙がこぼれ出てきて・・・
こんな自分大ッ嫌い
私は・・・一人ぼっち?