寒露side
「だからってなんであたしらが・・・」
「しょうがないよ、負けたんだもん」
散らかった・・・って言うかあたしが散らかした部室を片付けてる最中
あの後おたべに保健室で手当てしてもらった
それは素直に礼を言う、でも部屋の片付けとか・・・
「あたしらラッパッパでもなんでもないのに・・・」
「ん?じゃあ四天王なるか?」
この聞きなれた憎い声
「っんだよ誰がこんなクソみたいな部活に入んだよ」
「まーだ憎まれ口叩くか?もっかいここで骨へし折ってもええんやで?」
口こそは笑ってるものの目が完全に笑ってない・・・
「そんな簡単に・・・ラッパッパ入れてもいいのか、って言ってんだよ・・・」
「やっと素直になった」
なんだよこの口調・・・全部分かってたみたいに
「ラッパッパに入れるか学校辞めるまで追い詰めるか、そんなんラッパッパ部長が決めることや」
寒露の強さは充分分かった、けどあたしは強いだけじゃ仲間に入れへんよ
あんたらの真っ白で薄っぺらい友情見たいだけや。
「寒露、白露あんたらは今日から正式なラッパッパ四天王や、宜しくな」
────
「なかなかおもろいヤツやん、寒露って」
「だろ・・・真っ先に白露をかばったはずだ」
クスクス右手を口あたりに当てて笑ってる
そんな軽い微笑みはあんまり表情を表に出さんソルトにはレアなもん
「誰ですかー?寒露とハンロって」
「はくろ、だ。マジ女の1年らしい・・・」
たまたまソルトの家に遊びに来てたバカモノもこっそり盗み聞き
「でラッパッパいれちゃったんですか?」
「ん?入れたよ。」
その瞬間ムッとするバカモノ
「そんな簡単に?」
「あたしにはあたしの考えがあんねん、バカモノはしっかり頑張れよ?」
ソルトに頭撫でてもらって一気に機嫌良くなったバカモノ
あたしの思ってる通りの結果、だしてくれるんか?
おたべside
こっくりこっくり眠りかけてた体はこの漫画みたいな派手な音で目覚める
誰かは眼あけやんでも分かるから口だけを開いた
「ドア直していきや??一年坊」
「その必要わないわ!!今日からあたしらが部長やねん」
久しぶりに聞いた自分以外の関西弁。
「さぁ・・・それはどうやろな??あんたはあたしの事舐めすぎや」
「こんな留年ババア誰がビビんだよ」
ブッチってこめかみ辺りの血管浮き出たけどここは先輩として・・・部長として、抑えておく
こんなんで拳握ってたら相手の思うつぼや
「そんで要はなんや?暇潰しなら帰ってえな」
「泣きっ面かいて逃げんのはあんたの方や!」
頬あたりに風がかかって首を傾けて交わす
「いつまで昼寝するつもりや!バカにしやがって」
「バカになんかしてへんよ、あんたら相手に眼あけんのもめんどい、ちゅう意味や」
目を瞑ってても分かるほど寒露の方から熱い士気が伝わった
こんな挑発にまんまとかかるんやもん、まだまだ青いな・・・
「っらぁっ!!」
────
「だから言うたやろ、泣きっ面かくんはあんたの方やって」
「だ、まれ!!まだ終わってない・・・」
膝をついては生まれたての子鹿みたいにがくんって崩れる
「まだ言うか?これ以上は手加減しやんで」
拳をぐって作った時、寒露の前に白露が立ちはだかった
「もうやめて!!私たちの負けだから!!だからもう寒露の事・・・傷付けないで!」
なんなこの、学生応援ドラマみたいな展開
ほんまか?あたしが白露の事殴ってもあんたは逃げやん??
ずっと寒露のこと守ってられる??
拳を解いて今度は足を1歩下げて軽く上げた
その瞬間足を引いてない方の足がつかまれる
「やめろ・・・白露には手、を出すな。あたしにはな、にをしてもいい・・・でも白露に、は・・・」
あぁ・・・気持ち悪い
こんな綺麗な友情存在せえへんのに
どうせは皆裏切っていく
自分がよければ親友なんて犠牲にするもんや
皆な皆・・・
その瞬間ソルトや、ヨガ、マジックバカモノの顔が頭をよぎった
皆が皆・・・・・・??
いや、あいつらは違ったかな?
あいつらだけは・・・他の奴らとは違った
両足をちゃんと地面につけた時やっと寒露があたしの足を離した
「立て・・・やんなおぶってっちゃる、保健室行こら」
こいつらの友情
観覧する価値はありそうやん。