話題:歴史

※ホントは日曜日に下書きした記事なんだけどupを忘れてたという(備忘録のくせに)、そんな記事。

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「長居は悪事のもとゐなり」

藤堂高虎「高山公実録」

読売日曜版・名言巡礼より。


主君を何度も鞍替えしたり、外様だとか(これはリアルな役職だから悪口じゃないか)、世渡り上手だけど忠誠心がないとか散々言われてるけど、高虎に関して忘れちゃいけないのが

・主君をよく替えていたのは血気盛んな10代の頃だったこと

・21歳の頃に秀吉の弟・秀長の家臣になってからは二代役20年間は仕え続けてきたこと

・主家が断絶してからは高野山に登って武士を捨てようとしたこと

・秀吉没後は徳川方に転じ、豊臣の旧臣が取り潰される中、藤堂家は江戸時代最後まで生き延びたこと(豊臣方から徳川方に行ったこの辺りが忠誠心がないって言われる所以なのかな)

・高虎が家臣に残した「遺訓二百ヶ条」には「新参者は古参の衆に家の作法をよく教わり、守りなさい。ただし行いを正しくしてもうまくいかない時は、悪しき家だから立ち去るべきだ。長居は悪事の元である」と説いていること

・つまり、何度も転職を経験した自身、家臣が去るのに対しても寛大だったこと

・悪しき家を見限り、善き家を見定め、能力を評価してくれた相手には力を尽くすという信念を曲げなかったこと


……というね、数多の誤解やマイナスイメージを覆すほど、再評価に繋がる逸話がどんどん出てくるわけです。

最近のゲームとか見ると、高虎の描かれ方ってやっぱかっこいいしね。

ちなみに「高山公実録」は高虎自身が書いたものじゃなく高虎没後100年以上経ってから藤堂家がまとめた文書で、「遺訓二百ヶ条」は側近がまとめた高虎の遺訓集なんだって。


高虎の場合は、主君を渡り歩く腕自慢の変節漢というより処世術の長けた公明正大な知恵者というイメージ(槍の使い手らしいから強いのだろうけど)。そういう所が魅力なんだろうな。コロコロ鞍替えした不忠の将なんかじゃなく、むしろ公平無私。

他にも築城の名手、普請や地域経済の基盤を築いた、実務的で合理主義な町づくりの鬼(?)としても有名な高虎。

こういう人が復興支援に尽力してくれたら心強いなぁと思う。

それと、高虎のあのプロペラみたいなの付いた兜。あれかっこよくない?伊賀上田城に展示されてるようですよ。行きたい。

津餃子も食べたい。


近年、高虎にスポットを当てた小説も多々あり。





どちらもかっこいいタイトル。

ちなみに安部龍太郎先生は、私の一番好きな戦国武将・蒲生氏郷を主人公にした小説も書かれています。



レビューでこちらと葉室麟先生の『冬姫』と併せて読むことをお勧めされてた方がいたので、冬姫も貼る。




安部先生は『等伯』といい取り上げられる題材が絶妙だったり歴史観を大きく変える作品を多く書かれてる印象。

戦国に思いを馳せていると歴史小説が読みたいと思う今日この頃。


思い立ったので、今自分が好きな戦国武将、あるいは詳しく知りたい武将を列挙してみる。

・蒲生氏郷
・大谷吉継
・今川義元
・長宗我部盛親
・榊原康政

ちなみに北条五代は全員好きです。特に氏政が好きなんだけど、あまり共感は得られないだろうなぁ……『真田丸』を観てると特にw