面白かつた。

幹生は、気持ちが解らなくはないけど、幾ら何でも子供じみてゐて夢見がち過ぎるのでは? いつまでも恋人のままでゐたいだとか、自分が好きなものを相手も同じやうに好きでゐてほしいだとか。

そんな男にとつて、一見魅力的だけど、実は鈍感でデリカシーが無くて、男を幻滅させ退屈がらせる女が真紀なんだらう。

足がカラーボールで汚れてゐたのは、事故か何かのせいかと思つてゐたら、普通に犯罪者だつた。挙げ句に、すずめを縛り上げるわ、有朱を二階から落つことすわ、一体、どうなるのかしらん。有朱に関しては、真紀のバイオリンを守るため、といふのがまた悲劇的だ。

で、有朱は、死んだのだらうか。有朱が死ぬこと自体は別に構はないけど、真紀が人殺し(傷害致死)の犯人の妻になるのは、流石にちよつと気の毒だ。