少々退屈だつた。原発・2020年東京オリンピック非難といつた露骨に思想的なカットには興醒めした。だが、全体として悪くはなかつた。少なくとも雰囲気は好かつた。

男同士の友情を描いた作品は、女同士のそれと比べると、一見ドライでハードなやうでゐて、しかし、実際は、ねつとりとしてゐて、テリー・レノックスのギムレットのやうに甘つたるい。そんな風なことを感じた。

「ギムレットには早過ぎる」といふ科白は無かつた。


全話を通して、浅野忠信、綾野剛、小雪は、残念ながら、何れも一寸づつミスキャストだつたやうに思ふ。もつとテキパキと話を進めた方が好かつたかもしれない。物凄くロマンチックでキザな作品を期待してゐたのだけれど、これはこれで好い雰囲気のドラマだつた。