話題:突発的文章・物語・詩
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「小僧、出掛けるなら、キャピタルを連れていけ」
長い足をソファに投げ出し、自分の腕を枕に、ハーミテージもまた休息に入った。
入れ違いに、ハテヒが髪を結い上げながら 私室から出てくる。
「イツセさま…っ」
真っ直ぐに向けられる瞳に
怯むような、くすぐったいような心地がする。
さとい彼女は、イツセの『障害』が取り除かれたことを察する。
「起こしてくだされば良かったのに…」
「や、なんか余計なこと話したら、取りこぼしちゃいそうで…
心配かけてごめんね?」
笑いかけると、白い膚が耳まで染まる。
「あの、あの…………………………………
……朝食には何を召し上がりますか?」
詰まった末に、日常会話に流れた。
「…葉っぱっぽいものと
カリカリしたもの?」
「はいっ!すぐにご用意致します!」
エプロンをつけ、台所に入る。
「イイな!イッセ、新妻げっと!」
「うわわっ」
後ろから抱えこまれ、デコピンをくらう。
「もー、キャピタルさん!」
イタズラに笑う。
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