「薬売り。お前に一月小田島に触れる事を禁ずる」


「なっ!!!」


「尚、寝る時は寝具は別。風呂も別だ」
「嗚呼なんと無慈悲な! お上には人の血が流れておいでですか?疲れて帰れば愛する人に抱き締め、労って欲しいと願うのは皆同じではないですか!それとも、お上は奥様とセックスレスでございますからそのようなお考えをなさったんですか?」
「なっ!!!」
「こら!薬売りお上に戯けた事を抜かすでない! 止めんか!!」
「何をおっしゃいますか!今ここに小田島様のお蔭でどれだけ俺が癒され、仕事をバリバリこなし小田島様を養っているかをお上に申しあげなくっていつなさるんです?!」
「養われている覚えはないぞ!」
「今でしょう!」
「おい! 聞いているのか薬売り!」
「お上に申しあげます。小田島様は唐変木で青顎で堅物で、当たり前ですがモテません」
「ちょっ!お前は!」
「しかしこの顎侍は、寒い日も暑い日も眠れない俺を布団に招き入れ、髪を鋤き頭を撫で、その大きな手で背中を撫でて下さる。とても安心致します」
「…そうか」
「お上は安心を取り上げてしまいますのでしょうか?」
「ふむ…それはなんとも」
「お待ちくだされお上、薬売りの言葉に惑わされてはいけません。俺はそのような事は一度もしておりませぬ」

「えぇ。そうでしょうとも」


「?!」


「小田島様はいつも寝惚けて俺を招き入れていますから、覚えが無いのも当たり前です。目は開いているんですが…ね。夢と思っているのでしょう」
「そうか、小田島が寝惚けていたのか。では、勝手に布団に入るという行為は解決とみて良いな」
「すまない薬売り。俺の勘違いのようだ。もしかしたらお前が俺の下帯を大量に持っていたのも、体に大量の鬱血した跡を着けるのも意味あってのものだったのだな」
「…えぇ……そう…ですよ」
「お前を疑ってしまった…すまない!」
「……」
「良いんですよ…小田島様。俺は疑われてもおかしくない事をしてしまったんです。気にしないでください」
「薬売り」
「なんでございましょう?」
「小田島に触れるのを二月禁じる。それと小田島は医師との相談をする事。これにて閉幕じゃ」
「「!!!?」」
「二言はないよう。よいな!」




久しぶりの更新&初めてのSSでお目汚し
私の書く薬売りさんは頭がおかしいのが前提です

そして遅くなりましたが11日に拍手を頂きありがとうございます!
気づくのが遅くなりました
なにも無いですが、また遊びにいらっしゃって頂けたら嬉しいです
ありがとうございました♪ヽ(´▽`)/