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悲鳴

深夜、『助けて〜!』という女性の叫び声で目が覚めた。
どこか遠くからかすかに聞こえた気がした。
しかし、今日は山奥の別荘に一人で来たのだが、周りには民家もなければ、街灯もない。
こんな夜中に、この辺りに人がいること自体おかしいのだ。
もしかしたら夢の中の出来事だったのではないかと思い、もう一度眠りにつくことにした。

・・・どれほど時間が経っただろうか。
今度は、この別荘の近くでハッキリと女性の『助けて〜!』という叫び声が聞こえた。
ハッと目を覚まし、こっそりと窓から外を覗くと、白いネグリジェを着た女性が一人で、真っ暗な木々の中で楽しそうに踊り狂っているのが見えた。
女性の顔は、頬まで口紅を塗りたくり目は真っ黒で、狂気に満ちていた。
『助けて〜!オホホホ!』『助けて〜!オホホホ!』
見てはいけないものだとは分かっていたが、恐怖で体が硬直し、そのままジッと見つめていると、突然こっちに向かって走ってきた。
『ヤバい!』と思っていると、ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!と何回もインターホンが鳴り始めた。
恐ろしくなってベッドに潜り込んで隠れた。
結局その音は夜明けまで続いた。

結局、その女が何者なのか、その土地で何が起きたのか分からないまま、その後、その別荘は不審火による火災で全焼し、その場所には二度と近寄っていない。
ただ一つ思うことがある。
もしあのとき。その女性を“助けて”いたら僕はどうなっていたのだろうか。

モトカノ

俺は、まあオカルトとか大好きで心霊スポットとかもよく行ってる
霊感はそれほどはない。だけどそれっぽいとこいくと悪寒がしたり吐き気がしたりするくらい
で、その彼女だ
彼女はいわゆる「見る」「呼ぶ」「憑かれる」の三拍子そろった子だった
彼女と付き合っていたときに経験した話をしよう

 

俺、彼女、見える後輩A、後輩B、女の子C、女の子DでBの家でぐだってたんだ
んで、彼女が俺に酒呑みたいって言い始めて、俺はいい加減酒に飽きてたんで今日はいいよっていったのよ
そしたら彼女が露骨にすね始めた
あーあすねちゃったよとしか思ってなくて、後輩らとしゃべってたのね
しばらくしゃべってたんだが彼女が一向にすねてるので俺が後輩に金渡して酒買って来いっていった
B宅に残ったのは俺、彼女、A
で、しばらくAとしゃべってたんだが彼女が一言もしゃべらないのよ
おかしい、とは思ったんだけどすねてるだけだったらやだしな、って思ってた
そしたらさ、彼女が急に笑い始めたのよ
表現下手だけど「ククッ」って感じで


と目配せして、彼女のバッグから数珠と般若心経を取り出した(まあそういう子だから毎日持ち歩いてた)
Aが数珠を握らせて、俺が般若心経をポケットに入れたら「いらない!」って投げ返した
そしたら後輩達帰ってきたんだ。え、どしたの?って感じだったw
で、Aが「外の空気吸わせてきます」って行って彼女連れて外でてった
そのあと、訳を話す前にDが「右腕が動かない」ってさ
俺は金縛りは経験ある?ってきいたらあるって言ってた
本当にマジな奴が来てるって思ったよ、俺は
分かると思うけど、Dが右腕動かなくなったのは訳を聞く前
Cが右腕触ってあげたら元に戻った


 

しばらくしてAと彼女が戻ってきた
彼女が「騒がせちゃってごめんねー」とか言って
で、みんなで何が起きたのか聞いたら
「悲しくてしょうがない女の人」「何かを壊したくてしょうがないくらい怒ってる女の人」
それと「訳も分からなくケタケタ笑ってる女の人」
その三人が入ってきたんだと
洒落になんねーまじでこええとか思ってたよw
確かに笑ってたなって
そのとき朝7時。みんな疲れ果ててた
でも皆でずっとしゃべってたら彼女が俺の方向いて手を握らせてきたんよ
えらく冷たい。んで震えてるわ汗かいてるわ


 

「私の手震えてる?」って聞いてきたから、疲れてるだけだよっていって寝かせた
で、俺も眠かったから寝てしまったのよ
俺はAに揺さぶられて起きた
「先輩やばいっすよ。」
そういわれて彼女を見ると、息が乱れていて、全身が冷たかった。意識はない。
「先輩、右腕押さえててください!」
そういわれて右腕を押さえた瞬間だ
彼女がすごい勢いで暴れ始めた
女の子一人が男三人を跳ね飛ばす勢いだったよ
後輩二人が抑えてて、俺は般若心経をよんでた
彼女は目瞑ってて、口元だけにたあって歪めながら「うううううう」って唸りながら暴れてた

俺がお経読み続けてると彼女の意識が帰ってきたんよ
「今私笑ってる!?コレ私じゃないから」
そういいながら笑いをこらえてるような顔をしてた
しばらく男三人で格闘していると
「やばい、右腕いった」
そう彼女が言った瞬間まるで引っ張られてるかのように右腕がのた打ち回り始めた
右側には窓がある
右腕に数珠を握らせようとしたが、硬く握り締めて開かない
女の力じゃないんだよ、何もかもが
二人がかりで数珠を握らせた。そうしたら彼女が叫んだんだ
「D目瞑って!目の前にいる!」
本当に、その瞬間だよ。Dが
「右腕動かない!寒い!」
って言い始めた。俺はAに外連れて行くように指示した
彼女からは抜けたみたいだった

訳をきくと

「いやー油断したね・・・」

話してくれた内容はこうだった

皆で話してるときに悪寒をずっと感じていたら窓のところからガタガタ上ってきたのだという

さっき来た「ケタケタ笑い続ける女」が

「皆がいなかったら、私はきっと」

きっと窓から飛び降りただろうって。

そしてDとAも無事に帰ってきた

Bのうちはマンションだったんだが、彼女いわく何階もあるような高層マンションは道になっているらしい

エレベーター、廊下。

そういうところにぶらぶらふらついてるらしい

しかし「ケタケタ笑う女」が執拗に彼女を狙ったのは分からなかった


                            2011/04/01(金) 05:29:10.30 ID:f5qxwV/70

キューブ

かなり昔のことなのですが・・・
私は関西の田舎町に住んでいて、その時は高校生でした。
何にもない普通の田舎町でしたが、町の中央には川が流れていて
その隔たりで出来た両地区の温度差というか不自然さを少し感じたときがありました。
私の家はたいそう古く倉があり、家を改築するときにその倉を壊すことがきまり中のものを確認しました。
いろいろと古めかしいものがありましたが何故か紫の巾着袋に目がいきました。
横で作業している両親を尻目にヒッソリと持ち出したのです。


すぐには開けずに、友達内でのいいネタになるかなと後日友達を呼んで開封しました。彼らをA B Cとします。
彼らとは小学生からの繋がりでとても中がよかったのです。
袋の中からはゲームのテトリスのブロックと言えば分かりやすいでしょうか?
それを実体化した板状のざまざまの形のものが出てきました。コの字だったり、一の字だったり。
また薄茶色であり、各面には唐草模様が浮き彫りしていて肌触りもよかったのです。
私たちのテンションが上がり、何のために作られたのか?どう使うのか?材質は何なのか?ということが私たちの脳内を駆け巡りました。
小一時間、それらを弄くってるとAはもしかしたらパズルなのでは?と言いました。
なるほど、パーツには凹凸みたいな固定できる部分があり立体パズルなのかなと感じました。
代わる代わる繋げていくと三面に囲まれた角が出来、直感的に立方体が完成形だと確信しました。
しかし、そこからが難しくて進みません。他のみんなはあきてしまい時間も時間なので帰路につきました。

友達が帰ったあとも、私はめげずにそのパズルと格闘していました。
数日後、学校であのパズルの話をしようとしたらBは嫌がるそぶりを見せるのです。
そういえば心なしか最近元気なさそうに見える。詳しく聞くと
あれから、変な女の人が自分の回りをうろつくようになったというのです。
その人は焦げ茶色の和服を来て、黒髪を後ろで束ねているが全体的に乱れている感じがしたそうです。
初め遭遇したときは、後ろ向きに座っていて、グミのようにあり得ない腰の曲がり方をしてこちらを見て笑ったそうです。
そして日に日に距離が近づいてくるらしいです。
私は彼が怖がらせようと冗談で言っていると思いましたが、そうは見えない感じでした。
しかし、私もパズルにはまっていったので途中でやめるわけにはいけませんでした。

 

Bは、あのパズルは何かある。お祓いしにいこうとかいいましたが私を含めた3人は笑ってごまかしました。
その数日後、突然Bが学校に来なくなってしまいました。何度も彼の自宅に足を運びましたが会ってくれません
私はパズルは3分の2ぐらい出来ていましたが気持ち悪くなり放置しました。
そしてBが登校拒否になって5日過ぎたときに最悪の出来事が起きてしまったのです。
Cが交通事故にあい、病院に緊急入院したと担任の口から言い渡されました。
私とAはショックを隠しきれなく、見舞いにいこうとしましたが何故かCの母親にやんわり拒否されてしまいました。
私とAの心中は乱れに乱れて、立て続けに仲間に起こった出来事に
今度は自分に災いが降りかかるのかと恐怖していました。
そして私達は親に内緒でパズルを持って近くの神社に行く決意をしました。


 

私達は神社に足を踏み入れ神主さんと対面しました。
神主さんにパズルがはいった巾着袋を見せると、ぎょっとした顔をして凍り付いていました。
私達のこれまでの経緯を話し、後は神主さんに聞いた話
まず巾着袋に入っていたのはパズルや玩具の類いではなく以前あった土着の宗教の儀式用品であること
大昔はこの辺りでは独自な宗教を信じていて、国の権力下に入ったときに
多くの人々が徐々に仏教に改心したり、土着のしきたりや風習などを廃したが一部の人は頑なに土着の宗教を信奉した。

時がたち回りの人は気味悪がり、弾圧しようとしたが家畜処理やゴミなどの汚れ仕事を容認することによりその存在を許した。
そして川の向こうに彼らを住まわせた。
そしていつの間にか厳しい差別が彼らに対して出来てしまった。それは時代ごとに増していったという。
そして彼らの地区では現世の差別からくる貧しさ、苦しさからあの世にある楽園に目を向けた。
自分達は選ばれた選民であり楽園に行けるが、ほかのものは苦界にいくという思想は以前からあったがだんだん強くなっていった。
そしてその産物がこのパズル状のもので最終的には立方体にやはりなるそうでハコと呼ばれていた。
かいつまんで言うとこのハコは楽園に行くための切符みたいなものだそうだ。
常日頃、楽園を夢見て、身の毛もよだつ儀式をして(死体を食べたり、生皮をはいだり) 魂を高めながら少しずつパーツを組んでハコを構築していく。

そして死の間際、ハコを完成し安心して死んでいく。そしてハコをバラして同じことを繰り返していく・・・
私とAは放心状態でした。このハコには、人間の痛み苦しみ悲しみ怒りが凝結して凝り固まっている、まさに負の根源。だから災いが起きたのだと神主はいいました。
何代も前の神主からほかのハコを回収してきてすべて回収し終えたと思っていたらしいです。
私達はハコを神主に渡し、お祓いを受けました。後日Bもお祓いを受けました。
最後にハコは何の素材でできているか神主に聞いたところ、それは聞かない方がいいと口を濁しました。

数年後、Bは精神を病んでしまい精神病院へ。Cは植物人間になっていたらしくそのまま。
Aは奇病で右目の視力を失い、左目の失明に恐れている日々 なのだそうです。



                              2011/03/31(木) 14:11:43.21 ID:O4+CWZlyO

逃げ場がない2

だんだん本気で怖くなり、半泣きになりながらドアをたたき、Aに助けを求めました。しかしどんなに叫んでも気づいてくれませんでした。
ここにいれば誰かが助けてくれるだろう。そう考えて、2人で救助を待つことにしました。体育座りをして浴槽に寄りかかりながらドアの方を向いて待ちました。
10分くらいでしょうか。Bが泣き出してしまいました。
助からないとか、死んでしまうとか、Aはもう生きていないとか、ネガティブなことをずっと言っていました。

すると後ろの浴槽から音がしました。体中から変な汗が噴き出た感じがします。怖すぎて後ろを見ることができませんでした。
また音がします。濡れた布と布をこすったような、ぬちゃ・・・というか、ずりゅ・・・という感じの音です。
思い切って後ろを見るとしまっていた蓋が片方ずれて開いています。もう何が何だか分からなくなり、もう一度ドアの外に助けを求め叫びましたが、勿論だれも応えてくれません。音はまだします。蓋があいている分、直接聞こえるというか、とても聞こえやすくなっていました。

もうBは俯いたまま、ぶつぶつと何か言っています。聞き取ることはできませんが、Bの声ではなかったと思います。Bの声は女の子のようなかわいらしい声をしていた記憶があります。しかしその時の声は、低くくぐもったような、そんなような声でした。

 
ドアに背中をつけ、浴槽を凝視していました。何かが出てくるような気がしていたからです。こんなところに入ってきてしまったことを、もう心の底から本気で後悔しました。家に帰ったらお母さんと先生に謝ろう。そう考えていました。
音はずっと聞こえていたと思います。


浴槽を凝視し続けてどのくらいたったかは分かりませんが、音は鳴りやみません。
すると、小さな手、赤ちゃんの手のようなものが、開いた蓋の隙間から見えているのに気付きました私は思わず嘔吐してしまいました。Bは未だに何かぶつぶつ言っています。
「B!おい!逃げようよ!ねぇB!」
と肩を掴んで揺さぶりましたが、目は虚ろ、口からは唾液が垂れていました。私は本気で泣いていました。
ふと、ドアの向こうに人の気配がしました。浴槽からは、さっきの音とは違い、うめき声のようなのが聞こえてきました。うあぁぁぁ・・・・とか、ぎぃぃ・・・のような感じでした。
助けに来てくれたと思い嬉々としてドアの方を見ると、曇りガラスに顔と手を押し付けた女の人がいました。
前髪を真ん中から分けた短めの髪の女が、大きな口を開けてこちらを見ていました。顔をべったりと貼り付けているので、どんな表情なのかはっきりわかりました。
口が動きだし、何か言っているのが分かります。言っているのは分かるのですが、内容はわかりませんでした。私はその女から目を離せません。
女は、両手をゆっくり、物凄くゆっくりあげたかと思うと、すごい力でドアをドン!とドアをたたきました。
私はそこで気を失ってしまいました。

目が覚めた時私は自宅の布団に寝ていました。誰もいない部屋で一人でした。急にとても怖くなり、部屋を出ると居間には母がいました。
母は泣きながら私を抱きしめて、あの時のことを話してくれました。
どうやら私は1、2時間あの家にいたつもりだったのですが、2日近くあそこにいたようです。
Aは私たちを置いて先に家に帰ったそうですが、翌日学校に私とBが来ておらず、先生から2人が失踪したということを聞かされたそうです。Aはその日は怖くて先生に言えなかったそうですが、家に帰り親にあの日のことを話したそうです。
警察が助けに行ったとき、私は風呂場で気絶していたそうです。
母の話によると、左のふくらはぎにとても小さな歯形があったそうです。そこで私は母に、
「Bは?B変なんなっちゃって変なことずっと言ってて・・・」
と泣きながら聞きました。すると母は
「B君は今病院にいる。B君に会いたい?」
私が会いたいというと
「じゃぁ明日会いに行こう。でもB君を見ても泣いちゃだめよ?大きい声も出しちゃダメ。いい?約束だからね?」
と、とても怖い顔をして言いました

翌日Bに会いに行くと、案の定、あの時のまま、不気味な言葉をベッドに座ったまま言っていました。
私はそれ以来、怖くてBにはあっていません。
なんだかとても申し訳なく、また、あの時のことを思い出してしまうからです。
Aとはまだ連絡をとっていますが、Bの話はタブーみたいな雰囲気があり、
話すことができません。



                       2011/03/30(水) 21:19:31.24 ID:AVPujXb6O


逃げ場がない1

これは私が小学校2年生くらいの記憶なのですが、当時私の親は共働きで、学校内にある託児所的なところに預けられていました。
私たちはその託児所を「学童」とよんでいいました。
普段は、しばらく学童でおやつを食べたり、宿題をやったり遊んだりして、5時になると友達と一緒にそれぞれ家に帰ります。
しかしその日は、普段の遊びにも飽き、たまたま友達の少ない日だったので、友達のAとBと私の3人で学校を抜け出そうという話になりました。
抜け出して向かう先は、「キューピーハウス」と私たちの間で呼ばれている心霊スポットのようなところです。
そこは、いつも石屋の隣にある人が長い間帰ってきていない家でした。
その家にはガレージのようなところがあり、そのシャッターの部分には、恐らく新聞や手紙などを入れるであろうポストがありました。
私やみんなはそこから中をのぞいていたりしていたのですが、中は壊れた椅子や人形などが散乱していてとても怖い雰囲気が漂うところでした。

時間は3時半。私たちは、隣の石屋のおじいさんに見つからぬよう、こっそり家の敷地に入り込み、花壇や塀をよじ登り、ベランダから二階にあがりました。
普通なら、窓の鍵は締めてあるはずです。
ですが窓の鍵は開いており、すんなり中へ入ることができました。


中はとても荒れていました。
もうこのときからAは怖がり「帰ろう、先生に怒られるよ」などと言っていましたが、私とBはもう気分は冒険家で、ぐんぐん奥に進んで行きました。
私たちは2階を全体的にぐるっと見て回りました。
部屋は3部屋。私たちが一番最初に入った部屋はどうやら女の人の部屋です。何となく綺麗で、かわいらしい犬の置物などが置いてありました。
次に見た部屋はベビーベッドが置いてあり、赤ちゃん用のおもちゃが物凄い量散乱していました。
ぱっと見た感じ、あのキューピーの人形が多かったような気がします。
おもちゃはぼろぼろで、なんだか訳の分からない黒ずんだ液体がこびり付いていました。
もう1つの部屋は何も家具の置かれていない空き部屋でした。

そして次に私たちは1階に降りました。リビングは雰囲気洋風な部屋で、立派なソファーが置かれていました。この家には赤ちゃんがいたんでしょう。赤ちゃん用の机や椅子、食器などが床に転がっていました。
私はBと大はしゃぎしていましたがAはBの服にしがみついたままでした。
書斎やトイレ、キッチン等を一通りみて回りましたが特に変わったところは見当たらなく、
「じゃぁもうそろそろ学童に戻らないと怒られちゃうから、最後に風呂場をみて、玄関から帰ろう。続きはまた今度にしよう。」
ということになり、それに従い風呂場を見に行くことにしました。
脱衣所に入る前に、Bが
「なにかあった時の為に玄関の鍵開けておこうぜ!」
と言い出し、風呂場からすぐ近くの玄関の鍵を開けました。
そとはも暗くなり始めていました。その家には時計が見当たりませんでした。なので私たちは全く時間がわかりませんでした。

風呂場に入ると酷く何かが腐ったような臭いがしました。果物とか野菜とかが腐った臭いではなく、もっと動物の死骸が腐った臭いでした。
鼻が曲がりそうになるくらいの酷い臭いでしたが、怖いものを求めてきた私とBは、もっと何か怖いことが起こればいい。学校で噂になればいい。最悪、誰かが死んでもいい。と考えていました。
Aはもう怖いし臭いからここには居たくないといい、風呂場のそとに居ました。不思議なことに、一歩でも風呂場の外に出てしまえば、全くの無臭だとAは言いました。


風呂桶には蓋がされていました。白いプラスチック製の蓋でしょうが、黒く変色・・・・というより、2階で見たおもちゃのように、何かの液体がこびり付いていました。
2人で開けようと持ち上げてみたのですが、とても重く、びくともしませんでした。蓋は2枚あり、どちらの蓋もあきませんでした。
指を蓋と浴槽の間に入れようとしたとき、私の爪の間に何かが入ってきました。気持ち悪っ!と指を見てみると、細く短い髪と長い髪の2本が中指の爪の間に入り込んでいました。

それを見て私とBは怖くなりでて行くことにしました。
当時、怖がるのは格好悪い、と思っていた私たちは
「もう飽きたし、全然怖くねぇから帰ろうぜ!」
と怖くないふりをしていました。しかし、開けてあった風呂場のドアは、いつの間にかしまっていました。Aの悪戯だろうと思って
「おーいーAやーめーろーよー」
「先生に言っちゃうよ」
とドアの外に向かって叫びました。が、Aの声は聞こえませんし、人の気配もしません。ドアは曇りガラスのようになっていたので、人が前に居ればシルエットで分かります。

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