僕は走っていた。シロの手を繋いで、彼女を助ける使命のようなものを身勝手に感じながら。赤紫の空が僕らを覆う。足元では草がそよいでいる。ざわざわ。ざわざわ。
空の向こう側に浮かぶ島。大地をくり貫いて引っこ抜かれたそれは、機械も何もなくただ当然のように浮いていた。ここからだと崖のような下部しか見えないけれど、僕はそこに城があることを知っている。僕らの走る先が地の終わりだということもまた、悟ってしまっていた。
駆けている間に大地の果てに辿り着いていた。ようやく立ち止まる、息は切れていないのにひどく焦る僕がいる。赤紫の空を見下ろして、浮かぶ離島を見下ろして、さあ、今すぐあちらへ飛び移らないといけない。僕らを迎えるように小さな柵が開いている。そこ目掛けてさあ飛ぼう。シロの手を、離した。きょとんとした顔をする彼女、背中で可愛いなって思いながら、僕は飛ぶ!
コンクリートと排水溝。空はいつのまにか灰色の路地裏へ早変わり。
痛みは無いけど僕は死ぬ。ああ駄目だ、こんなの駄目だ。
そう、シロがあそこで僕を引き留めてくれたら。
そしてまた僕は、シロの手を繋いで、赤紫の空の下を駆けていた。
大地の果て、狭く遠いあの柵を越えなくては。シロの手を、離す。
離す、はずが、シロは僕の手を掴んだままで、首を横に降る。泣き出しそうな顔をして、僕にはその理由がわからない。
一人は嫌か、なら一緒に飛ぼうか。
シロの手を引いて、また、僕らは飛んだ。
あの離島に、あの城に辿り着けたのかは、わからないまま。
___________
シロはデッドマンワンダーランドのシロちゃんです。
久々の更新が夢日記。相変わらずマイペースに生きております。
さて。今日見た夢。
私はかっこいい人になって、背の高い女の人と一緒にシエルとセバスのコスプレをしている。着替え終わってトイレ出てきたら、女子学生に話しかけられる。
彼女は、ミスコン優勝した超美人さんのセーラー服をお下がりで頂いたらしく、着たいなら私たちに貸してあげるよ、とのこと。
いつの間にか私はチャラい男の人になっていて、いやいや女装の趣味はないからね、って断る。
気まずくなって移動して、おしゃれなカフェみたいな机椅子の置いてある場所につく。
ふと見ると柵の向こうには濁って黒々とした夜の海、どうも俺はフェリーに乗っているらしい。
口紅が綺麗な女が話しかけてきた。俺も口説こうと思ってへらへら話を合わせる。机の上に置いてある青色の縦長いパッケージに入ったガムが気になる。
いる?って女が聞いてくる。いや俺ガムはちょっとなー、と曖昧に答える。私はガム嫌いじゃないけど、俺はなんか嫌。
女がガムを指差して「これ何だかわかる?」と聞く。俺が答える前に女はガムパッケージの封が開いた部分を俺に見せた。中にはガムと粉薬。
改めてガムのパッケージを見ると、「あんぱん粒黒砂糖」と書いてある。女はそれを読み上げる。ここでようやく俺は女が運び屋なのだと気づく。青ざめている俺を見て、女は寂しそうに「じゃね」と手を降った。
俺の口の中には粉まみれのガムが入っていた。
という夢でした。
近頃、夢の中で性別が変わっていることが多いです。なぜでしょう。
なかなかに雰囲気のある夢でした。