正直俺は全然気が向かなかったです。明らかになんか感じが違いましたから。しかも、その子が「私は絶対行きたくない。行ったとしても絶対車から降りない。」とか言うので尚更でした。しかし、怖い物見たさとえぇ格好したいのとで引くに引けなくなったんでしょう。其処に向かうことになりました。

現場に到着した瞬間。月明かりでも分かるほど鳥肌が立ち、其れを見せて「帰ろう」と言いましたが、「折角だからこの橋を渡ろう」と言い出したんです。霊感があると言っていた子も、最初は一人で車に乗っていたんですが急いで降りてきて、「車を覗いてくる」と半泣きになってました。友人たちは橋を渡ろうとしていましたが、俺は絶対に橋を渡りたくなかったのでその子と2人で他の4人が橋を渡って帰ってくるのを待つ事にしました。

4人が橋を渡って向こう側でキャァキャァ騒いでいた時でした。

「お前ら・・・何しとるんだ・・・。」

背後からそう声を掛けられたのでスゲー驚いて後ろを見ると、タンクトップを着たおじさんと腰の曲がったお婆さんが居たんです。こんな時間にこんな所で何を?と不思議に思ったんですが「こんな時間にこんな所で・・・何をしとるんだ・・・」と言われたので、そらモットモだと思い肝試しをしている事等を説明していました。ただ、説明を聞く気はあまり無いような様子で、怒った感じで俺等の後ろに目をやっているようでした。すると橋からいつの間にか4人が帰ってきていて、後ろから言われたんです。

「お、お前ら誰と話しとるん・・・?」

後ろを振り返ると顔面蒼白の4人がこっちを見ていたので、「誰ってこのおじさんとお婆さんが」と言って後ろを振り返ると誰も居ません。

6人全員叫ぶように車に乗り込み、その場から離れました。車を出す時に、俺は怖すぎたので俯いて耳を塞いでたんですが、霊感があると言っていた女の子は、車を出す時もずっと車内を睨みつけていたし、

「帰れーーー!帰れーーーーーーー!」

と叫んでいた声を聞いたそうです。それ以来其処には行って無いです。と言うか行けません。

実物っぽいのを見たのはこの2回だけですね。

あまりの生々しさに本物の人かと思うほど実体化するものなのかと人の時は思いましたね。しかも見ただけじゃなくて会話?もしたし。しかもその人を体験したのが俺一人だけじゃなかった所も今思い出しても怖いですね。以上です。