怖いというか、ちょっと不思議な話。 10年くらい前だと思うんですけど、深夜のラジオ番組を聞いていたら パーソナリティーが最近購入した「怖い話」の本が とても面白かった(怖かった)という話をしていました。 それで、そのパーソナリティーは「怖い話」の中から一つを選んで 話して聞かせてくれたんです。 うろ覚えで申し訳ないのですが、その話とは・・・

とあるマンションの一室に住んでいるAさんの話。 たまにだが、深夜になると非常階段を駆け上がる音が聞こえる。 エレベターがあるのに、何故わざわざ外にある非常階段を使うのか? しかも、深夜に限って・・・Aさんは不思議に思う。 ある晩、めずらしく残業を頼まれてしまったAさんは帰宅が深夜になってしまう。 早く部屋に帰ろうと、急いでエレベーターに乗ろうとしたAさんはギョッとする。 エレベーターに不気味な男が乗っていたのだ。 Aさんは直感的に、この男は生きている者ではないと感じ、エレベーターをやり過ごす。 仕方なく、非常階段を使って部屋に帰ろうと思ったAさんは、ふと気付く・・・ そうか、深夜に聞こえていたあの音は、今夜の自分の様に、 幽霊と一緒にエレベーターに乗りたくない住人が非常階段を駆け上がる音だったのか・・・

・・・と、まあ、だいたいこんな感じの話だったと思います。 で、その話を聞いて面白そうだと思った私は、その本を購入しました。 最近部屋を掃除していて、その本が出てきたので、久しぶりに読み返していたのですが、 一向に件のエレベーターの話が出てこない・・・ 仕舞いには、その話を見付ける事が出来ないまま、読み終わってしまいました。 隅から隅まで読んだのに・・・ 購入した当時は確かにその話を読んだ記憶があります。