話題:今日見た夢
敵のアジト探しをする内容だったのだが、新勢力はアジトがないことが判明してどうちゃらっていう…。


鼎達本部隊員4人は東京の本部に帰ることに。蒼月と篝は京都へ戻る流れに。
移動中、鼎達は群馬にあるゼノクへ行ってくれと本部の宇崎司令から命が。

「室長、なぜ私達だけゼノク行きなんだ?」
「長官がね〜、気になることがあるんだってさ。特に鼎、お前に用があるそうだ。新勢力のことで」
「…わかった」


鼎は禹螢(うけい)に拉致られた時、術により悪夢を見せられてから寝不足が続いてる。彩音は心配そう。
「鼎…眠れてる?寝不足なんじゃないの…?拉致られてから様子がおかしいよ」


鼎の顔が仮面に隠れて見えなくても、親友の彩音はわかるらしい。

「移動中鼎はいっつも寝てるのに…。眠れないでいるの…?」
「移動中は体力温存のために寝たいのに、眠れない。頭に靄がかかったみたいな感じだ。あの男…禹螢の術のせいなのか」


やがて群馬県某町にあるゼノクに到着。以前ゼノクに来たのは2ヶ月くらい前か?

4人は隊員証を受付に見せ、入館。ゼノクは基本的に組織の人間くらいしか来ないような研究機関を含めた特殊な複合施設。鼎は受付で烏丸を見た。
相変わらずあのゼノク特有のスーツ姿だな…烏丸。戦闘になるとキャラが変わるのに。非戦闘時だと内気というかシャイというか…。


ゼノクメイン施設・司令室。蔦沼長官と西澤室長は4人を迎える。

「ごめんねいきなりここに呼び出しちゃって。僕は紀柳院に用があって呼んだんだけどさ、嫌な予感がしたから御堂達も呼んだんだよ」
「俺達はついでかよっ!」
御堂は蔦沼に突っ込む。鼎は蔦沼の義手が変わっていたことに気づいた。白い義手になってる?

「長官、その義手…」
「紀柳院、気づいたか。これは新勢力用の術式対応型の義手だよ。退魔師御三家の戦闘を参考にして作った。まだ試作段階なんだけどね」

術式対応型の戦闘用義手を作った!?そんなの可能なのか!?
なんだかデザインが騎士っぽいのは気のせいか?紋様があしらわれているせいなんだろうか…。あの紋様は一体?

蔦沼はようやく本題に入る。


「紀柳院、禹螢に悪夢を見せられて以降まともに眠れていないんだろう?ちょっと調べる必要があるね」
「調べる?」
「禹螢の悪夢は術式の可能性が高いんだ。今、本部・支部・ゼノクで禹螢のアジトを洗いざらい探してるが、アジトがないことに気づいた」


アジトがないだと!?蔦沼は続ける。


「どうやら禹螢達、新勢力は異空間からこっちに来ていると判明した。どこから来てるかは調査中。翠月は京都にいるね」
「紀柳院、お前は何日眠れてないんだ?」
西澤が鼎に聞く。
「3日くらい…かな」

鼎の返答を聞くなり、長官が割り込む。
「紀柳院、ちょっと休め。術は必ず解いてやる。その間、ゼノクにいろ。寝不足にさせる威力があるとはな〜。毎日悪夢を見せられているのか…」
「長官、まさか紀柳院でその術式対応型義手を試しませんよね?絶対にやめて下さいよ?やめてよね?」
西澤は釘を刺す。

「早いところ、悪夢から解放されたい…」
鼎は呟いた。


鼎以外3人は組織用宿泊スペース(隣はゼノク職員用居住区)、鼎だけメイン施設奥の広い部屋に通された。まるでホテルの一室。


「紀柳院を安眠させるために、長官が用意したんだよ。術が解けるまでの間、この部屋で寝泊まりして欲しいと。術は深刻なようだから」
「…私は長官の実験台か」

西澤は苦し紛れ。
「ま…まぁ、そういうことになるかなー。紀柳院、戦闘時は無理して出撃しなくていいよ。長官が言ってたから。寝不足だと力を発揮出来ないでしょうに」


この部屋…リラックスしやすいようになっている。アロマディフューザーが置いてあったりと、リラックスグッズが多い。
アロマの香りは選べるようだ。お洒落な間接照明まである。


鼎はベッドの上にゼノク特有の全身タイツのようなスーツがあるのを見た。藍色のスーツ。嫌な予感がする…。

「西澤、このスーツは?従来型の治療スーツよりも肌触りがかなりいいな、これ」
「長官は紀柳院を実験台にする気かよ…。ちょ…ちょっと聞いてくるよ」

西澤は引きぎみに部屋を出て、すぐさま蔦沼に通信。


「長官、例の紀柳院が泊まる部屋にあったスーツ…あれ何ですか!?紀柳院、なんか察してましたよ!?」
「あれは治療スーツを改良したものだよ。紀柳院は治療スーツ着慣れてるから行けると思って」
「長官…紀柳院が振り回されてますよ…。全うな方法ってないんですが、術解く方法…」
「今のところ術解く方法見つかってないから、しばらくあのスーツを着て寝て貰うしかないよ。あれ、就寝用に改良したの」
「あれで寝れるんですかねぇ…」
西澤は疑っている。

「ここの入居者や職員の一部だって、スーツ着たまま寝てる人もいるから大丈夫じゃないかな…。通気性いいし」
「確かに…」


「そう来ると思ったよ。このスーツ、それ用なのか。…やはり私は長官の実験台なんだな。術解く方法まだわからないとか、大丈夫なのか?」

鼎は少しイラッとしてる。


「禹螢は1回ここに来ていますから、もしかしたらまた来る可能性はあるかもしれませんよ」
鼎は実験ならばとスーツを手にした。本当にこれで眠れるのか?とにかく何でもいい、眠りたい。


鼎は西澤が部屋から出ると、部屋に置いてあった長官の書き置きを読んだ。

『この部屋は実験も兼ねているから協力してね。君が眠れるかどうかの。術が解けない間は基本的にそのスーツを着て部屋にいて欲しい。スーツの色の変更は可能。5色から好きなものを選べる。部屋の照明の色は変えないこと。とにかく眠れるように祈るよ。聞きたいことがあったら直通電話から質問してね。食事はこっちで運ぶから何もしなくていいよ 蔦沼』

「なんなんだこの書き置き…」
実験に協力しろってことか…。鼎はスーツに着替え、その上から組織の制服を着た。これで何回目だ、この治療スーツ着るの。


鼎は早速直通電話から長官に質問をぶつける。

「早速聞くが…スーツの色を変更したい。パステルカラーはあるのか?そっちの方がリラックスするのだが」
「残りの4色はパステルカラーだよ。着心地はどう?」
蔦沼はフランクに聞いてる。
「従来型よりも背中のファスナーが気にならないな。摩擦が少ない」

「紀柳院…本当にごめん。またそのスーツ着せるようなことになってしまって…。部屋にあるものは好きに使っていいからさ。あと隊員達にも自由に会っていいからね。部屋の外はいつも通りの格好でいいから」
「部屋の中だけか、制限があるのは…」
「制限はそのスーツくらいだけどね」


しばらくしてから西澤が残り4色のスーツを持ってきた。鼎は服との兼ね合いを考えて淡い黄色のスーツを選ぶ。一応淡いピンクのスーツも貰っておいたが。

「黄色とピンクでいいんですね。替えも置いておきますよ」
「あぁ…」
「スーツは部屋の中だけですから気楽にしましょうよ〜」
西澤はなんとか声を掛けるが。

「気楽に出来るか。これでは動くマネキン状態だぞ、私は…。しかし、ここの入居者はすごいな。このスーツ姿で当たり前のように生活してる。烏丸みたいな非戦闘時にスーツ着てる隊員もすごいが」
「烏丸さんは非戦闘時はシャイですからね〜。だからそのスーツ着てるんですよ」


西澤は部屋を出る時、鼎を見た。全身タイツ状態のスーツのせいか、表情はわからないが…鼎はうつむいてるように見えた。
長官、紀柳院に悪影響めちゃめちゃ及ぼしてるじゃんかよ…。


「長官、見ていたら紀柳院がだんだん可哀想になってきましたよ。早いところ、悪夢の術を解く方法探しましょうよ。部屋出る時…紀柳院…うつむいていたんです。うなだれてたというか」
「今急ピッチで探してる。御堂と渋谷・駒澤も協力してるよ。ゼノク隊員からも烏丸が自ら協力してくれた。直に退魔師の柘植篝か、不知火瑞季あたりも来るかもよ」


ゼノク周辺。禹螢はゼノクを見下ろせる場所にいる。

「やっぱりここは負の気で満ちているね〜。ただの研究機関じゃなさそうだな。これだけ負の気があるとなると…。計画を早めれそうだな」



禹螢の勢力の目的が「負の気」の吸収?負の気を使って何かをする気か?
鼎さん、長官の実験台にされる。ちゃっかり長官も術式対応型の義手を試作してたりと、準備はえ〜。


従来型の戦闘用義手は黒っぽいのに対し、術式対応型は白いのが特徴。
白い義手には何やら文字や紋様が小さく書かれていたりする。騎士の甲冑っぽいデザイン。白い義手も戦闘用同様合金製。

長官の両腕の義手は片腕だけ白い義手に変えることも可能に。術式対応型でも刃物の展開と銃撃は可能。


…とはいえ、白い戦闘用義手は試作段階なので実戦してみないとわからないっていうね…。
ゼノクが舞台になると蔦沼無双化しがち。無双のフラグ立ってる…。


式神やら術式やらが出てくるのが新勢力編?なんで、ちょっとオカルト要素が出てきてる。負の力・負の気とかも。
第1部がvs鐡の勢力ならば、こっちは第2部的な感じか?

vs禹螢の勢力の場合、正と負・陰陽がキーワードかもしれん。