話題:今日見た夢
朝じゃなくてちょっと横になってたらいつの間にか1時間以上寝てしまい、見た夢だった。


臨時隊員の烏丸絡みの内容。「ネロ」としては一旦活動休止、烏丸を休ませることになった。隊員はいるので問題ない。
臨時隊員故にゼノクに帰れないのが痛いらしく、烏丸はあれから部屋に引きこもってる。

「烏丸は大丈夫なのか?今日ずっと引きこもってんぞ…」御堂はなんだかんだ心配してる。
「休ませてはいますけど、本部には慣れてないですからねー。臨時隊員が出動したの、7年ぶりらしいですから」彩音が答える。
「その時って深海と烏丸はゼノクにいないはずだよな…」


夜の任務は空操と深海になった。深海は目隠ししてるにもかかわらず、戦闘力は高い。
なんでこの人本部にいないの!?空操は深海に驚く。


烏丸がいる部屋では烏丸の姿が異様だった。一切顔を出したくないのか、ゼノクで着慣れたスーツ姿でいる。
彩音は烏丸に食事を持ってきていた。
「涼風、部屋入るけどいいかな…。食事持ってきたよ」
「…ありがとう」
「やっぱり元気なさそうだね…。室長があんなだからしゃーないんだけどさ。テキトーだし」
烏丸はスーツ姿のまま、顔を上げた。のっぺりしたマスクのせいで顔が全然見えない。
「ゆっくり食べなよ。無理はしなくてもいいよ」
「…うん」
そういえば涼風ってゼノクではずっとスーツ姿なんだった…。ほとんど素顔を見せないと聞いてる。


烏丸は3日程休みを貰っていた。休み明けは通常任務になるから、それに慣らすためでもある。
烏丸の休暇2日目。部屋から出てこれるようにはなったが、相変わらずのスーツ姿。相当顔を見せたくないらしい。

「烏丸、あれからずっとスーツ姿だな…」
宇崎もこれにはどうしょうもない。ゼノクから来た臨時隊員、それもゼノクではずっとスーツ姿なだけに職業病は致し方ないのか。
ゼノクは特殊な施設ってのもあるが…。


その日はなぜか怪人がほとんど出現しなかった。たまにこういう日がある。


宇崎はある提案をする。
「烏丸と一緒にどこかへ出かけてみたらどうだ?気分転換にはなるだろうよ」
「何言ってんですか、室長。烏丸の姿ちゃんと見て言ってんのかよ!?なんだか可哀想だろうが!」御堂は少しキレていた。
烏丸はスーツの上から制服を着ていた。ウィッグは持ってきていない。
「…い、いいですよ…自分のために何かしなくても…」烏丸の顔は見えないが遠慮してる。

「そもそもそのスーツ姿で出かけられる場所なんてあるのか?変に注目されるだけな気がするが」鼎が疑問をぶつける。
「都心部から離れた場所ならギリギリ行けるかもしれないけど…どこかあるか?」
「ちょっと調べてみる?」
御堂と彩音のやり取りに烏丸はおどおどしていた。
「逆に個性的な人が集結するような場所に行くのは?朱に交われば的な」
「原宿や秋葉原とかか…?そこはやめとけってば」

彩音と室長は烏丸の性格的に行けそうな場所を探す。烏丸がスーツ姿という縛りがあるため難航。
「移動は車にすれば行けますね。人数はガードを含めて3人以上にすればなんとかなる」
「その手があったか」宇崎は感心した。
「鼎の時にもあったんだよ、似たような事がな。桐谷さんから聞いたよ。それの応用」


烏丸は人前では素顔を見せたくないようで、休暇にも拘らずスーツ姿だった。
なんとか行き先が決まり、ガードを含めた4人が決まる。運転手・桐谷、ガードが御堂と彩音、それと烏丸だ。
「…で、どこに行くんですか?」烏丸は少し元気が戻ったようだ。
「西東京のどこか。人が少ないところだよ」


4人は私服になり、桐谷の運転する車に乗車。烏丸の格好は肌全体を覆うスーツの上から服を着ているせいか、動くマネキン状態になっている。
この日の烏丸は薄いベージュのスーツを着ていた。
「涼風…ウィッグがないせいかマネキン感がすごいよ…」
「え…?そうかな…」本人は気づいてない。


やがて西東京にあるとある場所に着いた。のどかな景色の町。
「着いたぞ〜。ここなら人は少ないから烏丸は大丈夫だと思う。がっちりガードはするからな」
「私もするよ」
4人はその町の遊歩道を散策することにした。烏丸がスーツ姿なこともあり、ガードの2人は気を使う。
「足元気をつけてね。段差があるから」
「ありがとう」
しばらく行くと目的地が見えてきた。それは滝だった。
「滝が見えてきましたよ」桐谷は優しく教える。

滝が見える場所へと4人は行った。彩音は烏丸のスーツが濡れないか気になっている。
「涼風、そのスーツ濡れても大丈夫なの?」
「多少なら平気だよ。雨でもある程度は」
スーツの見た目が全身タイツにしか見えないだけに、余計に気になる…。視界は戦闘用スーツよりも狭いらしい。マスクがのっぺりしてるせいか?

「ゼノク職員の一部の人ってすごいよね…。そのスーツ姿で仕事してるんだよね…私には無理だわ」
「…職員は希望でなってるからさ…。私もそうだし。私、ゼノクでは受付やってるから今の状況がものすごく変だよ」
受付…?そのスーツ姿でゼノクで受付!?
「あ、ごめん。捕捉してなかった。受付は受付でも入居者担当だからこの姿でも大丈夫なんだよ。入居者もスーツ姿が多いから」
ゼノク…確かに特殊すぎる施設だわ…。御堂や晴斗・鼎は行ったことあるんだっけか。


ゼノクでは柚希が白浜に聞いていた。受付は現在1人。白浜が休みの日は別の職員がやってる。
「え…!?じゃあ烏丸さんって臨時隊員で今本部にいるんですか!?」
「そうなの。ごめんね柚希ちゃん。涼風とよく話していたもんね」
この日の柚希は淡いオレンジ色のスーツを着ていた。
「烏丸さん、大丈夫かなぁ…」
「本部に慣れないから大変なんだって。ゼノクの方がやっぱりいいって」
「臨時隊員の出動出たの、7年ぶりだって兄貴から聞いたから…」
柚希はうつむいていた。マスクで顔が見えないにも拘らず、柚希はたまにこんな仕草をする。

白浜は切り出した。
「最近変だよねー。後遺症が治ったはずの夫妻の奥さんが再発したり、一部の入居者は悪化したりとか。しかも原因不明って」
「紗和さん、またゼノクに入るなんて嫌だったろうに…。あの夫妻ってゼノクで式を挙げた例のカップルなんですよね?写真だけは素顔で撮ったってどこかで聞いた…」
「旦那さんはなんともないのがなー。彼、時々紗和さんに会いに来てるよ。…で、スーツ姿の紗和さんを見て顔が見えないからものすごく凹んでる」
「そりゃそうなるよ…」

「柚希の友達、どうなの?まだ病院?」
「少し調子良くなったけどまだかかるって。兄貴から聞いたんだけど、もしかしたらゼノクの異常の原因が東京上空に出現した空間かもしれないって。今本部では調査もやってるって聞いたよ」
柚希には異常が起きていない。後遺症の治療がだいぶ進んでいるのもあるが。


烏丸は気分転換になったらしく、帰り道は足取りが軽かった。スーツに私服のため、遊歩道を歩いている時は御堂と彩音はハラハラしながら見ている。

あのスーツ、水に落ちたら一発で終わりだよなぁ…。防水には見えないし…。間違いなく溺れる。
烏丸は小さな段差につっかかり、つんのめって転んだ。派手にコケた模様。

「大丈夫か!?」御堂は駆けつける。
「ケガしてない?」彩音は烏丸の足を見た。ふくらはぎが少し擦れただけだが、幸いにも?スーツのおかげで軽い打撲だけで済んだ。
「そのスーツ、こういう場所には向いてないんじゃ…。小さな段差には弱いみたいだな…。視界はどうなのよ?」
「見えてますが…戦闘用よりは狭いです…」
「よくそれで生活出来てんな…。慣れって怖っ」
「ゼノクでは見慣れた光景なんで…。このスーツを見るのも着るのも慣らされてしまいました」
烏丸は少し痛がりながらも立ち上がる。


やがて4人は本部へと戻った。宇崎は烏丸の変化に気づいていた。顔は見えないが、まあまあ気分転換にはなったらしい。
ただ気になったのが、烏丸のスーツが少し汚れていたことだった。
「烏丸、お前のスーツ少し汚れているように見えるけど…」
「こ…これ、帰り道に転んじゃって…。ケガはしませんでしたがちょっと汚れてしまいました」
「スーツの弊害だな…」

今さらゼノク職員のスーツ着用者に、任務に脱いで活動しろと言っても無理だろなぁー。
烏丸はスーツに依存してるっぽいし(部屋でもスーツ姿なのは聞いた)、烏丸に関しては素顔の時よりもスーツ姿の方が全然話せている。


烏丸の連休が終わった。
戦闘用スーツの「ネロ」は一旦活動休止中のため、今日から昼の任務になる。
宇崎は昼の任務でも、もしかしたら烏丸には戦闘用スーツになるかもしれないと伝えている。状況次第だが。


今日から烏丸はスーツに制服、もしくは戦闘服での任務が可能となる。1人だけめちゃめちゃ浮いてるが…。
宇崎は烏丸用にフードが付いた白い制服と戦闘服を支給。蔦沼長官と似たようなものだが女性用。フードは戦闘時に脱げにくいようになっている。フードを被るのが前提な制服と戦闘服。

中のスーツの色は自由なので、烏丸からしたら良かった。
試しにそのフード付きの制服を着てみた。中には白いスーツ。
「烏丸、フード似合ってんじゃん」御堂は好反応。
「あれ?こっちの方がいい…」彩音も良さげな反応。

「その姿を利用して特殊任務が出来るな。顔を見られたらダメなやつ。戦闘用スーツも白があればいいんだがな〜。西澤のやつ、白い戦闘用スーツ作らないかな〜」宇崎はボヤく。


ゼノクでは西澤が蔦沼長官とリモートで会話をしていたが、嫌な予感を漏らした。蔦沼はまだ病院だが、リモートでなら西澤と話が出来る。
蔦沼もあれから少し体調は良くなったらしい。
「蔦沼長官、今宇崎司令が『何か作ってくれないかな〜』って言ってる気がしました。嫌な予感がします」

「戦闘用スーツ、今のところ黒だけだよね?色違いも作った方がいいんじゃないかなぁ」
「例えば?」
「白」蔦沼はきっぱりと言った。
「確かにゼルフェノアのイメージカラーは白ですが、白の戦闘用スーツって…」

「とにかく試作してみてよ。黒と同じようなのね。白い戦闘用スーツ、使う機会はあると僕は思うんだ。烏丸涼風の活躍を見ればわかるけど、あのスーツは機動性と柔軟性が高いから戦闘服よりも使えそうに見えるんだよね。着る人は選びそうだが」
「スーツに慣れた人じゃないと戦闘用スーツは無理かと…。戦闘用スーツってある程度は訓練しないと使いこなせないですよ、あれ。烏丸は適合しましたが」
「ゼノク職員の一部があえてスーツ姿なの、これの訓練も兼ねてるなんて知らないだろうね。入居者にも1人、適合しそうな人間がいるみたいだ」
「入居者はやめた方が…」西澤はハラハラする。
「御堂柚希…彼女、戦闘用スーツに適合しそうな気がする。本部の御堂和希の妹なんだろ?彼女。それに異常が起きてないのも気になる。治療のおかげかな?」


数日後、ゼノク居住区の柚希宛てに小包が届いていた。ゼノク研究機関から…?研究施設から直接送られてきたらしい。
柚希は部屋に持っていき、小包を開けた。中には見慣れない黒いスーツ一式が入ってる。頑丈そうなスーツ。スーツと靴?
それと蔦沼長官からの手紙が入っていた。
蔦沼長官から…!?柚希は手紙を読み、スーツが送られてきたわけを察した。

「適合者ってどういうこと…!?」
柚希は戦闘用スーツを早速出してみた。これ…試しに着てみようか…。



ゼノク職員でスーツ着用者の弊害がもろに…。視界が狭いので小さな段差に弱い。
戦闘用スーツ、白は出来るかな〜。

入居者の7割がスーツ姿なゼノクだが、戦闘用スーツの適合候補が柚希とか…。他の入居者の一部は異常が起きてるのに、柚希は何もない時点で何かあるのかと。柚希は後遺症の治療がだいぶ進んでるのもあるかもしれん。顔だけは跡がない状態なんで。


蔦沼長官の意図が少しだけ垣間見れたり。だからゼノクは特殊。
ゼノクのトップは蔦沼長官だが、実質上は西澤になってる。ちょっと複雑。蔦沼は表向きには死んだことになってるが、ゼノクの一部の人間は蔦沼長官が生きてることを知ってる。