Title:喫茶店にて〜中身のある人とは〜


夜分遅くにこんばんは、Mariです。


今日はとある喫茶店に行ってきました。


ここでちょっと昔話を。


去年の夏に入院していた時、私1度だけ「見た目は普通なのに、どうしてこんなん(病気)なんだろう」って、病室で感情的になったことがあって。
看護師さんに泣き付いてしまったんですよ。
不安でたまらなかったんだと思います。
その次の日の夜に、同じ病室で仲良くさせて頂いていたおばあちゃんと病気の話をしていたら、別の患者さんが声をかけて下さって。
10日間くらい同じ病室にいてその時初めてちゃんと話したんです。
その方も見た目は普通の人なのに、抱えている病は重くて。
私よりもずっとずっと長い間不安と隣り合わせで生きていました。
その中で私の言葉を聞いて思うところがあったのか、寄り添うようなお言葉をかけて頂けて。
思えばその夜は、20代と50代と70代のちょっと不思議な女子会でしたね。


それで、その患者さんが先に退院されることになって、退院の日の朝にご挨拶させて頂いたら旦那さん(以下マスター)がいらっしゃって。聞けば喫茶店を営まれているということだったので、「じゃあ、退院して落ち着いたら行きます」と場所を教えて頂き、ようやく今日行くことができました。


さて、話を戻しまして。


スタバとかああいうチェーン店や街中カフェとは違う、地元の喫茶店というところには行ったことがなかったので少し緊張しました。
粉雪舞う午後、客も最初は私一人だけだったのですが、3時を回るくらいになると馴染みのお客さんが次々といらっしゃって。
皆さん70〜80歳くらいの方々だったので、きっと学生の私が目新しかったのでしょう。
気さくに声をかけて下さいました。
実際その店の客の最年少記録を更新しちゃいました(笑)
コーヒーを飲みながら年輩の方々とお話するなんて普段ないですから、新鮮でした。
マスター含め、病気とはいえ内定辞退して4月からフリーターで(体調の)様子見ですという私を「どうすんの」と追い立てるような人は誰もいませんでした。むしろ、「若いからいろんな可能性があるし(病気になったのが)今で良かったかもしれないね」と前向きになれるお言葉を頂きました。


正直、年末に「(この先)どうすんの」って劇団の先輩に問われて、「どうしましょうね」と笑う私に「時間は待ってくれない」と先輩が言った時は、本当に、どうしろってんだと自棄になってしまったんですよ(ちなみにこの人は私の病気を詳しくは知らない)。
周りは当たり前のように就職するし、大学側も「既卒は新卒に比べて就職に不利になってしまう」と言うし…就職するあるいは何らかの形で働かなきゃならない、そうしない人はダメだ、そんな空気を感じてしまっていて。また現在これといった明確な目標や夢を持っていない自分は中身のない人間なような気がして。「中身のある人ってどういう人なんでしょうね」と疑問をマスターにぶつけたんですよ。そうしたら、マスターが言うわけです。


「中身というよりは、その人が自分と合うか合わないかだと思いますよ。いろんな人と出会って、自分と合う人合わない人っていうのがわかってきて、いろんな人たちと話したりして、またそこから縁が広がって…そうやっていく内に自分の好きなことやしたいことが見えてくるもんですよ」

「『私は親に迷惑をかけている』とか、『働かなきゃいけない』とか、そんなん思わんでもええと思いますよ。マイナスに考えたらキリ無いでしょ。いろんな人がいるんやし、貴女もたまたまそういう生き方になった。社会から外れたとか思わんでもええ。ピンチはチャンス」


これを聞いて何だか、気が楽になったんです。
もう少しの間、好きに生きてていいんかなって思えたんですよ。
年上、それも年代の離れた方とお話すると、こういう言葉に助けられてるなあって思います。
教養を身につけることは大事やけど、それは私にとっては目的じゃなくていろんな人との会話を楽しむための手段なわけで。
人とのコミュニケーションや経験を通して自分の中身が作られていくなら、まだまだこれからやなーって思いました。
そして年輩の人と話すと自分がまだまだ勉強不足なのを思い知ってああ勉強しなあかんなと。
退院した時の気持ちを思い出しました。


その後もお客さんたちと世間のニュースから地元ネタから通っている病院の話までかれこれ1時間は会話を楽しみました。
その中で面白かったのは、「自分の今までで1番良かった1年を送れる、その代わりに5年寿命が縮むとしたら、どっちを取るか。またその1年は何歳の時か」という話題。


私以外にお客さんは6人いて、答えたのは2、3人でしたが皆さんほぼ即答で「1年」を取られましたね。
その1年は「20歳」「30歳前」「18歳」と様々でしたが。
70年ほど生きてきていて、その人生でもう一度送りたいと思えるのが私の今生きているこの年代なのかなと思うと少し背筋がシャンとするような、そんな心持ちになります。
私にも、もう1度と思えるような1年ができるだろうか…。


結局、私は夏から答えを見つけ出せないでいる。
自分はどうありたいのか。
まだ、答えを出す時ではないのか。


考えることの多い1日でした。
でも有意義な時間を過ごせたと思います。
そして私は人と話すのやっぱり好きだなあと思いました。


色々書きすぎちゃいましたね。
ここまで読んでくれた方、こんなどうしようもない文章読んで頂きありがとうございます。


あたたかくしてお休みくださいね。
それでは。
おやすみなさい。