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時よ、止まれ


「キルア!早く、早く!起きてってばー」

「んー……何だよ、こんな夜中に」

「とにかく来て!」







「寒いじゃんよ〜」


「いいから…!ねえ、見て見て」

「んー?」



「…!」

「すごいでしょ!?」

「すげー……」

「この星空、早くキルアに見せたくて…」

「ゴン…」

「ごめんね、起こしちゃって」

「いいよ、おかげですげーもん見れたし」

「へへ」

「何笑ってんだよ」

「…何かさ、こういう過ごし方もいいなって思って」

「だな」





「俺、ほんとにキルアに会えて良かったよ」

「なっ…!いきなり何言い出すんだよ、はずいだろ!」

「でも、ほんとだよ?…キルアに会わなかったら今、この瞬間がないことになるんだもん」

(そんな顔すんなよ)

「そう思ったらさ、真剣にキルアと出会えて良かったって思うんだ」



「…それ、俺の台詞」


「?」

「俺の方がお前が思ってるより断然そう思ってんだからな」

「!」


(ゴン、顔真っ赤)


「キルアの方が恥ずかしいこと言ってるじゃん」

「ばーか、お前が先に言い出したんだろーが」


「キルア、」

「ん?」

「俺、キルアのこと大好きだ」

「ほら、またはずいこと言う」

「だって……今言いたかったんだもん」





「…ゴン!」

「わっ、なっなに!?」

「寒そうだから抱きしめてやってんだ、有り難く思えよなー」

「ふふ、あったかい」






「ゴン」

「?」



「好きだ」


「ん、知ってる」





******

キルゴンです(´・ω・`)笑
星を見せようとするゴン、照れながらも最後はSチックなキルア(・∀・)
それがかきたかったんす 笑

締めはやっぱキスですよね(゜∀゜)
やっぱこの2人好きですwww


暗黙の要求(飢えた稚拙少年)



「ゴン、Trick or treat!」

今日は俺の待ちに待ったハロウィン
俺はゴンの前に立って、そう唱えた

「とりっく、おあとりーと…?」

ゴンは栗色の大きな瞳を丸くして、俺の呪文を繰り返した
ゴンは手を顎にあて、俺の言葉に翻弄される

「ゴン、ハロウィン知らないの?」

これだからお子様は、なんて馬鹿にしながら俺は笑う
当のゴンは複雑な顔をしていた訳だが

「…クジラ島にはそんな呪文なかったよ?」

教えて、と迫るゴン

「教えてやるよ」

「…!」

長く、深いキスを落とす
突然のことに最初ゴンは嫌がったが、すぐに大人しくなった
部屋に響く荒い息音

「くる、しいよ…!」

口を離すと真っ先にゴンは怒った
でもその瞳には怒りはなく、余程苦しかったのか涙が浮かんでいて恍惚しているようだった

「ごめん」

「許す代わりにさっきの、教えてよ」

馬鹿だな、ゴン

「お前、飴持ってないんだろ?」

ニヤっと笑って俺はゴンのポケットを見遣る

「…飴、もってない」

(馬鹿正直)

ここで嘘を付かなかったゴンに少し関心しながら

「だったらいーじゃん」

「もう、わけわかんないよ」

そう言って後ろを向いたゴンに俺は仕方なく、飴持ってない奴は意地悪されるのだと耳打ちする
ゴンは耳を赤く染めながら、小声で文句を言っていた

「飴持ってないお前が悪い」

顔を掴み、また唇を合わせてやれば今度は抵抗一つしなくて

「…いいもん、こんな意地悪平気だから」

負け惜しみだな、と俺はゴンに言ってやった
相変わらずゴンはむすっ、とした顔をしていて

「すげえ可愛い、ゴン」

抱き着いてやれば、わっと声を上げる
数秒経ってからその言葉を聞き取れたのか、ゴンは急に顔を真っ赤にした

「キルアの馬鹿ー」

また求めるように俺はキスを強いた
俺もつくづく馬鹿だ
心の中で何度愛が飢えてるんだな、と苦笑いをしたことか
執着心も深くて、嫉妬心もすごくて
でもそれでいい、とゴンは言ってくれたから
キルアだからと言ってくれたから





俺はまた愛を、光を求め続ける

内緒




「キルアってば…!」

数歩前を歩く銀髪の少年にゴンは叫んだ
彼の背中からは怒りの色が感じられる

(何で怒ってるんだろ?)

「待ってよー!」

黒髪の少年は銀髪の少年の元へと走る
思ったより早い早足に、ゴンは狼狽した

「……何、怒ってんのさ」

「別に」

冷淡な言葉が、痛い程胸に突き刺さる
いつもは優しくて、ほっていったりしない筈なのに

「俺、なんか気に障ることした?」

ふと思いかえしてみて少年はあっ、と声をあげた

「もしかしてさっき跳びついた時殴っちゃった!?」

ふっ、と笑みをみせる銀髪の少年にゴンは少しだけ安心した

「そんなわけないだろ、第一殴ったんならお前だって自覚あるだろ」

「うー」

頬を膨らませた少年にキルアはまた笑顔をみせる
可愛いな、なんて呟いてみたり

「…お前のせいじゃないよ」

キルアの意味深な言葉に悩まされながらもゴンの表情は明るくなった

「そっか」

「本当はさ、」

「?」

「本当は恥ずかったんだ」

キルアの照れながら言う姿にゴンは胸が熱くなる感覚を覚えた

「何が?」

ゴンの抜けた返事に少しがっかりしながらやっぱ内緒、と続けた

「何でー」

(言えるかよ)

ゴンに抱き着かれて恥ずかしかったんだ、なんて
不意にときめいた自分が恥ずかしくて
純粋なゴンに対して汚れた俺が嫌だったんだ


「早く行こーぜ」


今はこのまま










中途半端?
気にしちゃだめ(´・ω・`)

願い


【キルアside】








俺に初めて友達と呼べる奴ができました

そいつはすぐ無茶をする奴で

気になって、一緒にいるようになって

次第に楽しくなって

俺は初めて太陽を見たかのように喜び、はしゃぎまわった

笑った顔、仕草の全てが愛しくなって

いつからか誰よりもそいつが好きになっていた

見失いたくなくて、追いかけて

そいつも俺を必要としてくれて

人殺しにも関わらず、相変わらず優しい笑顔を向けてくれて

そいつの前だけは対等の立場でいられると感じた

そいつは、俺は悪くないんだって言ってくれて

全てが初めてで、毎日が本当に楽しかった



だから、

だから、もし

神がいるというのなら



あいつを傷つけないように

俺の大事な人の為に、

どうか俺の中で息づいている狂喜を拭い去ってください

そしていつまでも

あいつの傍に

衝動



「俺、やっぱキルアがいないと駄目だ」


不意にゴンは俺を驚かせることを言う

それも俺を煽るようなことばかり


「…恥ずいし、調子乗りそうだからやめろよ」

「いいじゃん、恋人なんだし」


馬鹿だな、ゴン

俺は太陽みたいに笑うお前を見てることしかできないのに

俺はお前が思う程純粋じゃない

血に塗れて汚れてる

今は笑ってるけどごくたまに現れる闇にいつも俺は惑わされる

兄貴が言ってた、いつかゴンを殺したくなるって言葉

決して間違いじゃない






俺はヒソカと同じ

お前は気付いてないだろうけど

殺したい衝動

俺はそれがおさまる日までお前といられるだろうか

これが恋だと思ったこの気持ちは偽りだったのだろうか

ゴン

俺はお前がただ

ただ笑ってるだけで満足だから

だから

今はそっと傍にいて

俺は眩しすぎて

お前に触れることが出来ないから
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