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非力な強さに支配されて






気が付いた頃にはもうお前はいなかった

これからの日々、お前がいない毎日を俺は過ごすことができるだろうか

なあ、佐為




「虹です、ヒカル!虹!」




そうはしゃいだ佐為

今となっては全てが懐かしい

耳を塞ぐ度、名を呼ばれる幻聴が聞こえてきた

もうお前はいないのに

時の流れに身を任せれば、この痛みも忘れることができるだろうか


佐為との日々を

思い出にすることが、俺にできるだろうか


答えは何処を探しても見つからなくて

いつだってお前は、漂う俺に手を差し延べてくれた

綺麗な笑顔で



別れの言葉さえなく、俺たちは別れた

この寂しさは光だと言い聞かせ、俺は止まることなく進み続けた





そう、いつかまたあの優しい声が聞けると信じて

言葉を遮って


「ヒカル」

「なんだよ」

「好きです」

「知ってる」

「ヒカル、返事っ…!」



返事なんかよりまず行動、だろ?
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