気が付いた頃にはもうお前はいなかった
これからの日々、お前がいない毎日を俺は過ごすことができるだろうか
なあ、佐為
「虹です、ヒカル!虹!」
そうはしゃいだ佐為
今となっては全てが懐かしい
耳を塞ぐ度、名を呼ばれる幻聴が聞こえてきた
もうお前はいないのに
時の流れに身を任せれば、この痛みも忘れることができるだろうか
佐為との日々を
思い出にすることが、俺にできるだろうか
答えは何処を探しても見つからなくて
いつだってお前は、漂う俺に手を差し延べてくれた
綺麗な笑顔で
別れの言葉さえなく、俺たちは別れた
この寂しさは光だと言い聞かせ、俺は止まることなく進み続けた
そう、いつかまたあの優しい声が聞けると信じて