さらさらと風が流れる。
木々の揺れる音。
鳥たちの静かな声。

窓際にあるベットに腰を下ろしながら少し開いた窓に寄りかかる。隣には俺よりもちょっと小さめな恋人。
特になにをするわけでもなく、なにを話すわけでもなく、静かな時間をゆっくりと過ごす。

こてん、と俺の肩に寄りかかる隣の人。たけるくんの髪が首筋を擦って、ちょっと擽ったい。

「どうしたの?」
「ねむい…」
「寝ちゃっていいよー」

たけるくんがいつもしてくれるみたいに髪を手で解かしてあげれば、うん、と小さく頷いた。

空いた片方の手が握られる。ぎゅっと握りしめられるわけでもなく、たけるくんがいじいじと俺の指で遊んでいる。


「ゆういちー…」
「なに?」
「すき」
「…ふふっ…俺も」
「…しってる」

こんなやりとりは眠たい証拠。(すきだなんていつもは言ってくれないもん)
おやすみ、と頭をぽんぽんと撫でれば、たけるくんは目を閉じた。

さらさらと風が流れる。
今日はとっても暖かい。