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まどまぎ!

まどまぎ最終回見ました。ネタバレなので下げます。箇条書注意。

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アルコールブラッド(イヅギン、吸血鬼パロ)

首筋に牙が食い込む。慣れた感覚だが、いつも甘く痺れる。

「お酒、飲んだ?」

牙が不意に離れる。僕よりも少し幼い、高校生くらいの少年が僕を見上げた。

「……はい」

確かに昨日は飲み会だった。

「いや、懐かしいな思って。人間に酒を飲ませ倒して清澄させてた頃」

少年は遠い目をして呟く。酒飲んでいいのか見た目未成年。……いいんだろうけど、何気に物騒だなあ。

「あの頃はほんまに華やかやったわ。人間狩ったり狩られたり……あー!でももうあいつらと遊ばれへん!魔術戦も邪神ごっこもでけへん!いあいあはすたー!」

顔がほんのり赤い。完全に酔っ払いだ。部屋の隅で何かが動いている。勢いあまって何か呼び出しやがった。

「……水、飲みますか?」
「うん」

僕は流しに向かった。コップに水道水を注ぎ込む。夜の流しは暗い。
こんな時は彼と出会った日のことを思い出す。実家の暗い蔵の長持の中で彼は眠っていた。やりたい放題、わがまま放題の彼に振り回される日々が始まった。なんでそんな場所で寝ていたのかとか聞きたいことは山ほどあったが、どれも聞けていないことばかりだったが。

「くかー」
「…………」

彼はソファの上で寝ていた。隅で動いていた物の気配はもうない。
彼はここに来てから一度もあの長持の中で寝ていない。古いあの長持はここでも埃を被っている。ソファの方が寝心地が良いのは分かるが。

「こんなとこで寝ると風邪引きますよ」

僕は彼を脇に抱えると寝室に行った。冷たい体は抱えていると少し気持ち良かった。



ハイテンション吸血鬼市丸とローテンション世話係イヅル。吸血鬼パロは定期的に書きたくなります。
鬼は人間が本当は好きで、人の側でしか生きられないというのが好きです。

恐怖の風邪っぴき襲来(織姫とギン)

「はい?」
「せやからそのヘアピンで風邪治らへんの?」

かすれた声が織姫に問い掛ける。
あったことをなかったことにする、それが自分の能力だ。少なくとも彼はそう目の前でふらふらになっている青年はそう解釈しているようだった。

「あー、多分治ると思いますよ」

マクロな視点なら病も細胞に起こる変化だ。怪我と同じ要領で考えればいい。それに断ったらどうなるか分かったものではない。

「そ、ならちゃっちゃと済まそか」

青年、もとい市丸ギンはソファに寝転んだ。その顔にはふらふらであるにも関わらず、へらへらと底の見えない笑顔が浮かんでいる。失敗したら殺す、それを暗に告げているようにも織姫は思えた。

「そ、双天帰盾!私は拒絶する!」

声が震える。薄い陽炎がギンの体から立ち上り、消えていく。
これで殺されない。織姫は胸の中で息を吐いた。

「…………」

だが、グリムジョーの腕を治した時よりも恐ろしかった。もっと取り返しがつかないことをしてしまった。恐怖に織姫は捕われる。ギンの体から陽炎が登る程、織姫の顔は青ざめていく。
そんな織姫の様子を知ってか知らずか、ギンは目を閉じていた。だが、それが織姫には救いだった。細められた笑い切れていない目で見られるのも、鋭そうな目で見られるのも、どちらも今より恐ろしかった。
恐怖に震える織姫を尻目に、ギンの体から立ち上る陽炎は消えた。

「ん……」

ギンは伸びをすると、ソファから勢いよく立ち上がった。そして、腕を何度か回す。

「あーあーあー」

柔らかい声は初対面の時と変わらない。そして、ギンはにやりと笑った。織姫の背筋に冷たい物がはしる。

「おおきに」

ギンはやはり変わらない笑顔だ。そして、ギンは織姫に背を向けた。

「あ、あのっ!」
「なに?」

返事はするが振り向かない。そうされると何も言えなくなってしまう。あまりにもふがいなくて、織姫は服の裾を掴んだ。

「いえ……」
「格好悪いとこ見せたないヤツおるし、基本ボク癒し系好きやから」

ギンは背中を向けたままだった。


風邪引いた時に思ったネタ。全部お見通し、でも胸部しか見てない市丸とまだ何もかもが怖い織姫。アニメだといじめられましたしね。
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