「物語の」

序章:なれそめ









幽霊さんの活動時間の丑三つ時。

たくさんの見えない観客(幽霊)に
恐らく見守られ?ながら、
あたい達の物語はスタートした。

(川沿いの工場と言ったら、
そりゃあもうわんさか居るでしょうね!)











始まりは向こうからの告白。
それはそれは大変驚く事で。
まるで天変地異が起きたみたいだった。

半年以上遅れて入社した会社で、
機械オペレーターしてた正社員の彼。
金髪にシルバーアクセをいっぱい付けてて、
「この人の眼中に自分が入る事は無いな」
って思うくらいの、まったく正反対の人。

そんな印象を持ったまま、更に半年。

今年の冬がようやく終わるって頃、
幽霊さんの活動時間の丑三つ時に、

「もし手が空いてたら、外の喫煙所に来て。」

向こうからの、お呼び出し。









何事かと恐る恐る暗い夜道を歩いて、
勤めてから初めて行く喫煙所に。
(煙草を吸わないから行った事無かったよ)

いつもの格好で煙草を吹かす彼と合流して、
当時問題児だった同僚の男の人の愚痴を
2人でひたすら喋って(笑)

10分くらい経って、さてさてそろそろ、と、
現場に戻るか〜って2人で席を立った時。
「あ、もう1つあって。」って、彼の言葉。

なんだろうと思って次の言葉を待ってみた。
だけどもなかなか彼は言葉を発しなかった。
「ん?ん?」って逆にあたいが前のめりで、
彼に片耳近付けて近寄ってみて、ようやく。

「俺……おれ?…オレ…俺。俺、ね。」

『うん。』

「俺……好きです」

『!?!?(;; 'ω')ファッ!?』

当時、付き合ってる遠距離の彼氏が居て、
"遠距離"って事にモヤモヤし始めた頃に
いいタイミング(?)での向こうからの告白。
それはそれは、大変驚く事で。

まるで天変地異が起きたみたいだった。






そんなきっかけがあって、
紆余曲折を経て、2ヶ月後。

あたい達は晴れてお付き合いする事に。

歳の差13歳。似た者同士のお付き合い。
似た者同士の所為かケンカもするけど、
なんだかんだで仲良しカップル(笑)









そんな今のあたい達のお話。