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【 IF 】幼馴染み:閑話

  〜理想の距離って?〜

理想的な恋人との身長差は…
       【15cm】らしい
―それじゃあ…俺達二人は…?

『へぇ〜…それで?』
「へぇ〜って気にならない?」
気のない返事に那由多は少し
不満そうだ。だって…ねぇ…
『其って男女のカップルの話で
しょ?だからあまり僕らには、
参考にならないかなって…』
「うっ…それはそうかも…しれ
ないけど…」
男男のカップルだもんね…僕ら。
幼馴染みから恋人になるまで…
長かった。でも元々二人で居る
のが当たり前だったから…今も
付き合い方にあまり変化はない
 だから…ね?
『 …僕は… 』「うん?」
立ち止まった僕を不思議そうに
見る那由多の唇を霞める様に
奪う。驚きに眼を見開く那由多
に微笑みを返しながら僕は肩を
引き寄せた。
『君との身長差はこの位が丁度
良いと思うよ?今みたいにキスし
易いし、それに… 』
そっと耳元に顔を寄せ息を吹き
込む様に囁く。

『色々、しやすいでしょ?
あちこち舐めたりするにはね』

チュッ…と、耳に軽くキスを落とし
真っ赤になった那由多から離れ
見つめる。

―何なら、今から試してみる?

ペロリと僕が唇を舐め、手を差し
出せば…熱に潤んだ瞳で僕の
手を取る那由多に笑みが浮かぶ
『さぁ…帰ろう 那由多』

それから手を繋いだ儘、僕らは
家路を急いだ。

僕らの身長差は…大体5cm
でも心の距離は…0cmだよね?


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【 IF 】〜姉弟〜D

【にゃんにゃんにゃん】NL


カーテンの隙間から差し込む朝
日に目が覚める。
『ん…っ おはよう なゆた』
未散も目が覚めたのか、寝起き
特有のかすれた声と共にギュッ
と腕に力が加わりなゆたを抱き
締める。
「おはよう 未散…ごめんっ 
起こしちゃった?」
『いえ…大丈夫で…すが…っ』
不自然に途切れた未散の言葉に
視線を上げると…微妙な表情の
未散が…
「ん?未散 にゃ〜に?…!?!?
 にゃ、にゃんで〜っ!?」
自分の語尾に驚くなゆた。
『気付いてませんか?なゆた…
「へっ!?」頭に黒い獣耳が「は
ぁ〜〜っ!?」生えてますが…』
未散が全部を告げる前に腕の中
から身を翻し、洗面所へ走る
なゆた。
『…朝から元気ですね なゆた
は… 』
論点ズレてますよ…未散さん…

―――――――

『さて…どうしましょうか?
どこか体調に変化等は、有りま
すか?なゆた?な〜ゆ〜たぁ』
遠い目をしたなゆたの前で手を
振る。
「…はっ!?うん!?だ、大丈夫!!
 特ににゃんともにゃい…よぉ
……言葉以外は…っ」
『…みたいですね』
フゥ…とため息が漏れる。
「…未散は?『はい?』未散は
にゃん…ともにゃい…?うぅ」
『どうやら“な”の言葉が変化
する様ですね…えぇ今のところ
特には…』
顔を伏せ、真っ赤になって悶え
る、なゆたに笑顔で答える。
『…会社は無理ですから、連絡
しますね』
電話を掛ける未散をぼんやりと
眺める。用を済ませた未散が
振り向き、なゆたの頭を撫でる
『さて…今日はどうしましょう
ね?折角お休みになった訳です
し…ね?』
優しく微笑まれ、なゆたの表情
も和らぐ。
「ん〜…でも、これだし『では
家でゆっくりしましょうね』
 うんっ!!」 ゴロゴロ…
…と喉が鳴りそうな、なゆたに
未散は眼を細める。
『可愛いですね……にゃゆた』
一瞬沈黙が流れる…口元を押さ
え、未散は自分の頭に触れる。
そこには…
「…黒の獣耳…髪色とおにゃじ
だぁ〜!!」
先程まで泣きそうな顔をしてた
筈のなゆたが、キラキラ…した
視線を此方に寄越す。細めた瞳
のまま…ニッコリと笑う未散に
何故か…冷や汗が流れるなゆた
『…獣耳が生えた訳ですし…
折角ですから“らしい”行動で
も、しましょうか…ね?』
ジリジリ近寄る未散と同じだけ
下がるなゆた。
「…ら、らしい事って…っ!?」
ガシリと腕を掴まれ、未散に
獣耳を食まれる。
「…っん…////『本能のまま…
お互いを貪り合ってみましょう
…か にゃゆた…』…あっ…」
スルリとパジャマの下へ未散の
手が滑り込む。

『さぁ…楽しみましょうね』
          終われ
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【 IF 】〜姉弟〜C

【 IF 】〜姉弟〜B

  〜哀しみの夜明け〜

悪夢の様な金曜の夜が明け…
私は躯をベッドに預けたまま、
ぼんやりと天井を眺めていた…

『…那由多 』
するりと頬を撫でる指先と私を
呼ぶ、声。
『おはよう 那由多… 気分は
どう? 病院の導眠剤使ったか
ら、大丈夫だと思うけど…薬に
慣れてないんだね 其とも疲れてたのかな?』
―先生って、大変だもんね…
クスクス…笑いながら、軽く唇を
啄む。
「……て…」『…ん?なに?』
小さく那由多の唇が呟く。瞳を
覗き込み、再度問うと…水の膜
が張った瞳が未散を見つめる。
「どぉ…て こんな事、を…」
瞬きに合わせてはらはらと溢れ
落ちる雫。未散はそれに唇を
寄せ、舐め上げる。
『昨日伝えた筈だよ?忘れちゃ
ったのかな? 僕は…那由多が
好きだ 愛してる…例え血が
繋ってようと…姉弟だろうと…
どんなに世間から蔑まれようと
この気持ちは絶対変わらない…

ふふふ…大丈夫だよ 那由多が
理解するまで今日もじっくり、
教えてあげるから…僕の想いの
大きさを、心にも…躯にも…』

覆い被さってくる男の顔をした
弟に私は…ただ、涙を流すしか
なかった…
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