祈りと願いを川に…


何処からともなく聞こえてくる歌を耳で聞きながら
リンは、灯籠手にして川にいた。
7月7日は七夕。笹に願い事を書いて……という行事が一般的のもの…しかし裏には…

死んだ者達に、どうか安らかにと願いを込めて魂を星に返す…と、言う意味も持つ…
だから、短冊や飾りのついた笹を川に流すのもこの意味から来ている。

リンは、手に持つ灯籠を優しく見つめ川に流した。
今日は、サムスやピーチ達が作ってくれた浴衣だから、濡らさないように、そっと…

そして、流れてゆく灯籠をじっと見つめた

いずれ来る自分の終わり…
あの灯籠のように、誰にも見られる事なく…果てるのだろう……

「リン…」

声が掛かり、そちらを見ると自分の兄…的存在の人物がいた

「魂の送り火ですか…」
「ハイラルの場合は、妖精球だけどね」
「そうですね」
「僕ね。こっちの願い事を書いて……っていうのも好きだよ……けど…魂の送りも…好き…」

リンは兄…リンクの元まで行くとそこから、小さくなっていくほのかな光をみつめた

「………そうですね…こういう日も良いですね」
「うん」


いずれは消え行く命
この鼓動が消えるまで……

この地で…





後書き
リンとリンクはしんみりと…
ちなみに、魂を送るというのは本当です。
笹を川に流すのも、伝統であったりします