繰々⇔風見鶏

「クロモド先生、雪降らせてー！」


元気よく少女が叫ぶと、名指しされた青年はやたらと不機嫌そうな顔を浮かべる。


「雪を降らせてくれ…？私の魔法はそんな事に使うものじゃない」


キッパリと断られた少女はケチだのなんだのと文句を口にするが、聞く耳もたずで彼は背中を向けた。
その一部始終を見ていたソーマは、苦笑しながら青年の傍に寄って。


「でも…クリスマスに雪って、見たいですよね」


そう呟いてから、何かを訴えるようにじっと見詰める。
こんな子供みたいな態度は珍しく思いながら、その瞳がやけに輝いているように感じてしまい。
それだけで折れてしまいそうになる自分に呆れつつ頭をがしがしと掻いて、深い溜め息を長々と吐いた。


「…一分だけだからな」


何かを唱えて腕を天に伸ばすとひらひらと雪が舞い降り始め、次第に数が増えていって。
さすが先生！と叫ぶ少女に続いて、仲間たちも歓声を上げていく。


「やれやれ、全く…」


雪ごときで、とはしゃぐ面々に再び溜め息を吐き出した。
しかし満更ではなさそうな表情に変わっていくのが分かり、少年はふわりと微笑んで。


「メリークリスマス、クロモドさん」


愛しい人に祝福の言葉を贈りながら、頬に密やかな口付けをする。
それに軽く目を丸くさせながらもお返しにと口付け、彼に微笑みを向けた。



遠征隊で始めて過ごした聖なる夜は、誰の胸にも温かくに刻まれる事だろう。









Happy Merry Christmas!!



















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編集してたら１時間どころか３０分もなくなった←
という事で短いですがクリスマスネタでした！
元旦ネタは多分無理、そしてクリスマスの実録漫画描きたいうずうず。

いつもご来訪頂いている皆様にHappy Merry Christmas☆