2011-3-28 19:31
最初に紗衣が手紙を受け取ってからもうすぐ一時間が経過しようとしていた。
何時までも通路で屯しているわけにもいかず、とある廃墟と化した教会跡へと移動した。
現在、紗衣と和真が残り3人、壱都と央実が4人のノルマが課せられている。
「この調子で行ったら時間ギリギリっぽいよね。よしみんな、ペースアップするわよ、気合入れてこ。ファイオー!」
紗衣は片腕を振り上げてみたものの、全員が彼女を凝視するだけだった。
「いやぁぁ! 何この羞恥プレイ、ノリ悪過ぎる……っ!」
「いきなりキャラにない事言い出すから、それも呪いかと思ってビビッたっての」
「つーかペースアップするも何も、自分から人の居ないとこ行こうって言い出したんだろ」
「だって目立つのよ、このメンバー」
和真は何気なく一部の人達に名の知れ渡っている人で、壱都は否応なく人目を集める容姿をしているし、そしてそんな二人とは明らかにつるみそうもない中学生の央実と、たった一人の女である紗衣。
何だあの集まりはと、誰しもが見て通るだろう。半数以上は不審の目で。
かと言って何時までもここにこうしていても時間を浪費するだけだ。
どうしたものかと頭を抱える紗衣に、ノラが一つ頷いて口を開いた。
「1つ言ってなかったのですが――」
「ああ? ふざんけんな、クソが!」
ノラが言い終わる前に和真が少年を殴る。
軽くなのだが、華奢な身体は思い切りよろけた。
「まだ内容言ってないのに何で殴るんですか!」
「何か隠してたってのが気にいらねぇ、ような感じがしなくもなかった」
「そんな曖昧な理由で僕クソ呼ばわりされたの!?」
「最近の若者はキレやすい」
報道番組などで使い古されたようなフレーズで締めた壱都に、ノラはそれ以上食い下がる勢いを削がれた。
ノラの代わりに「キレたんじゃねぇだろ」と呟いたのは央実だった。
「そんで? 何言いかけてたの?」
「え? ああそうでした。1つ言って無かったのは、その手紙を渡すのは誰でも良いというわけではないんです。ある一定の条件を満たした人でなければ、手紙を手にしたところで僕は見えない。それでは駄目なんですよ」
「お前何様だチキン野郎!」
和真が今度は平手打ちを食らわせた。
「さっきから何なのこの人!?」
「チキン野郎ってあれでしょ、まだカーネル引きずってるでしょ」
「ほんとに鶏って意味だったんだ」
そして他の全員がノラを労わる仕草さえ見せない。
※※※
おおお、最後の部分をアップし忘れておりました。
そしてここでユウは力尽きました。
この後、じゃあもう条件に合う人を召喚しちゃおうZEとか和真が無茶言い出し。
見よう見真似で魔法陣を、(たまたま壱都が持っていた)チョークで書き。
エロイムエッサイム的な呪文を出鱈目で唱え
おどろおどろしく魔法陣から出てきたのがアスだったっていう。
しかもよく見たらアスの頭上にも死の宣告印があって、何の解決にもならなかったとか。
その辺までは脳内にありましたが、それ以上先はもう分かりません。行き当たりばったりだから☆