メキシコ麻薬戦争 2006年12月に発足したメキシコのカルデロン政権は、米国の支援を受けて、米国に麻薬を密輸する犯罪組織の壊滅作戦を、軍を投入して行った。米国という世界最大の麻薬市場から入る豊富な資金を持つ組織側は、対抗して米国から銃器を入手し「軍隊並み」の強力な武装化を進めた。犯罪集団は分裂と抗争を続けながら全土に展開。有り余る武器を使い誘拐、殺人、強盗などあらゆる犯罪に手を出すようになった。死者数25万人、行方不明者4万人近いといわれるが、遺族の沈黙や、組織とつながる当局の隠蔽(いんぺい)で、実態は分かっていない。