※気持ち悪い※




















人間にとっては広大すぎるその涼やかな大空を、優雅に泳ぐ彼らがなぜ無機質なアスファルトで小さな命を落とさねばならないのだろう。
どんなに理不尽な死であっても、最期はやはり大地に受け止められるべきだ。
剥き出しの地面まであと数cmのところで絶命してしまった小さな体躯を、私は血にまみれることも厭わずにすくい上げた。

「私、鳥って好きよ」

生暖かい死体に口付けて、苦い血液をそっと啜って、気持ち悪くて吐き出したくてたまらないのにそれでも美しい翼に酔いしれて、片手で乱暴に握り締めて事足りる小鳥を剥き出しの地面へ叩きつける。

あの子は空に突き放された。
イカロスさながら、高く高く飛び上がりすぎた。
人間には決して届かない大空で有り余る自由を貪るくせに欲を出した。
最低ラインを泳げばよかったのにね。

「ねぇ、私、鳥が好きなのよ」










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言ってることとやってることが矛盾してる子の頭を撫で回したくて仕方ないです
脱・スランプの練習落書き