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人の夢、それは儚き


きつく蓋を閉め。
封じ込めていた思いが悲鳴をあげる。
ここから出せと。
偽るなと。
自分に向かって悲鳴を叫ぶ。


どうも、歩方和言です。
なんといいますか……今、ものすごく精神が不安定です。落ち着いているのに落ち着かない、冷静なのに冷静じゃない、そんな矛盾が胸の奥でざわついている心地です。

理由はわかっているんですよね。嫌というほどに、わかりきっているんです。
でも、わかっていたところでどうしようもないんです。
そのどうしようもないってことさえわかりきっているので……本当に、心地が悪い。

未練か。
後悔か。
切望か。
執着か。
もしくはただ羨ましいだけなのか。

おそらくはきっと、その全てなんでしょうね。

遠い昔に封じ込めた思い。
捨ててしまった思い。
諦めた思い。

それが再び燻りだして心を乱す。
……なんてどうしようもない。

また封じ込めなければ。
また捨ててしまわなければ。
また諦めなければ。

今度こそ本当に。


……意味がわからないですよね。
すいません。
今日はこの辺で失礼します。

偽善者の独白〈半端者の酷白〉


生きる以上、生きていく以上、後悔しないなんてことはありえない。どれだけ幸福に生きたとしても、どれだけ不幸に生きたとしても、どれだけ平凡に生きたとしても、人は必ずどこかで何かを後悔する。
出逢。
別離。
勝利。
敗北。
約束。
裏切。
傍観。
諦観。
放棄。
廃棄。
取得。
獲得。
希望。
展望。
そして夢。
生きるとはすなわち選択である。自分が歩く道を自身が決め、または他人が決め、立ち止まり、後退し、前進する。選んだ道を歩き、選ばなかった道を塞ぐ。それが、生きる、ということなのだ。
ゆえに人は後悔する。
どうして選んでしまったのか、どうして選ばなかったのか。出口もなければ入口もない迷路に彷徨い、行き詰る。後悔は必然で、当然で、自然な思いだ。
後悔しない過去はない。
後悔しない現在はない。
後悔しない未来はない。
後悔しない人生はない。
だからこそ人は、どれだけ後悔を少なくして生きるか、そしてどれだけ後悔を誇らしき想い出にするかを考えなければいけない。大切な場所、大切な記憶、大切な存在、大切な世界があるなら、尚更に。

無様でも、滑稽でも、情けなくても、格好悪くても、身勝手でもいい。大切な場所があるなら、大切な記憶があるなら、大切な存在があるなら、大切な世界があるなら、大切な夢があるならそれを守りぬけ。貫き通せ。
嘲笑されようとも。
罵倒されようとも。
非難されようとも。

自分が大切に思う何かが、自分を大切に思ってくれる――認めてくれる誰かがいることをけして忘れるな。

嘲笑されたならそれを上回る拍手を贈ろう。
罵倒されたならそれを上回る喝采を贈ろう。
非難されたならそれを上回る激励を贈ろう。

けして忘れるな。
自分が大切に思う何かが背中を押していることを。
自分を大切に思ってくれる誰かが弱さも強さもひっくるめて認め続けていることを。
無様でも、滑稽でも、情けなくても、格好悪くても、身勝手でもいい。


精一杯、足掻きながらも進んでみろ。


その足掻きは、その頑張った軌跡は無駄じゃないから。
とても尊く誇らしい、素晴らしきものだから。
認めてくれる誰かがいるのだから。


.

鈍感な笑み


笑わなきゃいけないから笑い。
悲しまなきゃいけないから悲しみ。
そこに心はなくて。
それがひどく虚しくて。
いつから、こんなに鈍くなったんだろう。


どうも、歩方和言です。
ようやくテストが終わりました。いやまあ、終わったのは木曜日なんですけど、その後すぐに先輩たちから拉致……じゃなくて飲み会に強制召還されたので、昨日までほとんど屍状態でした。毎回思うんですが、完徹カラオケは喉と精神に大ダメージなんでそろそろやめません?切実に思うんです。

しかしああいった場に出るのはどうも辛いです。なんていうか……凄く場違いな気がして、妙に虚しさが込み上げてくるんです。これが水無月や四恩、自由人とだったらそんな思いは欠片も生まれないし、徹夜だろうとなんだろうと全く構わないのに。……はあ。


ま、それはともかく。
テストというテスト、レポートというレポートから解放されたので、これからようやく小説を書くことができます。
神月さまへの相互小説にクラワルの最新話とやることは山積みですが……がんばります。

それでは今日はこの辺で。

プラウド・クライン



 血の臭い。
 硝煙の臭い。
 血と硝煙の混じり合った臭い。
 肺が汚されていくようだ。
 肺が洗われていくようだ。
 ああ。
 ボクは生きてる。
 改めて、そう感じた。


【プラウド・クライン】


 これでボクの役割は終わった。しかし、ボクの役割が終わっても、イコール、ボクの仕事が終わったことにはならない。すぐさま銃口を残ったもう一人に向ける。倒れていく敵を、チープな映画を鑑賞するように、ダラダラと眺めていたところで時間の無駄だ。
 敵を殺したら次の敵を。
 次を殺したら次の次を。
 自分に殺意を放つ全てのマーダを死体に変え、そこでようやく銃を下ろすべきだ。
 トリガに力を込めた。が、それは果てしなく無意味だと悟る。
 敵はもう、どこにもいない。敵だった連中は、二人とも頭から血を吐き出し、床に崩れ落ちていた。
 ここにはボクたちだけがいて、二つの死体だけがある。
 それだけで。
 それだけだ。
「眉間を一発か」
 悪戯に銃を弄びながら、サカキさんは感心したように笑う。
「やるじゃん」
「ファンブルこそ流石です」
「ベテランのオレと、ビギナのオマエとじゃ、凄さの重みが違うだろ」
「相手が死ねば同じでしょう」
「夢のねえ考えだ」
「マーダに夢なんてありません」
「そりゃごもっとも」
 また、笑う。ボクは本当のことを言っただけで、どうしてそう、気軽な冗談を聞いたかのように笑えるのだろう。これではまるで、マーダじゃないみたいだ。馬鹿馬鹿しい。ボクも、そしてサカキさんも、マーダなのに。
 備え付けられた監視カメラが目に入る。まるで銃口のように光るレンズの奥が、微かに人の陰鬱な臭いを撒き散らしていた。衝動のままに撃ち壊してやれば、この胸を掻き毟る泥臭さも消し飛んでくれるかもしれない。
「余計なことは考えるなよ」
 そこでようやく、ボクはトリガに指がかかっていることに気付く。
「誰でも最初は思うんだ。オレも思ったし、ウチの連中は多分、一人を除いて全員が思った」
「今は?」
「……先を急ごう」
 サカキさんは言った。
 口元の笑みは絶やさずに。
 目の奥の笑みだけを消して。
「きっと、アイツが待ちくたびれてる」
「あいつ?」
「我らがエース様だよ」
 我らがエース様、と言われても、昨夜に配属されたばかりのボクには、エースが誰なのかわからない。しかし、予感があった。確信とも言える、脳をチクチクと啄ばまれるような、そんな感覚が。
 そしてその予感、確信は、ものの見事に的中した。


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『andante』第五話


第五話『heart warm rainy』


 昔から雨は嫌いだった。
 まとわりつく湿気は気持ちのいいものではないし、何より雨粒の冷たさが嫌いだった。傘を差しても感じる、あの凍るような冷たさが、どうしても好きになれなかった。
 今でも、それは変わらない。

「先輩、濡れますからもう少しこっちに寄ってください」
「うっうん」

 どこか裏返った声でそう言うと、先輩は本当に少しだけこちらに近寄った。なんとなく顔が赤く見えるけど……もしや風邪をひいてきたのだろうか?

「………………」

 気付かれないようにそっと右に傘を傾かせる。必然的に左の肩は雨粒に打たれ始めたが、先輩が濡れるよりずっといい。
 しとりしとりと雨の降り注ぐ帰り道。
 俺は通学路の途中にある、レトロな佇まいをした喫茶店の軒先で雨宿りしている彼女を見つけた。最初に会った頃からうっかりを連発していた先輩は、今日もまたうっかり傘を忘れ、急に降り出した雨が止むのを待っていたらしい。
 いつもの俺だったら、絶対に見て見ない振りをしていたと思う。
 でも、止む気配のない雨を待ち続ける、そんな先輩だけは――どうしても放って置けなくて。

『一緒に帰りませんか?』

 自然と口がそう呟いた。
 そして現在、俺と先輩は一人用の小さな傘の下、二人並んで歩いている。
 どこかぎこちなく、なのに心地よい時間。
 雨の冷たさをはね除ける胸の奥の温かさ。

「………………」

 昔から雨は嫌いだった。
 今でも、それは変わらない。
 だけど――

「……先輩は不思議な人ですね」
「え?そっそうかな?」
「そうですよ」

 湿気はやはりまとわりつき。
 雨粒は変わらず冷たいのに。
 貴女が横にいる――たったそれだけのことで。
 嫌いだった雨が、こんなにも好きに思えるのだから。


(家に着くまで雨が止まないでほしい。何故かわからないけれど、そう思った)


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