※バカップル警報発令
少し時間軸を飛ばした獅子と雲の話。
「結婚しようか」
事を終え、ベッドでまどろんでいる最中の、突然のプロポーズ。
クラウドは抱き締めている相手を不思議そうに見上げた。
「構わないが…… 何故?」
「聞くところは、そこなのか」
美しい碧色を見つめながら、レオンは苦笑する。
だって とクラウドは広い胸板に擦り寄りながら続けた。
「今更だろ?」
「まぁ、な」
改めて形式上の確約にしなくても、ずっと一緒にいるであろうことは、お互い暗黙の内にわかっていたから。
「何で今なんだ?」
「……実は、スコールから許しが出た」
へぇ とクラウドは面白そうにレオンを見つめる。
ただし とレオンは芝居染みた仕草で首をすくめた。
「条件付きだ」
「どんな?」
「"頼むから、新婚生活は俺がいない間に済ませておいてくれ"」
「成程な」
くつくつとクラウドは笑う。
晴れてSeeDになったスコールは、3年間実家を離れ、寮で生活をすることになっていた。
「3年で足りるか?」
「無理だろうな」
「俺もそう思う」
じゃれあいながら、いくつもの軽いキスを交わしていく。
元々約束がなくとも共にあるつもりだったのだ。
落ち着けと言われても、できるはずがない。
「クラウド」
頬をその手で包み込み、覆いかぶさったレオンは言う。
「俺と結婚してくれ」
「――ん。俺からも一つ条件がある」
「何だ?」
「――アマラのこと、大切にしてやってくれ」
たった二人きりの兄弟で、家族だ。
レオンとは別の意味で離れられないし、愛している。
当たり前だ とレオンは笑った。
「もう、弟のように思ってるさ」
「結婚したら、ホントに義弟になるな」
「クラウドも、スコールのこと、大切にしてくれ」
「さぁ? それは了承しかねるな」
「ひどいな」
「俺にはレオンひとりで手一杯だ」
そう言い合いながらも、二人は笑ったまま、深くキスを交わした。