隣を当然の立ち位置とする「これ」。常日頃とまではいかないにしろーー寧ろ物理的要素などなくーー私の傍に在る。そう感じる。
許可も受諾も必要としない。私に対するおびえもない。なんだ、「これ」は。不可解な生き物だった。およそ人を相手取っている気がしない。
それでも、成り立ったものを今更突き崩す気にもなれないでいる。挙動を眺めているとこう、背筋が寒いような、腸が腹に収まり切らないような、兎に角落ち着かない。

触れたい、撫でたい、こういうのを何だと言ったか。