※拙い小説です。
※ある程度書いたら、iらんどにも公開いたします。
※ジャンルはSFファンタジーもどきです。
よろしくお願い致します。
先月事故に遭い、入院を余儀なくされた私、和田 良子【わだ りょうこ】は、今日やっと学校に戻って来た。
久方に来た学校の空気を存分に肺に満たし、懐かしの教室へ……!
「お早うみんなー」
戸を開けて挨拶を飛ばすと。
「お早う!」
「和田さん退院したの? おめでとーう!」
と、友人達からあたたかな言葉が返って来た。
私の席は一番後ろ。
出席番号のまま並んだ席。
馴染みのある自分の机に向かうと、馴染みの無い物が目に入った。
入院前には無かった……左隣に机が有る。
しかも見慣れない女子が座っていて、彼女は少年漫画を読みながら涙を流していた。
(な、何よこの子……学校に漫画持ち込んで、堂々と読んでる?)
泣きながら漫画にかじりつく彼女を見ながら固まる私を見て、友達が笑う。
「良子は知らないよね、良子が入院してる間に転校して来た子、相尾さん」
「あ、あいお?」
変わった名字だな……と、考えながら視線を相尾さんに移すと、彼女は漫画を閉じてコチラを見ていた。
まだ涙に濡れた目で、真っ直ぐ見ている。
白い肌にストレートの髪。
赤いバレッタで留められた髪は綺麗な黒をしている。
長いまつ毛に、猫の様な目をしていて、綺麗だと感じた。
彼女が自分と同じ中学生だなんて、信じられない。
神様は残酷だ。
相尾さんは涙を拭って、立ち上がった。
そして片手を私に差し出す。
握手を求めている様だ。
「私は相尾 絵理【あいお えり】、友よ、今日から宜しく頼む!」
かなりの真顔で、相尾さんは言った。
「え、はい、和田 良子です、よろしく」
適当な言葉が選べずに、取り敢えずの挨拶を返し、彼女の手を握る。
唖然としている私の手を強く握り返し、彼女はふっと笑った。
「良い手をしているな……きっと君は、私を超える戦士になるだろう」
……何を言ってるのか、さっぱり分からない。
ぽかーんとアホ面になる私に友人が困ったような笑顔を見せた。
「相尾さんったら『自分は未来から来た』とか『一年後に宇宙から侵略者が来る』とか言ってるんだよー」
明らかに信じていない口調の友人。
私だって信じない。
「なっ、私は真面目にだな!」
「はいはい、相尾さんは未来から来て、戦士を育てる役目なのよねー」
笑いながら友人は相尾さんを受け流す。
ついて行けない私だったが、取り敢えず学校復帰はできた一日だった。
続く