『なかなか美味しいな♪』
ある日の事
戦もなく暇な神威は縁側でのんびりしていたのだが小腹が空き持参していたパンを食べていた
それは己の斬魂刀からの情報で購入したこの世界の武将の印刷が入ったもの
戦国時代に合わない袋の音をガサガサさせていると…
「神威殿、何をしているでござるか?」
『幸村か(笑)ちょっと小腹が空いたからパン食べてた♪』
「…ぱん??」
『食べてみるか?美味しいよ』
興味を持つ幸村に神威は苦笑いをしながら新しいパンを渡した
「Σなっ!?なんでござるかっ!?政宗殿がこんな所にっ」
『あぁ〜そういうデザイン…つってもわからないかι私の世界で人気のある武将だからね(苦笑)幸村のもあるんだよ』
「なんと!某もそのぱんとやらになっているでござるか」
『パンになっているんじゃなくて…ιまぁいいや食べてごらん』
開けてあげると早速幸村は一口かじってみた
「Σっ!!」
『どっ…どうしたのι』
もきゅもきゅと飲み込みと幸村が固まった
その視線はパンに釘付けの状態だ
「美味でござるうぅぅぅぅぅぅぅぅ〜っ!!」
キ――ン
『お…oh〜』
不意討ちの声量にクラリときたが耐えてる間に幸村はパンをペロリと平らげた
味が気に入ったのか幸村にまだないのかねだられたのはいうまでもない
「神威ちゃん何作ってんの?」
『見てわからないか?鯉のぼりだよ!!』
縁側で色とりどりの布をこれでもかという程広げ作業を没頭していた神威
そこへ任務帰りで通りかかった佐助に訪ねられ裁ち鋏を手に答えた
「鯉のぼり…?これが?」
佐助出なくてもそれが鯉のぼりと言えない物である事がわかる筈だ
全て赤を基調とした物なのだが…
「…これって大将だよねι真田の旦那もいるし…」
『ただ鯉のぼりを上げるだけじゃつまらないだろ(笑)だからここで俺のアレンジを加えてだな…』
「いや、おかしいでょコレ!?もう鯉のぼりですらないよね!?」
『心配するな!!きちんと佐助の分もあるぞ!!』
神威が取り出したのは佐助を模した物でそれと一緒に狐の面をした己の分身とも言える物まである
「もういいや…俺様何も言わないorz」
『何してんだ?佐助もやる事あるんだぞ!!』
「はいはい…で?俺様何すればいいのさ」
『柏餅を作ってくれたまえ!!こどもの日と言えば鯉のぼりに五月人形、そして柏餅だな!!…そうだ、肝心のお茶を忘れていた。松永に頼もうか』
「何この人!?もう俺様着いていけない!!」
カラカラと笑い本来なら武田軍だけの予定が大事になり宴会騒ぎになったのは言うまでもない
**********************
【む、わしの兜はどこいった!?】
【あ、スンマセンお館様。この間の宴会ん時に五月人形代わりに使いました(笑)】
ドドドドドドオォ…
ズサササ〜っ!!
【見てくだされ!!お館様!!お揃いでござる!!】
【ぶわあぁ〜〜っかも〜〜〜ん!!】
【Σふべらっ!?】
『こうも立て続けだとウザくなってくるな…(溜息)』
背後に気を向ければほんの少しだが困惑気味の気配がする
それは自分がナルトの兄だと発言してからずっと付きまとう気配で初めは気にしていなかった蜜柑だがこうも毎日毎日続くと嫌になってくる
―にゃ〜♪…
足元には一匹の黒猫
かまってほしいのか足にすりよってきた所を抱き上げた
「今日もつけられておるのか」
『まぁ…ね(苦笑)ずっと守ってきた人物にいきなり兄ができたとなりゃあぁもなるさ』
「ふむ、それもわからなくもないがこうも続くと蜜柑も疲れるじゃろ」
ちとからかってやるか…と腕をすり抜けた黒猫―夜一が気配のする方へ行ってしまった
『あんまりからかいすぎるなよ〜(笑)』
蜜柑の声に尻尾を振り答えてるのを見ながら気配の主にそっと心の中で手を合わせた
その日、任務で集まった第7班の前に現れた担当上忍の顔には引っ掛かれた傷があったとかないとか…
―や〜諸君おはよう
―カカシ先生ってば遅いってばよっ!!
―いや〜今日は通りすがりの黒猫に襲われてな…(遠目)
―((???))