満月なんて・・・ 10

「え、ここ何?」


「知らないの?昔ながらの温泉街には結構あるよ」

「そんなに色んな所行ってるの?」

「温泉は好きだし、半日休みとか次の日休みってなったら
ブラっと行くかな」

「ふーん・・・」

「なに?」

「意外に古風だなーと思って」

「だから言ってるじゃんアイドルはしたくなかったって」

「なるほど、じゃーなにしたかったの」

「私の話聞いてないでしょ」

「ごめん・・・」


「お芝居の仕事、舞台とかドラマとか
その人になりきるっていうのは
違う人生を生きてるみたいでワクワクするんだ」


結構真面目なんだ(бвб)


「へんかな」

「ううん、やりたいことがあるって良いことだと思うよ」

「陽菜だってあるじゃん」

「無いよ」

「おばあさんのお店続けたいんでしょ」

「それはやりたいことと言うか・・・・・
前にも言ったけどお店が無くなったら陽菜の居場所
と言うか生きてきた証が無くなりそうで怖いからかな」

「私がいるじゃん(-∀-`) 」

「え?」

「これからは陽菜の隣には私がいるよ
恋人にもなったしね(-∀-`) 」


恋人にはなってないけど


「それは・・・・無理だよ」

「どうして無理なの?
私、陽菜の事が好きだよ」

「多分それは勘違いだと思う
アイドルの世界から逃げ出したくて
私を好きだと思い込もうとすることで現実逃避をしてるんだよ
今まで生きてきた世界が違う人間を
いきなり好きになるわけないでしょ
きっと・・・・陽菜に甘えてるだけ」

「違う!違うよどうしてわかってくれないの
こんなに人を好きになった事無いのに
アイドルが人を好きになったらいけないの
恋したらダメなの!?」

「片思いならいいんだよね?
だから恋人にはなれない・・・・」

「くっう・・・・じゃーやめる
こんな仕事辞めてやる!」

「そんな事しても陽菜は優ちゃんの物にはならないから・・・」


(ねえ、あれ大島優子じゃない?)
(え、ホントだ似てる隣の人誰かな)
(マネージャーとかじゃない?)
(そうかな、喧嘩してるように見えるけど)


「ひとみ、もう旅館もどろ」


聞こえるように少し大きめに言って優子の腕をつかみ
旅館への道を戻るように歩く


「まだ戻んない!行きたい場所が(汗)」

「駄目、バレそうなんだから早く戻んなきゃ」

「私はバレたっていいんだから離してよ」

「いい加減にして!そういう所が子供だっていってるの(怒)」


つい、声を荒げて叱ってしまった


「つっ・・・・・・」


途端に勢いがなくなり陽菜に腕を引かれ
項垂れたまま旅館へ


「お帰りなさいませ・・・・何かありましたか?」

「いえ、大丈夫です」


それだけ言って自分たちの部屋へ戻った

満月なんて・・・ 9

アイドルなのに部屋の中で服をポイポイと脱ぎ散らかし
全部脱ぐと露天風呂の方へ出て行った

それを拾い集め脱衣所まで持っていく陽菜はお母さんみたい(笑)

そうだバスタオル・・・


壁の開きを開けると可愛い浴衣とバスタオルが置いてあった

浴衣きるかな?


「優ちゃん、この後何処かへ行く?」

「どっちでもいいよ、て言うか早く入っておいでよ」

「上がったら浴衣きる?」

「そうだね、浴衣にしよう♪」


何故か嬉しそうに返事を返してきた
いい事でもあったのかな


浴衣とバスタオルを脱衣所へ持っていき
陽菜も脱いでタオルで前を隠して入る


「遅いから大島さん湯でタコになっちゃうじゃんかぁー」

「先に出ればいいでしょ」

「一緒に浸かりたいの!」


だったら外に出て待ってればいいのに
ずっと浸かってるから熱いんじゃん(笑)


「先に洗うから出ておいでよ」

「わかった」


ザパーと勢いよく立ち上がり
こっちに向かってくるんだけど
どこも隠そうとしないから全部丸見えで・・・

アイドルとは思えないような引き締まったからだ
お腹だって割れてるし
手も足も筋肉ついてるし
胸に至っては身長に似つかわしくない大きさ・・・


「そんなにガン見されたら
いくら私でも恥ずかしいって(;´-∀-)」


「あ、ごめんつい」

「私のを見たんだから陽菜も見せてよ」

「わざわざ見せるほどでもないから(汗)」


椅子に座り背を向けた


「チェッ」


そう言いながら隣の椅子に座ってくる

あ、そう言えば化粧品とか何も持ってきてないんだった(汗)


据え置きしてあるここの商品を使う事に


「え、これって結構いいやつ」

「あ、ここに置いてあるのは私のなの
いつも来るって言ったら置いておいてくれるんだ」


そうだったんだ・・・


洗い終え露天風呂へ


「はぁ・・・・気持ちいい(бвб) 」

「でしょ、お湯の温度も効能もお気に入りなんだ(-∀-`) 」

「どうやってここを知ったの?」


「たまたまここの町でロケがあってさ
見に来ていた女の人と仲良くなって
旅館してるって聞いたから泊めてもらったら気にいっちゃって
それからの付き合いかな」

「良く来るんだ」

「疲れた時とかは当たり前だけど
嫌なこととか悩んだりとかいろんなことがあった時も来るかな
だから日帰りも含めて月に三・四回は来てるんだけど
今月はツアーで来れてなかったから今日来れてよかったよ」


東京から二時間かからないから近い方なのかな?
でも毎回タクシーで来てたらお金凄くかかるよね?

あ、金銭感覚が違うから勿体なくないのか・・・・

そう思ったら価値観とか違いすぎで
やっぱり一緒には暮らせないかも


「またネガティブな事考えてるでしょ」

「そんなこと・・・ないけど・・・」

「陽菜はすぐ顔に出るから分かるもん」

「優ちゃんだってすぐ顔に出るじゃん」

「私は女優になるために喜怒哀楽を大げさに表してるだけ!」


ホントかなぁ・・・・


「あぁぁぁ!!疑ってるでしょ」

「わざとじゃなくて性格だと思うよ」

「それも少しはあるけど、より大げさにしてるの!」

「はいはい」

「もう、少しお姉さんだからって子供扱いしないでよね」

「わかってるから(笑)
そろそろ出ようのぼせてきちゃった」

「また夜に入ろうね
ここから見える星空がすごくきれいだから
陽菜に見せてあげたい」


「わかった(бвб) 」


温泉から上がり二人共浴衣を着てまったりしていたら
昼食の御膳を持って仲居さんと女将さんが自ら運んできてくれた

「美味しそう(бвб)」

「陽菜もこういうの作れるの?」

「お連れ様は料理人なのですか?」

「私の祖母が小料理屋を長年していました」

「過去形ということは・・・」

「はい、先日亡くなり喪が開けたばかりです」

「そうでしたか
ゆっくり癒やしてくださいね」

「ありがとうございます」


「なんかすごい、大人の会話してる」

「大人だからね(бвб)」

「ちぇっ、どうせ私は子供ですよ」

「成人してるんでしょ(笑)」

「私達からしたら子供ですものね(笑)」

「女将は熟女(-∀-`)」

「嬉しいですわ
終わりましたらお電話ください
それではごゆるりと」


頭を下げ部屋を出ていった


お昼から上げ膳据え膳とか贅沢、いつ以来だろう
務めてる時の社員旅行かな


おいしい食事を終え片付けてもらいまたウックリ中



「やっぱお昼からいると暇だよね」

「そうだね」

「散歩行こうよ陽菜に見せたい場所があるんだ」

「いいけどバレタラ困るんじゃないの?」

「すっぴんだしバレないでしょ」

「全然バレると思うよ、ほとんど変わんないもん」

「そうかな・・じゃーサングラスかける」

「浴衣にサングラス掛けたら余計に目立つ」

「それじゃーこれは?」


カバンから眼鏡ケースを出してきてかけて見せて来た


「うーん・・・それなら大丈夫かも
目、悪かったんだ」

「いつもはコンタクトしてるから」


そう言ってコンタクトを外し髪は頭の上でお団子にしてる


「そうしてると子供みたい」

「こうしてなくても中学生と間違えたのはどなたですか(怒)」

「だってどう見ても大人には見えなかったんだもん(бвб) 」

「アイドルの時はそれでいいけど普段は嫌だな」

「なかなか切り替えるの難しいよね
それにファンにバレた時のギャップも少ないほうが良いし」

「そうなんだよね〜今はすぐ写真取られて
あっという間に出回るから困る」


アイドルも大変なんだね(бвб)

満月なんて・・・ 8

「お客さん、着きましたよ」


運転手さんの声に起こされた


・・・・・陽菜も寝ちゃってたみたい

料金メーターが目に入り・・・・

こんなタクシー料金初めて見たし
今、財布にもそんなにはいってない
どうしようか迷ってたら


「カード使えますよね」


そう言って黒いカードを渡していた


流石スーパーアイドル
あんなカード、陽菜は一生持てないと思う


タクシーから降りると着物を着た女性が出迎えてくれていて


「いらっしゃいませ」

「時間早いけど大丈夫かな」

「あの時間に出発されると聞いておりましたので
お昼も用意させていただいております」

「さすが女将!」

「いつもご贔屓にして頂いてますので」


どうぞこちらへと言って中へ案内してくれた


そんなに大きくない老舗旅館だけど
中は綺麗にされていて・・・
でも近代的なわけじゃなく温かみが残る
入っただけで癒される、そんな宿


一番奥へ案内され


「すぐお持ちしますので」

「ごめんなさい30分後にしてもらえるかな」

「かしこまりました」


そう言うと廊下を戻って行った


「ねえ、どういう事?」

「ここいいでしょ、私の隠れ家なんだ(-∀-`) 」

「隠れ家なのはいいけど・・・
優ちゃんの家へ行くんじゃなかったの?」

「隠れ家も家と同じじゃん」

「全然違うし(怒)」

「陽菜、温泉に行きたいって言ってたから一石二鳥かなって・・・
嫌だった?」


偉そうなのかと思ったら急に自信なくシュンとしちゃう
このギャップについ頭を撫でちゃって・・・


「ごめん、ありがとう嬉しい」


途端に顔をあげ目をキラキラさせると


「でしょ!!私サプライズとかするの大好きなんだ♪」


すぐ調子に乗るのは許してあげる(бвб) 
にこにこしながら歩き出し


「え、どこ行くの?そっちは中庭だよ」


「ふふふふふ・・・・」


「キモイから(汗)」


「じゃーん!部屋風呂あーんど露天風呂♪」


「すごい・・・けど・・・」


この部屋凄く高い気がしてきた・・・どうしよう払えないよ(汗)


「え、嫌だった?大きい方がいいなら
それもあるよ(汗)」


「嫌じゃないけど・・・」

「けど何?」

「今日そんなに持ってきてないから・・・・・」

「な〜んだそんな事か
大島さんが勝手に連れて来たんだから気にしないで(-∀-`) 」

「ダメだよ、そんな事してもらう義理は無い」

「私がしたいからしてるだけなのに」

「それでも他人に払って貰うなんて出来ない
今日は無理だけど帰ったらここの分とタクシー代も半分払うから」

「だったらさ、恋人になればいいじゃん
私の彼女になれば私が出してもおかしくないでしょ(-∀-`) 」

「・・・・・はい?」

「クエスチョンマークはいらない
はい!でいいよ陽菜(笑)」

「あのね、恋人って付き合うって事だよ
それをそんな簡単に決めちゃうとかダメだし
大体アイドルって恋愛禁止なんじゃないの?」

「私、元々アイドルなんてなりたくなかったの!
女優になりたかったのに
事務所が勝手にユニットとしてデビューさせるから
辞めれなくなっちゃって仕方なくやってるだけ」

「仕方なくって・・・・でもテレビで見た時楽しそうだったよ」

「やってる時は楽しいよ
でも時々、私何やってるんだろうって思うんだ
辞めたくても他のメンバーに迷惑かかるし・・・
あの日も月に向かって語り掛けてたんだ」


そうだったんだ・・・・


「だからさ、私と付き合って下さい(-∀-`) 」

「全然理由になってないよ(汗)
アイドルじゃなくても芸能人と付き合うなんて出来るわけないでしょ」

「ムッ、じゃーやめる
それで陽菜のお店で働く!それでいいよね」

「いいわけないでしょ
自分の言ってることわかってるの」

「じゃー、どうすれば陽菜と付き合えるの
私は陽菜とずっと一緒に居たい!」


「どうして陽菜なの?
芸能界にはもっと若くて可愛い子や
カッコいい人沢山いるのに」

「わかんないけど・・・
なんかビビッときたんだ
自分の部屋に帰った時、なんか違うくて
外食したりホテルのご飯食べても
陽菜のご飯の方が美味しいのにって思ったり
ここの隠れ家、メンバーにも教えてないのに
陽菜を連れてきてあげたいって思った」


「寂しいの?」

「そんな事無い!・・・・こと無いかなアハッ(;´-∀-)」

「・・・・・恋人になるのは別として
一緒に住むのは少し考えさせて」

「えーなんで、一緒に住むと言う事は恋人になるって事でしょ」

「恋人にならなくても共同生活すると思えばいいんじゃないかな
家事を分担し合う・・・のは難しそうだから陽菜がするけど」

「何に引っ掛かってるの?」

「あの家を手放したくないからかな
あそこが無くなったら思い出が全部消えちゃいそうで怖いの」

「だったら改装してお店も続ければいいよ
私があそこへ行くから」

「簡単に言わないでよ・・・・出来るものならそうしたいけど
先立つものが無いんだから」

「私が出してあげる」

「そんな事してもらえないよ」

「共同生活なら家賃は半分こでしょ?
だからこれからの前払いだと思えばいいじゃん」

「なるほど・・・一理あるか・・・」

「でしょでしょ(-∀-`) はい、きまりね
改装してる間は私のマンションにおいでよ」

「いいの?」

「いいに決まってるじゃん♪」


改装だったら1か月かかんないよね・・・


「お世話になろうかな」

「慌てて解約しないでよかった(;´-∀-)」


・・・・・もし陽菜が家に住まわせないって言ったら
どこに住むつもりだったんだろう

今日といい、優ちゃんの行動力には驚かされる


「そうと決まれば早く温泉に入ろ(-∀-`) 」


話繋がってないし(笑)

でも仕方なく一緒に入ることにした

満月なんて・・・ 7

一泊の着替えをカバンに詰める


化粧品とかあるよね・・・・
優ちゃんのほうが良いの使ってそう

だって芸能人なんだから


「おまたせ・・・・あれスーツケースは?」

「あれはまた取りに来るから置いておいて」

「またって、今から帰るんだから持って帰ればいいじゃん」

「重いからさ」


ここまで持ってきたのに?
あ、タクシーで来たのか

じゃー今からは電車で帰るんだ

そう思ってたのに大きな道路に出ると手を上げてタクシーを拾い
運転手さんとなにか話すと


「いいよ、乗って」


住所知られたくないのかな
行くんだからどうせわかるのに・・・・


言われるまま乗り込むと後から優ちゃんが乗ってきてドアが閉まる


「ねえ、どうして言ってくれなかったの」

「なにを?」

「アイドルだってこと」

「初めて会う人に、私アイドルやってます(-∀-`) /
て言う人いると思う?」

「それでも本当の事を言って欲しかった」

「アイドルしてるって言ったら態度代えるの?」

「そんな事しないけど・・・」


たぶん泊めたりはしなかった

それも超人気アイドルだよ
知らなかったけど・・・・
テレビ見ないんだから仕方ないじゃん


自問自答してたら


「陽菜は兄妹いないの?」

「いない、一人っ子だったから・・・・
優ちゃんは?」

「お兄ちゃんがいるけど一般人」

「そうなんだ、いくつ離れてるの?」

「あぁ!狙ってる?」

「そんなわけ無いでしょ、会ったこともないのに(汗)」

「あははうそうそ、6つ離れていてもう結婚してる」

「ご両親は?」

「二人とも健在・・・・かな」


どうして疑問系なんだろう


「東京で生まれたの?」

「ううん、実家は栃木なんだ」

「いいなー陽菜はずっと東京だったから・・・」

「そっか、おばあちゃんあそこでお店してたんだもんね」

「そう、あそこが実家でもあり
陽菜の田舎」


だから無くしたくない・・・


「陽菜?」


俯いた陽菜をしたから覗き込んでくる優ちゃん


誤魔化す様に


「今どの辺走って・・・・ねえ、高速に乗ってない?」

「あぁ・・・そうだね(-∀-`) 」

「東京に住んでるんだよね?」

「そうしないと不便だからね」

「じゃータクシーはどこへ向かってるの?」

「それは着いてからのお楽しみ(-∀-`) 」


少し悪い顔をしてご機嫌の優ちゃん


まさか変なところへ連れていかれて
噂に聞く枕営業をさせられちゃう?

・・・・なわけないよね、陽菜芸能人じゃないんだし

それか優ちゃんの替わりに
貢物としてとか?


初めてじゃないけど知らない人とするのはヤダ(汗)

窓の外を見ながらあれこれ考えてたら
優ちゃんがもたれ掛って来た

首だけ動かして横を見ると

幼い顔をして寝てる優ちゃん


そう言えば昨日までツアーしてたのに
今日朝から陽菜の家に来て・・・・・

疲れるのも無理ないじゃん
家でゆっくり休んでればいいのに・・・


仕方ないから着くまで膝を貸してあげることにした



満月なんて・・・ 6

「驚きすぎ(笑)」

「だって優ちゃんはアイドルなんでしょ」

「あら、バレちゃったんだ(-∀-`)」

「バレちゃったじゃないよ
住む世界が違うんだからこんなところに居たら駄目じゃん」

「こんなところって何?
陽菜はここで生きてるんでしょ(怒)」

「そうだけど・・・・優ちゃんはアイドルなんだよ
ここにいるのがバレたらやばいでしょ」

「私はバレても困らないもん」

「困るよ、今をときめくスーパーアイドルが
こんな古びた小料理屋の二階だよ」

「住んでるところが高級マンションとかじゃなかったら
アイドル出来ないの?」

「そうじゃないけど・・・次元が違うじゃん」

「同じだよ、陽菜も私もおんなじ人間」

「そうだけど・・・・取り敢えず今日は無理だから帰って」

「今日はってどういう事?」

「水道管のどこかで水漏れしていて
水が使えないからお風呂も入れないし
ご飯だって作れないの」

「なーんだ、それなら大丈夫
明日久しぶりのオフだから
お風呂入んなくてもオッケー(-∀-`)」

「朝顔も洗えないし歯も磨けないんだよ」

「・・・・陽菜はどうするの?」

「私は・・・・・・・・ピンポーン・・・」

「はーい少し待っててくださいね」


大きな声でドアに向かって叫

このまま誰かに見られたら騒ぎになるから・・・・
仕方ない


「取り敢えず上に上がってて(汗)」

「はーい♪」


嬉しそうに上がっていった


「はぁ・・・・・もう・・・」


入口を開けると水道屋さんで


「少し早いですけど良いですか」

「はい、お願いします」


それから漏れてる場所を探し始めて20分


「この奥と、ここのあたりから漏れてるように聞こえるので
ここの板外して見せていただいてもいいですか?」

「後で直せますか?」

「できるだけ戻しますけど
開けないことには状態がわからないので」

「そうですよね・・・お願いします」


外から工具を持ってきて壁を壊しだして中を調べてる


「水道管がだいぶと劣化してますね・・・
他のところも破れるのは時間の問題だと思いますよ」

「どうすればいいですか(汗)」

「築何年ですか?」

「さあ・・・・私が生まれる前からあったので・・・」

「おそらく全部変えないといけないかと・・・」

「家を壊すってことですか?」

「水道管が通ってる場所だけでいいんですが
相当壊すことになると思います
どうされますか?」

「少し考えさせてください」

「一応見積もりしておきましょうか」

「お願いします」

「テープを巻いて応急処置はしておきますので
数日は問題ないと思いますが・・・・
お風呂とか住居は二階ですよね?」

「はい」

「水圧が高くなるので気をつけてください」

「わかりました・・・・」


気をつけてくださいと言われても
どうやって気をつけたら良いんだろう・・・・


水道屋さんは応急処置だけして帰っていった


「はぁ・・・・どうしよう・・・・」


「工事中はお店できないね(-∀-`)」


あ、優ちゃんが居たんだ
すっかり忘れてた(汗)


「そういうことだから帰ってもらえるかな」

「陽菜も生活できないじゃん」

「一人でならなんとかする
お風呂は銭湯があるし
料理は飲料水があるから・・・・」


「わかった」


わかってくれてよかった(бвб)


「私のマンションで暮らそう」

「ん?今までも暮らしてきたんでしょ?」

「違うよ、陽菜が来るの!」

「どうして?」

「どうせ工事中はここで住めないんだからちょうどいいじゃん」

「まだ工事するって決めてない・・・」


工事するお金無いし、銀行が貸してくれるかわからないし・・・
変なところで借りたら返せないし
貯金も後少ししかないし・・・・


あぁぁーもう、どうしよう


「今日と明日は何も考えずに遊ぼうよ・・・・・そうだ!」


スマホを取り出しなにか操作しながら


「取り敢えず着替え用意してきなよ」

「だから良いって(汗)」

「この前のお礼に一泊泊めてあげるから、ね!」


一泊だけなら良いかって思っちゃったのがいけなかったのかな
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