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創作あらすじメモ

その昔、言葉に乗せて己の魔力を解放する一族が存在した。
己の真名を歌に乗せて、空に祈る。木々と心を通わせ、鳥と共に踊る。
シジェと呼ばれるその一族は、世界で信仰されている女神の使いとも呼ばれていた。
彼らが歌うことで、女神は喜び、世界の平和は保たれている。誰もがそう信じていた。
森にひっそりと住むその一族は、ある時を境に全くその姿を見せなくなったという。

「きっと女神の傍に連れられていったのだ」

誰かが呟く。
気がつくと、シジェの一族が姿を見せなくなってから、5年もの時が過ぎていた。

「シジェの歌が無いままに、世界は均衡を保てるのだろうか。」

誰もが不安に思う中、恐れていた事態が起きた。
聖公国・シフォニウスが隣国である大国、ペザンテに攻め落とされたのだ。
女神に一番愛されていると言われるシフォニウスの陥落に、誰もが驚き、絶望した。
シフォニウス公は処刑され、一人娘であったソロネも行方不明となった。



ペザンテの侵攻はシフォニウスだけに留まらなかった。
シフォニウスを滅ぼしたのち、更に進軍を進めその隣の小さな国、レクイムをも攻め落とそうとしていた。
シフォニウス陥落から3年。レクイムも今にもペザンテの手に落ちようとしていた、その時。
行方不明となっていたはずのシフォニウス公の一人娘、ソロネが兵を挙げた。
その隣には常にある傭兵が立ち、彼女の背中を守っていたという。
数では圧倒的に不利であったソロネの軍も、傭兵の指揮によりレクイムを守り、2年をかけてついにはシフォニウス公国を取り戻した。


シフォニウス公となったソロネはペザンテの王の命を奪わない代わりに王の座を剥奪。
王の次男で心穏やかな青年、セルケトに王となることを進言する。
ペザンテは王族の誰の命も奪わずに許したソロネに深く感謝し、二度と侵攻しないと誓った。



それから5年の時が流れ。
幼少期の記憶が無く、自分の本当の名前を思い出せない青年、ジェイは、盗賊のアーテと出会い、共に傭兵として大陸のあちこちを転々とするようになる。
とくに長所があるわけではない彼の唯一の自慢は「シフォニウスを救った傭兵、ラルヴァ・ディヴェルに剣術を教わったことがある」ということ。
ある村で資材を運び出す仕事をしている時に、空腹で倒れていた一人の少女を拾う。
名はセニィ。「殺し屋の一族」と名乗る彼女だが、行くあてが無いという。
不憫に思ったジェイは「シフォニウスなら難民の受け入れもしているし、住みやすいんじゃないかな」と勝手に決めて、セニィをシフォニウスへと送り届ける決意をする。
こうして、3人のシフォニウスへの旅が始まるのであった。

 



主人公3人の簡単な説明


ジェイ 推定20歳
大陸では珍しい黒髪の青年。10歳くらいまでの記憶が全く無い。なので正式な年齢は判らない。
剣術をかの有名は傭兵ラルヴァ・ディヴェルに教わったというのが唯一の自慢。
(相方のアーテには全く信じてもらえていない。ただ事実として、構えは似ている。)
そのためか彼を崇拝している。物事を考える時も「ラルヴァさんならどうするだろう・・・」と考える事多々。
特に何が得意とか、何が苦手とかもなく、非常に平凡な男。唯一の長所は「人が良い」ところ。
穏やかで争いは好まない。剣術も己の身を守るための手段として用いており、基本的に戦わなくて済むならその方が良いタイプ。

アーテ・ソロニティ 自称16歳
金髪の盗賊風の少年。背は低めで、顔つきも幼い。ただ腕は確かで、傭兵としての実績も高いらしい。
ひょんなことからジェイと傭兵としてのコンビを組む。ジェイの穏やかでマイペースな性格に振り回されがちだが、根の部分ではジェイのことを信頼している。
自身の体の細胞をあらゆる武器へと変化させ、己の体内から武器を取り出し戦うという特殊な戦法が可能。
ただ人前、とくにジェイの前では絶対にこの能力を使わず、主に腰に付けている短剣を用いて戦う。二刀流。
今はシフォニウスの近衛騎士となったラルヴァの元相棒。シフォニウス解放戦争にも関わっていた。
しかし本人はこのことを決して口にはしない。
幼い頃に双子の妹と生き別れているらしい。


セニィ 18歳
殺し屋の一族を名乗る少女。銀髪の長い髪が特徴的。
寡黙で喜怒哀楽が表に出ない。その上世間知らずなので、何かとよくジェイに質問する。
その質問が人間の感情に関する事がほとんどで、毎回ジェイは回答に困っているという。
何故殺し屋の一族が出て行ったのか、何がしたいのかは全く不明。
ジェイに勝手にシフォニウスを行き先として決められた事に関しても拒否せず、言われたままに着いて行く。
ジェイの見ていない間にアーテの能力の事を知り、それからはお互いの実力を認めている。
ジェイについては「何で弱いのに傭兵やっているんだろう…」と不思議がっている様子。

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