「なぜ、こんなことに……」。夏休みの楽しい思い出になるはずのキャンプで家族が濁流にのまれ、1人助かった父親は泣き崩れた。仲むつまじかった家族を知る人々の間に悲しみが広がった。

神奈川県山北町中川の「ウェルキャンプ西丹沢」で1日、親子4人が乗った車が川に流され母子3人が死亡した事故。同県警松田署によると、大森慎也さん(43)はやつれ、言葉がなかなか出てこない状況だったという。

亡くなった妻ルミさんの兄(46)によると、大森さんはけがをしながら救出活動に当たったが救えず、藤沢市片瀬山の自宅に戻る車の中で、泣き続けていた。家族はアウトドア派で頻繁に出掛けていたといい、兄は「誰が悪いわけでない。自然の恐ろしさか」と言葉を絞り出した。

近隣住民によると、大森さん一家は親子で犬を散歩させたり、サイクリングに出かけたりしていた。
近くの女性(77)は「休日には自宅の庭のテーブルで食事をしていた。子供たちは道で会えば『こんにちは』と元気よくあいさつしてくれるいい子たちだった」と声を落とした。

長女の舞奈さんと長男の凱風君が通っていた市立片瀬小の本橋淳校長は「深夜のニュースを見た職員からの連絡で知り、驚いている。舞奈さんは誰とでも仲良くできた。凱風君は休み時間にドッジボールで元気に遊んでいたのに」と沈痛な表情だった。
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