ある村に正直者な若者と嘘つきな老人がいた
誰からも好かれる正直な若者は嘘をつく事など知らなかった
誰からも嫌われる嘘つきな老人は正直に喋る事など出来なかった
正直な若者は毎日毎日嘘つきな老人の嘘を聞いた
今日はあの嘘
昨日はこの嘘
嘘つきな老人はあの日死んだのだ
涙が止まらなかった
嘘つきな老人は若者と村人に嘘をつかれていたのだ
若者はあの日死んだのだ
知らなかったのは老人だけだったのだ
さくらだくんはいいました
きみをつかさどるすべては
このよのものだと
さくらだくんはいいました
こいをしたらよわくなるよ
でもこわがることはないんだ
さくらだくんはいいました
よのなかのうつりかわりははげしいけれど
きみはそれにまけずいきていくんだよ
さくらだくんはいいました
であいがあればわかれがある
でもかなしむことはないんだ
またあえるから
あの日から桜田君は消えました
あの時は難しくて分からなかった事も今なら分かります
私は彼と再び会える日を待ってます
思えばこれが
初恋でした
失った悲しみが人を壊すのか
彼はもう糸が切れて動かなくなってしまった人形みたい
深い眠りについた彼女をいつまでも追っている
泣かせてあげれば救われるのか
殺してあげれば楽になれるのか
人形は再び動きだす
彼女のために
失った悲しみが人を動かすのか
そしてまた血が流れるのか