明日は仕事終わりにイツメンとやらで食事です。
パーティーは
シギ(勇者 Lv.28)
マツ(剣士 Lv.23)
K (遊び人 Lv.25)
M (白魔法使い Lv.22)
T (僧侶 Lv.26)
S (黒魔法使い Lv.30)
ジョブは適当。
俺とマツはM以下をイツメンとやらとは思ってない。
や、Tはギリでイツメンとやらでも良いです。
Sは完璧に違うんよなー
つかイツメンってなんや
そんなムズムズする名前のパーティー組んだ覚えはない。
このメンバーでの食事は今回が初めてではないんよね。
4ヶ月前にも食事にって話あったんやけど、待ち合わせ前に体調不良を理由に行くん止めた
体調不良ではなかったんやけど(笑
Sは俺とマツがSより給料良いのが気に食わんらしくてちょくちょく喧嘩売られるんよね
本人は喧嘩売ってる気はないらしいんやけど。
公休日の朝6時に電話で
給料良いんやからそれに見合う結果出せ
と言ってくるのが喧嘩を売ってるんやなかったらなんなんやって感じです。
そんなSが主催食事会
何故俺やマツにも声を掛けて、更にイツメンとやらの括りに入れるのか甚だ疑問。
あーああー行きたくない。
マツに今回は逃げないでくれってたった今電話貰ったし行くけどもー。
着替え持って出勤して、スーツから着替えてガキだらけのファミレスで飯食うのの何が楽しいんやろ?
ガキだらけの煩いファミレスでだらだら喋る自称食事会とか俺には苦痛。
はー
せめて居酒屋にしてくれー
地区の大きな警察署が老朽化により移転し、これまで使ってたとこが全面一般公開になった。
警察署になる前は刑務所だったため、奥はその時の建物をそのまま利用してるから処刑された無念の霊が出るらしいと聞いた。
そこで職場の仲が良いやつら5人で行くことにした。
移転して1ヶ月も経ってないのに外観は人気がなくなり荒んだ雰囲気
見学する人は多いし、綺麗に掃除されてるのに何でそんな雰囲気なんか分からんまま中へ。
免許の更新や事故処理できたことある1Fは目新しいものがなく、真っ直ぐ刑務所だった旧館に向かった。
すると近くの高校の制服きた女子高生二人組と擦れ違った。
「黒髪白目の幽霊、いなかったねー」
「マジがっかり。カラオケ行こー」
幽霊への期待は薄れたものの折角来たんやしってことで旧館は丁寧に見て回った。
地上2F、地下1F建てで2階と1階は何もなかった。
地下に行くと一気に荒廃感が増した。
所々崩れたコンクリート打ちっ放しの壁に錆びた牢屋
写メバシバシ撮りまくったけど異変なし。
帰るかーってなって地上に戻り警察署の方に向かっていると
「ちょ、窓!窓!」
誰かの声で窓の外を見るとボサボサの黒い長髪にグレーの囚人服を身に纏う女が横向きに立っている。
何だかただならぬ様子に全員がその女から目を離せなかった。
ふと女が此方に気付いたような素振りをしてゆっくりこっちに顔を向けた。
細面の顔は青白く、零れそうなほど大きな目なのに瞳は小さく三白眼
見ようによっては白目に見えなくもない。
女はふっと息を吐いたと思うと自分たちのいる方へ勢い良く張り付いた。
勢い良くというかバンっというガラスを叩く音がしたときには張り付き左頬を押し当てながら小さな瞳はこっちを見ていた感じ。
全員が完全にパニックになった。
自分も声も上げられないほど驚いた。
女がもぐもぐと口を動かしながら窓を割れんばかりに叩き始めた。
それに弾かれたようにみんな走り出した。
一気に警察署を出て車に乗ろうとしたらポケットに入れてた筈の車の鍵が無かった。
走り出した拍子に落としたっぽい。
取りに戻るしかないが戻る踏ん切りがつかない。
迷っていると窓ガラスが割れる音と悲鳴が聞こえた。
一気に体温が下がった気がした
ときに目が覚めた。