『あけおめ!今年もよろしく〜ってか、白ひげの年賀状みた!?』
新年早々、私の携帯電話は親友の声を響かせる。
相変わらず元気だなぁ、なんて思いつつも今朝届いた年賀状の中から、とびきり気に入った一枚を手に取り出す。
親友への返事は我ながら……惚れた弱みだった。
「うん!エース、かっこいいよね」
居酒屋白ひげからの年賀状は、スタッフ全員が着物姿で写っている。
可愛かったり、綺麗だったり、どうみても笑いを狙っていたり、ダンディーだったり。
その中でも私が一番気になったのはエース、っていうのはノロケでしょうか。
『マルコさんの男前度には敵わないでしょー!』
「うーん、どっちかっていうとエースは可愛いってコト?」
『今年もThe プラス思考で何より。ところで今から行くでしょ?一緒に行こうよ。何なら振袖着ちゃう?』
「え!?でも私、着付けとか無理」
『へーき、へーき。私がやったげるし!じゃ、30分後に行くから準備よろしくね〜。じゃ!』
「……切れちゃった」
とりあえず準備しようと思いつつ、もう一度年賀状に見入ってしまう。
「やっぱり、かっこいい」
緩む頬もそのままに、結局チャイムが鳴るまでボケッとして親友に怒られるまで残り29分。
今年も私は彼が大好きなんだと思う。
---------------------
(なあなあ、今日はあの子来ないの?)
(ん〜、どうだろな)
(……振袖で来るよい)
(ちょ、何でマルコが知ってんだよ!)
(情報網の差だよい)
2012-2-11 22:55