2017-3-14 04:50
*「#ふぁぼした人のお子さんの名前をうちの子が呼ぶ」
残
【宝生恵と櫻井磨音】
【緋桜儚と箕浦光紀】
【ひよこちゃん】
【二煽利と街風水火土】
「街風水火土」
フルネームでそう呼べば、目の前のそいつは心底不快な表情をしてみせる。
視線だけで「何だ」と返され、それに対し「別に」と口に出す。
それが尚のこと相手の機嫌を損ねてしまったようで、そのままふいとそっぽを向かれてしまった。
「まぁ、名づけに使うようなものではないな」
「……」
「俺は普通に好きではあるが」
「はぁ」
そうですか、とでも言いたげな様子のそいつに意地悪く笑みを返してみれば眉間にしわが寄ったのがわかった。
【宝生恵と音儀雪穂】
「初めまして、貴女が恵ちゃん?」
そう私に話しかけた和服美人は可愛らしい表情と仕草でもって、にこりと愛想のいい笑顔を浮かべている。
予め、磨音さんから話は聞いてはいたが、やはり悩む。どう、扱ってよいのやら。
「まぁ! ふふ、随分と恥ずかしがり屋さんなんですね」
「……いや、そういうわけではなく」
「あら、ではどういう?」
きょとんと首を傾げる彼に、私は意を決して口を開いた。
「雪穂……ちゃん、なのか、くんなのか」
俺は、どう呼べばいい? と尋ねれば、彼は一瞬驚いたような表情をしてから、腹を抱えて笑い出したのだった。
【一朔夜と足立一夏】
しんしんと雪が降り積もる中、マフラーを首に巻き、すっかり冷えてしまった両手をこすり合わせながら俺たちは帰路についていた。
「にのさん大丈夫? なんで手袋ないのさ」
「あのね足立くん、この俺がマフラー巻いてるだけマシだと思ってくださいよ」
「うん?! いや確かにそうだけどさ! でもそこまでするなら手袋もしようよ!」
隣の友人はやけにハイなテンションでもって俺の手を掴んでくる。雪によってわずかに濡れたその手袋は水を吸っており、俺が余計に冷たい思いをしているとは露ほども知らないのだろう。
【垓纈と千堂織】
ふと目が覚めれば、まだ時刻は深夜2時ほど。横目で彼女を見ればすやすやと規則的な寝息を立てていた。
そっと起こさないよう、寝がえりをうち彼女と対面する形で横になる。
じい、と彼女の寝顔を観察するだなんてことがまさか来るとは全く思っていなかったわけで、不思議なこともあるものだと思いながら気づけばうつらうつらと睡魔はやってくる。
「……おやすみ、織」
思わずそう呟けば、目の前の彼女は幸せそうに微笑んだ。