ゴルフ仲間の打った球が頭に当たって、大けがをしました。ところが、前に出ていた私の方が悪い、と言われています。
ゴルフで頭部に大けが 前にいた私が悪い?
弁護士: ゴルフのプレー中だったのですね?
相談人: はい、私が先に打って、仲間のプレーを見ようと前の方に立って眺めていたのです。
弁護士: ということは、プレーの様子を見ていたのですね?
相談人: はい、ボールもよく見えました。深い草に覆われていましたが、その様子も解っていました。
弁護士: それでも仲間の人はプレーしたのですか?危ないから離れておくようにという注意は受けなかったのですね。
相談人: いえ、全然。私も目測で40メートル以上は離れていたので、安全だと思っていました。
弁護士: なるほど。良く似たケースで大阪地裁の判例があります。それによると、同伴プレイヤーが自分の前にいるときには、ボールの飛距離を考えて、同伴プレーヤーを安全な場所まで下がらせる義務があり、何もしないまま漫然とショットしたときには、過失が認められるとしています。
相談人: ああ、よかった。プレーヤーが安全確認すべきなのは当然のことですよね。
弁護士: はい。ただ、同時に、同伴プレーヤーがボールの状態を知っていて、どこへ飛んでいくか予測困難なときには、自分も危険な場所にいることが予測できたはずで、その危険を認識しつつ、あえてプレーヤーより前に位置していたわけですから、被害者側の過失も大きい、としています。
相談人: ボールが当たった側にもやはり責任があると認めたわけですね。
弁護士: はい。その判例では、被害者も6割の過失があるとされました。
相談人: 慰謝料はいくらになりましたか。
弁護士: 頭部を撃たれたことから、後遺障害9級として認定されたケースですが、プレーヤーが支払いを命じられた金額は2000万円でした。
相談人: ゴルフのプレー中にも、お互い守るべきマナー、気をつけなければいけないことはあるんですね。