単身赴任の義弟が、ある日曜日、自宅から赴任先の社宅に帰る途中で事故にあってしまいました。こんなときは通勤災害にはならないのでしょうか?
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単身赴任の義弟が、ある日曜日、自宅から赴任先の社宅に帰る途中で事故にあってしまいました。こんなときは通勤災害にはならないのでしょうか?
相談人: はい、金曜の夜に車で自宅へ戻り、日曜の夕方に赴任先の社宅へ戻ろうとしていて、事故に遭ったようなのです。
弁護士: 通勤災害の要件というのは、住居と就業場所との間の移動であることが必要です。そして、赴任先の社宅で寝泊まりして日常生活を営んでおられたとしたら、そこが住居となるのが当然です。
相談人: もちろん、平日は社宅から出勤していました。しかし、妻子がいますので、ほとんど毎週金曜日には仕事を終えてから自宅へ戻り、日曜日の夕方には社宅に戻るような生活を送っていたようです。
弁護士: その場合は自宅も住居に該当しますので、住居から住居への移動ということになって、住居から就業場所への移動という先ほどの通勤の定義にあてはまらなくなります。
相談人: うーん、なんだか形にとらわれすぎていませんか。本人だって、単身赴任を余儀なくされているわけですから、保障をくれてもいいように思うんですが。
弁護士: そうなんです。もう少し実体を踏まえて考えるべきだという考え方から、これも通勤にあたるという判決が出ています。当日、自宅から出勤しようとすると、午前5時30分より前に出発しなければいけない、というケースで、前日のうちに社宅に移動しておくのも、住居から就業先への一連の移動、通勤にあたるとしたものです。
相談人: やっぱりそうですよね。仕事によってやむなく社宅暮らし、社宅からの通勤になっているわけですからね。
弁護士: ええ。通勤前日に移動しておくのは社会通念上から相当と認められるし、反復・継続しているのですから、通勤途上の災害と認めて、労働者を保護すべきです。
相談人: よかった、スッキリしました。