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スマフォアクセス制限コメントを送られた方々へ※5/24追記

ファイルの中をあさって色々更新してみました。
まだまだ書きかけとか、古すぎて恥ずかしすぎる話が大量に……あまり更新しないのもあれなので、小話レベルのものが多いですが

拍手コメント返信はもう少しお待ちください。……すいません、今月ちょっとスケジュールが厳しくて……

でも皆さんから頂いたコメントは、きちんと読ませていただきました。
こんな偏狭サイトの誤字だらけ文章ですが、皆様に喜んでいただけて嬉しいです!
また拍手ボタンを押してくださった方々にも、お礼申し上げます!とても励みになってます!

また数人の方からコメントで頂いたのですが、スマフォからではメールが送れないようでした。今まで気付かず申し訳ありません。管理人の携帯ものすごく古い奴で、全く気がつきませんでした……
とりあえずアクセス制限を外せたと思います。
もしまだ「見れない!」という人がありましたら、連絡ください。
またはお手数ですが、拍手コメント(最大250字制限のようです)から用件を送っていただけるとありがたいです。

よーし!もうちょい私事がんばってきます!

※5/24追記
メール投稿制限を再び解除しました。おそらくこれでパソコン、スマフォから投稿できるかと思います。
ご迷惑をおかけしました。また素早く連絡を頂きありがとうございます。

(レギオス)失せぬ花

鋼殻のレギオス
サヴァリス+レイフォン
「野花のお使い」続き。女装注意






 


「だまされた気がします」
「そうだろうね」
「だって、聞いてないです」
「言ってないって、仰ってたもんね」
「…せっかく、明日は一斉特売日だったのに」
そこか。
レイフォンはすねたような顔でサヴァリスの隣を歩いていた。ちなみに女王陛下からいただいた設定は「仲良し兄妹」らしい。
「一人でいいのに」
「事件で物騒なのに一人で歩くなんて不審すぎるって言われただろ。もうあきらめなって」
太腿まであるロングブーツに履き替えた(ニーソックスをやめる代わりにとの条件だったらしい。泣きながら履いていた)レイフォンは、あいかわらず他は女装のままだった。
違うことといえば、外からは見えないが、太腿につけられている錬金鋼ぐらいだろうか。
「あ、あの」
「ん?」
自分の範疇外とはいえ、綺麗なものを見るのは嫌いではない。本当に女の子ならよかったのに、とサヴァリスは笑顔の裏側で思った。
「み、られてませんか?ぼ、僕とか」
少し隠れるように(四方八方に人が居るのに、誰から隠れているのかは不明だ)サヴァリスのうしろを歩くレイフォンに、彼は少しだけうなった。
おそらくこの子供は女装をしていることに対しての違和感をいったのだろうが、サヴァリスから見ても違和感がないから、きっと大丈夫だろう。
「大丈夫、大丈夫。変じゃないから」
その言葉が彼を不機嫌にさせることは分かっていたが、他にフォローの使用がないのだから仕方がない。結局この任務を承諾したのはレイフォン自身なのだから、こちらに八つ当たりされても困る。
「しかし、天剣が二人も出なきゃならないなんて、政治ってやつはドロドロしてるなぁ」

今回の目的は汚染獣ではない。標敵は一武芸者であるが、このグレンダンのなかで犯罪を犯すというある意味度胸のある奴だ。
少女を暴行したのち、殺すという悪質な犯罪。目撃者も居なく、大通りのすぐ傍で強行に及ぶ狂った思考の持ち主。
念威能力者による捜索も難航しており、先日ついに官僚の娘たちにも被害が及んだ。彼女たちは下町でこっそり遊んでいる間に殺されてしまったというのだから、親としては体面が悪い。そこで白羽の矢が立ったのが天剣授受者だった。
「たしかに年齢はいい感じだしね。次に若いのはもう僕だし」
造形だって悪くない。実力は折り紙つき。
これほど今回の囮捜査に向いている人物も居ないだろう。
かくて天剣授受者たちに生暖かく見守られたレイフォン(+サヴァリス)はお金のために男を捨てたらしい。
(いや、捨てたってのは言い過ぎかな?)
「そういえば出る前にリンテンスさんに何か言われてなかった?」
レイフォンを溺愛していると噂されている―あながち間違いではないと思う―人嫌いのリンテンスとレイフォンを思い出しながら視線を下げた。小さな頭のつむじがしゃべる。
余談だが、レイフォンは天剣授受者の中ではリンテンスに一番なついている。あんな仏頂面で口が悪い偏屈を慕う彼の脳内はいまいちよく分からない。一度聞いてみたところ「口調はきついけど、いい人です」とかえってきた。
子供は不思議だ。
「はい。先生が鋼糸の使用許可を」
「あぁ、なるほど」
サヴァリスは生真面目な子供から前方に視線を移しながら、歩いていく。今のところ周りに違和感はない。
「でも、犯行現場ってバラバラだって聞きましたけど」
「そりゃ、見つかるまで捜査でしょう」
「え、じゃあ、もしかして終わるまで僕…」
「うん」
レイフォンの顔色が真っ青になった。


「じゃ、僕は買い物に行く振りだから」
「はい」
そういってサヴァリスは雑踏の中を歩いていった。そう見せかけてどこかから見張るのだろうが、レイフォンは少しだけ肩の荷が下りて、少しだけ羞恥を感じた。
天剣の人たちの関係は、基本が無関心だ。そんな中に身をおくレイフォンとてそれは例外ではない。
しかし、一人にされたことで、こんな街中で女装したまま立ちつくす自分の状況にひどい羞恥を覚えた。
(そりゃ、まだリーリンたちと身長は変わんないけど)
成長期は女の子たちの方が早いと聞くから、レイフォンはまだ成長期ではないのだろう。大男になりたいわけではないが、大人達の背中を見て育ち、戦っているレイフォンには無意識の憧れがある。彼ら、彼女らは当然鍛えられているし、貧相な印象を受けるものなんて一人も居ない。一日中ベッドの上のあの老女とて、長年天剣を勤めた貫禄がある。
レイフォンだけが、侮られる。
それは武芸者としてひどい侮辱であったし、しかしそれを冷静に受け止めている部分もあった。
「まだ子供だから」「幼いから」「孤児だから」
聞き飽きた嘲笑の刃は、レイフォンの心に確かに根付いている。
サヴァリスのように、若いながらもしっかりとした貴族の気品もレイフォンは持ち合わせていない。格闘術の出だからか骨格のしっかりしている彼を侮るものなど、この都市には居ないだろう。
たとえばリンテンスのように、周りを圧倒する存在感だとか。
しかし、彼がわずかに自分の頭を撫でるとも付かない触れたときの感触は思いのほか優しかった。彼は人を見ない代わりに、差別もない。
それがレイフォンには楽だった。
(いけない、思考が逸れた)
すぐに視覚を意識。すぐ横は寂れた路地。しかし身をおいているのは大通りという、中途半端な場所。
レンガ造りの壁にもたれかかりながら、そっと意識を集中する。
いつ攻撃を受けても万全を。剄脈を意識しながらも、活剄を走らせない。殺剄もしない。一般人を装いながら、雑踏を眺める。
太腿だけが風を感じる奇妙な感触に、自分の服装を思い出してしまいながら、レイフォンはただ待ちぼうけを食う少女を演じる。

(レギオス)野花のお使い

鋼殻のレギオス

女王とレイフォンとサヴァリス
天剣時代・女装注意




 

扉を空けるとそこは、禁断の世界の入り口だった。




「あら、やっと来た」
今日もご機嫌麗しいわれらが女王陛下は、にんまりと笑ってサヴァリスのほうへ視線を向けた。
ソファベッドらしいが、どう見ても天蓋付きベッドがある「女王陛下用リラクゼーションソファ」で安らぐ彼女はしなやかな女豹のようだ。
いつものかたくるしそうな礼服ではなく、また街中を徘徊していたのか、一般人と変わらない服を身にまとっていた。やや布面積が狭い気もするが、目の保養にはなっても害ではない。
少なくとも、サヴァリスにとっては。
「えーっと…陛下?」
「うん?」
猫の瞳で邪悪に笑む女は、腕の中の人形を逃がさないように抱きしめ続けている。清楚な洋服を身にまとった小さな人形は、泣きそうな瞳でもがいていた。
「ぅっ、ううぅぅぅっ」
人形はついに涙をこぼす。薔薇色の頬を伝い落ちる雫は、しかし頬から落ちる前に女の指に掬われた。
「泣かないの、泣かないの。似合っててかわいいわよ?」
人形は藍色の瞳をきつく閉じてかぶりを降った。はじけ墜ちる涙が豪奢な照明で輝き、ダイヤモンドのように見えた。

瞳の色に合わせたのか、青と白でまとめられた服は清潔感に溢れ、派手なピンクや目に痛い原色よりもよっぽど好感が持てた。
簡素だが地味すぎないボタンやベルトの装飾品たち。太腿がわずかに見えるぐらい短い黒と青のスカートからは幼い足が覗く。ニーソックスと細身のブーツできゅっと引き締められた足をついつい視線で追ってしまう。まだ少女の域を出ないが、もう数年経てばきっと食べごろだろう。
長い茶髪が体中に絡まって、なんだか拘束されているようにも見える。実際ベッドといっても良いくらいのクッションの上でばたばたともがく姿は、どう見ても襲われている。
グラマラスな美女。野獣のように、獲物を目の前にして弄ぶ嗜虐の笑み。
対して年端も行かぬ少女は、清楚で純朴。箱庭で育てられたように甘いにおいをさせた、無防備な人形。それが恥じらい涙を流してこう、Sゴコロを煽る。
「可愛いでしょ?アンタだってそう思うでしょ?」
「え、あ、まぁ、そうですねぇ」
「ううううぅぅぅっ!」
少女は、いや、可哀相な生贄はうなりながら手足をばたつかせる。
かなうわけなかった。
「で。ですね、陛下」
「なになに?」
「どういう経緯で、とか、どこから、とか言いませんけど。いい加減離してやったらどうですか?さすがにレイフォンがかわいそうですよ」
茶髪の少女、というか少年、というか天剣授受者…今年で十三歳になったレイフォンは一瞬の隙を突いて陛下の腕から脱出を遂げた。「あ」と名残惜しげな女の声を無視して(不敬罪とか、気にしない人でよかった)、サヴァリスの後ろに回りこみ、意味があるのかよく分からない隠れ方をした。
「レイフォン、珍しいねぇ。僕にあんまりなついてくれないのに」
「へ、陛下が、緊急任務があるって、あるっておっしゃられたから、なのに、なのに…」
ぎゅっとサヴァリスの服の裾を握り締め、混乱したように泣き出す。こういう突発的なところを見ると、やはり彼はまだまだこどもなのだなぁ、と思う。
「えー、アタシ、嘘は言ってないじゃない?」
声に視線を前方へ戻す。女王は膨れ面だ。
「緊急任務って本当よ?ちゃーんとお手当ても付くし、なによりあなたが一番適切な人材だと思ったから声をかけたのに」
「う…」
小さくうめいたレイフォンは、裾を握る手に力をこめた。
(お金大好きだもんなぁ、レイフォン…)
この小さな天剣授受者が異常なほど金を欲しているのは、天剣の中では周知の事実である。出身はドがつく貧乏孤児院だというから、仕方ないことかもしれない。
名門に生まれ、才を持ち成長したサヴァリスには想像できない世界だ。金が重要な社会の仕組みは理解していても、「たかだか」金のために強さを欲するという思考が理解できない。とはいっても、他の頭のおかしい天剣たちと比べれば、かなり人間くさく、道理にかなっている理由だとは思うが。
「お手当て、欲しくないの?」
女王様がニヤニヤ笑う。さっきレイフォンの太腿を揉んでいた手を再現しつつ、目を細めた。
「い、いくら、ですか…?」
あ、バカ。
サヴァリスの脳内の声は当たり前だが、届かなかった。
「先月のお給料ぐらい」
「やります」
「あ、バカ」
サヴァリスは思わず本音をこぼした。

 

空白

drrr
折原軍団







「ガリガリだなぁ、手前。木の枝みてぇ」
腕を掴んでにぎにぎと感触を確かめながら、しみじみと蘭は言った。
好きにさせながらテレビを眺めていた臨也は首をかしげる。
ソファにくったりと身を沈ませた姿は子供のようで、隣に座って腕を組んでいる美影は片目で一応確認した後、再び瞑想するように目を閉じた。ちなみに一人がけ用のソファでは、愛しい想い人の写真を見つめ続ける春奈がうっすらと笑い続けている。
「こんなもん、腕でも折れそうだな」
両手で腕を持った蘭がチューペットでも折るように力を入れようとするので、臨也は反対側の手で蘭の頬をぺちぺち叩いた。
「ちょっとやめてよー。それ、昔同じ折られ方した事あるから」
「ああ? ……ああ、平和島か?」
「そうそう。あいつ力の加減分かってなかったからね。捕まった時に「細いなー、あ」って感じで折られた」
折る気は無かったのだろう、本人もきょとんと間接が増えた腕を見ていたのを思い出す。一瞬遅れて感じた激痛で、文句を言うことも出来なかったが。
「でも俺でも折れそう……手前でも折れるだろ、これ」
蘭が美影のほうに腕を持ち上げると、美影はこくりと小さく頷く。
「美影ちゃんも蘭君も人より強いことを自覚してよね。俺は確かに細いほうだけど、鍛えてないわけじゃないんだから」
何とか解放されたが、いまだに腕の肉を触ったり皮を引っ張ったりしている。中途半端にずり上げられた袖は肘の上でまとまっていた。
「蘭君は結構筋肉質だよねぇ。何かやってる?」
「喧嘩してりゃ、こんなもんだろ」
臨也は腕から肩、首筋の男性的な筋を指で辿る。ともすれば官能的な動きだ。うっとりと見蕩れるような臨也の顔も年齢や性別にそぐわぬ色気があり、蘭はサングラスの奥からその顔をニヤニヤと見下ろしていた。
「うーん。いいなぁ。やっぱり男たるもの憧れるね。俺、骨浮いてるし」
「あたしから見ても細いよ。あんたはもう少し、肉をつけたほうが良い」
「持ち上げやすいけどな」
両脇に手を入れられ、一気に引き寄せられる。不恰好に蘭の上に落とされた臨也は、弾力の有る筋肉に顔を強かに打ちつけた。
「おーおー。手前、あいつよりガキ臭いな」
「いてて……ん? あいつって青葉君のこと?」
「俺の前で他の男の名前出すな」
「えー、勝手ぇー……いたいいたいごめんごめん、謝るから腕握らないで」
胸板に顔を押し付けられたまま、臨也は顔を横に向けて声を上げる。高校時代よく門田に抱きついていたときと同じような感触と心音が聞こえて、人間なんて皆同じだなぁと思った。
「ああ、でも大好きな人間に抱きしめられてるっていいなぁ。いいなぁ。友達はやっぱり大切にしないとね」
臨也は上機嫌に胸板に頬擦りずる。恋人のような振舞いだが、臨也の他人に対する距離感の誤差はすでに全員が知り及んでいるところだ。美影は一応「はしたないからやめときな」と忠告を忘れなかった。
「もうすぐ波江がご飯作ってくれるから、皆で一緒に食べようね」
「肉食えよ」
「また鍋? 別にいいけどさ」
臨也は笑った。子供のような笑顔で、悪意の欠片もない顔で。
臨也の悪行を知っているから、蘭は笑う。美影はただ見守る。
ただの悪人でなく、無邪気な子供でなく。
どこにでも居る人間の裏側のような、折原臨也の傍に居る。

(FF9)ひとりじゃない

FF9
タンタラス過去捏造








「珍しい子供ですな、どこの商品で?」
興味津々な色を隠そうとしない、その「物」を見る目が怖い。
ブランクの背にかばわれる形で隠れると、兄貴肌の彼は安心させるように手を握ってくれた。
「大丈夫だ、ジタン」
囁かれた言葉に安心する。自分はここにいてもいいんだと思える。
「わりぃがな、親父さん。こいつはうちの新入りだよ。商品じゃねぇ」
「ほう、そうですか。私も世界を渡ってきましたが、尻尾の生えた人間はいまだ見たことがありませんのでな。いやいや、いい値が付くと思いますよ」
暗に売れ、と言っているのだと、年の割りに聡いジタンは気付いた。不躾な視線が注がれる尾を隠すように動かせば、逆効果で相手を喜ばせてしまう。
「いや、それにしても本当にもったいない。金髪も天然物、見てくれも十分。本当に売り物じゃないんですか?」
「うちの新入りだよ。それでなかなか、筋がいいんだ」
バクーは相手を不快にさせないように、しかしきっぱりと断る。相手は少し残念そうな顔をしたが、やがて商談後の談笑は終了したとばかり持っていた帽子を被りなおした。
「では、失礼します。また何かあればよろしく……それと売るときが来たら真っ先に教えてくださいね」
扉が閉まった瞬間、バクーは「けっ!」と大声で悪態ついた。ブランクはジタンの頭を撫でながら同じように憤慨している。
「なんだよ、あの変態ジジィ!俺たちタンタラスが人身売買に手を貸すとでも思ってんのかよ!」
「まったく上客とはいえあの趣味だけは理解できねぇな。おう、ブランク。よくジタン守ったな、えれぇぞ」
どかどか近寄ってきたボスに荒く頭をかき回されながらも、ブランクは嬉しそうに笑った。
「ジタンはもう弟だもんな!兄貴が守るのは当然!」
「おう、そうだ!俺たちタンタラスは最高のチームにしてファミリーだからな!」
豪快に笑うバクーに高い高いと抱っこされ、急激な視界の変化に驚く。
「あ、あの」
「ん?」
「オレ、ほんとにここにいても、いいの?」
自分には過去の記憶がない。幼かったというのもあるだろうが、発見者によると自分は海を漂ってなんとか生き延びていたらしい。こんな尾の生えた奇形だから、捨てられたのではないかと思ってしまう。
バクーに拾われるまでの短い間、世界の冷たさを知った。
ジタンを見るあからさまな奇異の目。得体の知れないものに対する嫌悪感。寄ってくるのは親切の皮を被った人身売買を生業とするものたちばかりだった。見世物小屋か変態のもとにうられそうになり、鎖につながれたまま何日も街を逃げ延びていた。
バクーに拾われたときも手足には非合法な奴隷用の枷がつけられていて、それを叩き切ってくれたバクーに憧れと感謝を感じた。
「ガキが何言ってんだ! 俺はお前らの父ちゃんだからな、どーんと甘えておけ!」
ガハハ、と笑うバクーに地面に下ろされ、すぐにブランクが両手を握ってくれた。ブランクは年下でどこか幼いジタンのことをいつも気にかけている。弟がもう一人出来て嬉しいのだろう。
「それで俺が兄貴だからな!」
「う、ん」
抱きしめられて、暖かさに笑みが浮かぶ。
世界の厳しさを知っている。冷たさも残酷さも。
けれど優しさも知っている。
もうジタンは孤独ではない。
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