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第51回DQ版深夜の真剣文字書き60分一本勝負 【お題:電光石火】

第51回DQ版深夜の真剣文字書き60分一本勝負 お題「オーリン、遊び人女、ブオーン、ヒャド系、王者の剣、電光石火」

選択お題「電光石火」





「いっえーい!一番乗りっ!」


…あいつに疾風のバンダナを持たせたのは間違いだったかもしれない


《can't stop!》


遭遇した魔物の群れに皆が臨戦態勢に入るよりも先に飛び込んでは滅茶苦茶に引っ掻き回して暴れ回る
俺達がさぁ戦うぞって頃には敵の陣形はボロボロ、俺達は残ったそれらを片付けるだけ

…確かに楽だ。非常に楽だ。だが…

「指示も聞かずにバカスカ突っ込むなって言っただろうがバカ!猪女!」
「べぇっだ、勇者君たちが遅いのが悪いっ!」

電光石火、それはただでさえすばしこい武闘家をより素早くし、今ではもう誰もあいつを止めることが出来なくなっていた
こんなことなら前に冗談でも戦闘楽だわーいいわーなんて言うんじゃなかった。あれ以来無茶な行動に拍車がかかった気がする
バカ、俺のバカ

「いいからちょっとは自重しろ、っつーかめいれいさせろ!」
「却下!ガンガンいくもんね!」
「ふざけんな、いのちだいじに!」
「バッチリがんばるもん!」
「ここでまってろ!」
「絶対やだもんっ!」

ここのところ連戦連勝だからって気が大きくなってるな…こいつときたら聞く耳持ちやしない
こうして調子に乗ってるとこにいきなり強敵なんか現れてコテンパンにされて…なんてことになったら困る。ここは俺が何とかしなくてはな


「貸せっ、これは俺が預かる!」
「あっ…か、返してぇ!」

奴から疾風のバンダナのを取り上げて自分の腕に巻く。これでよし…と

素早さには素早さ、俺もはやくなればこいつよりも先に攻撃することが出来るってな!
そうすりゃ危険はちょっとでも減るだろう…

「今度から俺が敵陣に切り込むのを指銜えて見てろってんだ!」




「行っくよー先手必勝だぁ!」

……あれ?

「へへっ、皆おっそーい」

俺今疾風のバンダナ持ってるし性格電光石火だし……なのに何で全然追いつけない?!

「何でだ?!」
「勇者さん…元々武闘家ちゃんは素早かったんだから今から追いつくとなると、レベルが…」
「なん…だと…」

じゃあ、俺があいつを差し置いて戦闘で活躍するということは…でき、な…い?

「魔物の群れ発見!ちょっと奇襲かけてくるっ」
「っだ…こらっ…待ちやがれこの馬鹿ぁぁぁぁっ!」

喜々として敵の群れへと突っ込もうとする奴を慌てて武器片手に追いかける

虎に翼、龍に雲、これはさしずめ武闘家に電光石火って感じだが…

「ちょっとは大人しくしてろよ本当に!」


ちっとも目が離せない、これでもかって位にこちらを振り回すこいつを誰か止めてくれ…






《夏木実寒/kisshinranbu》
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